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鈴木亮平インタビュー『女の子スイッチをオン?内面はわりと女性っぽい(笑)』
外見も作らないと成立しない“ゴリラのような高校1年生”
鈴木原作を全部読んで、猛男という人間を理解するところから始めました。漫画はビジュアルがあるので、原作のファンがいらっしゃる以上は、そのイメージは絶対に裏切りたくないんです。内面だけではなく、外見も近づけていかなくてはいけないと毎回思うんですけど、今回の場合はとくに! 外見がゴリラっぽい(笑)、おっさんゴリラのような高校1年生ってところが、ストーリーの肝でした。それがないと、成立しない話じゃないですか。なので、まずは内面と外見、両方作っていかないといけないと思いました。お話をいただいたとき、僕は前の仕事で体重をかなり落としていたので“がんばろう!”って感じでしたね(苦笑)。
――半年かけて20kg減量して撮影に臨んだ『天皇の料理番』(TBS系)の直後に、約40日間で30kgものウェイトアップ! いま、体重はもと通りですか?
鈴木はい。だいたい標準に戻ってきました。通常は撮影の前後1ヶ月で調整しています。
鈴木うまく言えないんですけど、違う気がします。自分のなかの男の子スイッチをオンにするか、女の子スイッチをオンにするか、ってところは多少ある気はします。けっこう男らしく見られることが多いんですけど、内面はわりと、自分で言うのも何ですけど、ちょっと女性っぽいところがあったりするので(笑)。こういうピュアなものをやるときはやっぱり、自分のなかのピュアな部分というか、ラブコメとかを観ているときの楽しい感じを意識します。今回も(原作以外にも)少女漫画を読んで勉強しました。コメディですけど、いちばん重要なのはいかにキュンキュンさせられるか、っていうラブストーリーの部分なので。『ストロボ・エッジ』とかも読みましたよ!
――キュンキュンしましたか?
鈴木しました(笑)。でも僕は『俺物語!!』の方がしましたね。どうしても王道の少女漫画というのは、男の子からみると「好きなら、好きって言えばいいだろーっ!」みたいな(笑)。すごくこまやかな、繊細なところを、丁寧にていねいに拾っていくから。『俺物語!!』は、少年漫画の登場人物が少女漫画の主人公になったら!? という感じのストーリーだったので、入りやすいし、笑いやすいし、ときめきやすかったっていうのはありましたね。共感しやすかったです。
恋愛への自信のなさは自分に近づけて捉えた
鈴木少女漫画に出てくる男の子って、男からすると、やっぱり美化されていたりするじゃないですか。でも、猛男の場合は共感できるところが多くて。ピュアで自分を受け入れている面もありますけど、自分がどう見られているのかも知っていて、そのコンプレックスも少し抱えている役だったりするので。男ならみんな思う、恋愛に対して自信がなかったりとか、そういうところも、自分に近づけて捉えました。
鈴木その時々で、猛男が何に傷ついて、どんなことを思っているかというのは、押さえていかなくてはいけないところですが、猛男はけっこうそれが難しくて。猛男はいつも、まず相手の幸せを思っているので、なかなか本心を(セリフでは)言わないんですよ。漫画やアニメの場合は、そこの部分はモノローグで語られていくから、観ている人は、本当はこういう思いなのに、そういうことを顔に出さないでこういうセリフを言って、猛男はいい男だなって思えるんですけど、モノローグ的表現をやると映画的ではなくなってしまう。なるべくそれを、表情で出さなくてはいけなかったんですが、そこが原作のイメージと離れてしまいがちなところで、いちばん怖かったんです。
そんな猛男の揺れとか、本心はどう思っているんだろう? という(猛男の心の)表現として、夕日を見つめる、空を見上げるという表現が(シーンとして)入っているんだと(台本を読んで)思いました。演じているときは、猛男の、表情に出さないところが、男のなかの“漢”の強い部分なのに、原作より、弱さや揺れを出し過ぎているのかなあと危惧していたんです。でも出来上がった作品を観ていると、ああいう(空と対峙する)シーンがあることで、観ている方が猛男の心情に寄っていけるので、よかったなあと。結果、原作の猛男を裏切らない、ちょうどいいバランスになっていたなといまは思います。
――仙台でのオールロケ撮影は、役作りにも影響しましたか?
鈴木すごく大きかったです! まず街がきれいなんですが、(撮影した)5、6月はとくに新緑の色がすごくきれいな時期だったんです。(街が)キラキラしているので、気分が自然と青春時代に戻っていけたというのか。知らない街だからこそ“オレは、この街に生きている剛田猛男という高校生だ!”ってことを信じられやすかったし。1ヶ月間行きっぱなしでホテルに泊まっていたので、鈴木亮平に戻る時間があまりなくて集中できた感もありますね。