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鈴木亮平インタビュー『女の子スイッチをオン?内面はわりと女性っぽい(笑)』

役者のエゴに走らないように気をつけた

――河合勇人監督の演出はいかがでしたか?
鈴木ほかの映画の場合だったら、とにかく内面をつきつめて、その結果、出たものが表現としては正解だと僕は思っているんです。でも今回は、結果、出たものが猛男らしくないと成立しないというのか。気持ちだけじゃできない部分が、どうしてもあったんですよね。感情をかなり大きくしないと、猛男という役にふさわしいパワーに釣り合わない。簡単に言うと、眉毛とか、もみあげとか、強烈な外見でナチュラルな芝居をしても、逆に不自然に見えてしまうので、どこまで大きな表現をしていいのか? というところです。やり過ぎるとやっぱり、お客さんは引いてしまうと思うので、そのサジ加減をすごく監督と話し合いながら、ことあるごとに確認してやっていました。

 自分では猛男らしいと思っていても、外から見たらどうなのか? 原作ファンの人に“猛男だ!”って思ってもらわないと意味がないと思っていたので、自分の役者のエゴみたいなものに走らないように気をつけました。歩き方から、表情、セリフの言い方、全部監督に確認しています。僕の芝居の方向性が、監督のイメージと違うと、監督は具体的に「そうじゃなくて、こうしてくれ」って言うんじゃなくて、猛男の心の声を代弁してくれるんです。「砂川、なんでおまえはそんなに鈍感なんだ!」みたいなことを、猛男っぽく(笑)。そうすると僕は“あぁこのシーンはそういう気持ちで演じればいいのか、ちょっと違ったな”ってわかる。内面から言ってくれるので、すごくやりやすい。気持ちを変えれば、外の表現も変わってくるので、わかりやすかったです。
――撮影現場では、モノローグが流れていたんですね!
鈴木あまり似ていないんですけどね(笑)。猛男っぽくやってはくれるんですけど、それがいちいちおもしろくて! 傍から見ると、そこがおもしろいのか! と。ラップキスのシーンで、監督から菓子折りを渡されたときは、ちょっとウケましたね(笑)。原作でそのシーンを読んだときも好きでしたけど、お願いごとをするときの礼儀正しさはちゃんとしているのに「キッスさせてくれ」っていう非常識は、どうでもいいんだっていう。もう周りが見えなくなっちゃってるんだ! って(笑)。

――完成作は、どうご覧になりましたか?
鈴木笑えるだけじゃなくて、きちんと恋愛ものとしてキュンキュンできるところが、僕はいちばんうれしかったです。なかなか自分の作品って冷静に観られないんですけど、今回は泣いてしまいました。(ヒロインの)大和の気持ちになることもあるし、猛男の気持ちに重なるところもあった。演じたのは32歳の僕ですけど、青春恋愛映画のひとつになってくれればいいなあと思います。恋愛だけじゃなく、友情も、家族の愛情もしっかりと描かれていて。家族のシーンもすごく好きで、この両親があって、猛男というピュアな人間が育ったんだなって思うところもあります。

俳優を目指した高校時代の根拠のない自信…

――星空を眺めながら、お父さんが猛男に想像力の必要性について語るシーンは、忘れられない名場面ですね。役を演じる上でも、想像力というのはとても大事な力だと思うのですが、鈴木さんは普段、どのように想像力を鍛えていますか?
鈴木もともと僕は、想像するのは好きなタイプなんです。世界遺産が好きなのも(※世界遺産検定1級合格者)、自分がそこにいることを想像したりするのが好きだったりして。夢見がちなんじゃないですかね、意外と(笑)。でも僕は(芝居をする上で)想像には限界があると思うんですよ。

――想像に限界がある、というのは?
鈴木芝居をするとき、やっぱり自分が体験したことの方が、強烈に自分のなかでわき上がってきやすいというのか。とくに今回のような恋愛ものをやるときには、自分の過去の恋愛経験が、直接的に表現に影響を与えると思うんです。もちろん、それだけではできないので、猛男だったら? っていう想像力を働かせることもあるんですけど、でもそうは言っても、半分は“自分だったらこうなる”ってところからしか出せないと僕は思っているし、そういう本質的な部分が、人を感動させると思うので。自分が本当の人生のなかで、いかに充実した毎日を送るか、いかに幸せに気づくか、いかに傷つくか。どれだけ大切なものを失ってきたか、みたいなことが反映されるんじゃないかなって気がします。
――ところで鈴木さんは、高校生の頃にはすでに俳優を志していたのですか?
鈴木高校生のときはなんとなく“オレは俳優になるんだー”みたいな感じですかね。「じゃあおまえは、それに向かって、どんな具体的なことをしているんだ?」と言われたら、えっ!? って感じだったと思います(笑)。でも根拠のない自信みたいなものは、いちばん持っていた時期じゃないですかね。

――当時は俳優になって、どんなことを表現されたいと思っていたのですか?
鈴木そこまでカッコいいことは考えてなかったと思いますね。映画に出たい! 違う人になってみたい!! とかだったと思います。あと留学した経験から、悔しい気持ちっていうか、もうちょっと日本人の存在を世界に知ってもらいたいと思ったので、もし自分が俳優になったら、いろいろな国の映画に出たい。自分を通して、日本人の存在感を知ってもらえたらなあ、みたいなことを思っていました。

――いまはどんなことを表現したいと思っていますか?
鈴木変わっていないですね。基本的には、フィクションの世界に入って、違う人間になるのが好きっていうのが、いちばんのモチベーションです。日本人とか、アジア人の存在感を、エンタテインメントを通して高めたいという気持ちは、もっと強くなっています。プラス、実際に(俳優を)やってみて(作品を観てくれた)人が感動してくれることを見るのが、自分の感動ということを知ったので。今回の映画を観てくれた人が、笑ったり、泣いたりしてくださることが、いまはたぶん、いちばんのやりがいになっています。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

俺物語!!

 全く高校生には見えない顔面と巨体の持ち主・剛田猛男(鈴木亮平)。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつ何時も人助けをする包容力で男子からの信頼はアツい。
 だが、これまで好きになった女子はみんな、猛男の隣家に住む親友の超イケメン・砂川誠(坂口健太郎)を好きになり、猛男も素晴らしい男だと認めているので、そうなることも仕方のないと思っている。
 ある朝、猛男と砂川は街中で危機に遭っていた女子高生・大和凛子(永野芽郁)を救い、猛男は大和に一目惚れをしてしまう。猛男の一途な恋の行方は……。
監督:河合勇人
キャスト:鈴木亮平 永野芽郁 坂口健太郎 鈴木砂羽 寺脇康文
2015年10月31日(土)全国ロードショー
(C)アルコ・河原和音/集英社(C)2015映画「俺物語!!」製作委員会
【公式サイト】(外部サイト)
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