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ORICON NEWS
号泣実況で異彩を放つTBS石井大裕アナ 久々に現れた男性個性派アナウンサー
錦織圭選手の全米オープン準優勝で大泣き
高1のとき、松岡修造主催で有望なジュニア選手を世界トップクラスに育てるプロジェクト「修造キャンプ」に参加。ともに練習していたメンバーに、当時小6の錦織圭選手がいた。石井アナは4歳下の小学生だった錦織選手と練習試合をして負けたという、錦織選手の天才ぶりを伝える逸話がある。
慶応大学進学後は、休学して海外の大会に出場していたが、ケガもあってテニスプレイヤーの道を断念。2010年にアナウンサーとしてTBSに入社した。同期は小林悠アナと佐藤渚アナ。主にスポーツ番組を担当する一方、実兄で同じくTBS社員の石井大貴氏とともに音楽ユニット・Well stone bros.を結成し、昨年4月にメジャーデビューもしている。
広く注目されたのは昨年9月、錦織選手が準優勝した全米オープンだった。テニス4大大会での日本人選手の決勝進出は史上初の快挙で、石井アナは直訴して急きょ準決勝から渡米。試合会場からレポートを行い、錦織選手が勝つと「やりました! ついにグランドスラム決勝進出!」と涙を流して叫んだ。かつて「4大大会の決勝に錦織選手が出て実況するのが夢」と話していたことを振られると、「入社テストでその話をしましたが……」とさらに大泣きした。
スポーツ以外ではポンコツっぽい一面も
泣かないまでも、早朝からハイテンションで身振り手振りを交えて、スポーツニュースを伝えている。「全力で応援します!」が口グセ。その姿は暑苦しくもあるが、熱さについ引き込まれるのは、師匠の松岡修造譲り。石井アナ自身も「尊敬する人で影響を受けています」と話している。錦織選手のフロリダ生活に独占密着した番組で彼の素顔を引き出したのも、テニスプレイヤーとして切磋琢磨した仲の石井アナだからこそ。
一方、たとえば元PL学園野球部のエースで甲子園で松坂大輔投手と投げ合った上重聡アナ(日本テレビ)などと比べると、イケメン度やさわやかさでは譲る。また、石井アナは「きゃりーぱみゅぱみゅ」をうまく言えずに「アナウンサーなのに」とツッコまれたり、『マツコの知らない世界』のテニスがテーマの回でゲストの松岡修造に呼び込まれて登場したものの、トークが弾けず、マツコ・デラックスに「おまえは修造さんがいないとダメ。テレ朝に行け!」とイジられたり。スポーツ以外ではポンコツっぽい一面も見せるが、そこもまたオイシイところだ。
男性アナウンサーとしては特異なポジションの石井アナ。錦織選手の活躍にうまく乗っかったところはあるが、熱さで正面突破していくのは、選手出身のスポーツアナとしてはある意味、正攻法。個性派の男性アナがあまり目立たないなかで、そのオリジナリティを今後どう生かしていくか楽しみだ。
(文:斉藤貴志)