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スポーツタレント枠を超えバラエティに定着した篠原信一
自ら向いてないと明かす代表監督時代
その後、柔道日本男子代表の監督のオファーを受けるも、本人曰く“向いていない”と思っていたらしく、早々に引退。以前出演した『アウト×デラックス』(フジテレビ系)では、「強くなりたいんだったら自分で何とかしろと思っていた」と監督らしからぬ発言をしたあと、「それでもわからなかったら聞きに来いとは言っていた」とフォロー。しかし、その直後に「聞きに来られても困るんだけどね」と追い打ち発言。たしかに監督には向いていなかったかもしれないが、監督を務めた4年という短い期間に篠原に教わった選手たちは、様々な意味で貴重な経験をしたはずだ。
また、スポーツ解説を務めたときは、選手の名前を覚えられず、関係者から「解説ではなく、自分の自慢話ばかりする」と指摘されたという。そのような裏話を含めた経験談を自らネタにして次々と軽快に話し、さらには「昼キャバクラによく行く。決してハマってはいない。でも、よく行く」と赤裸々な告白も。当たり前だが、見え方を気にするタレントが多いなかで、その自由奔放な語りっぷりが気持ちいい。しかも、自分の話にしっかりとオチをつける。そんな落としどころのある話を常に出してくるところも才能のひとつだろう。バラエティでは、芸人と同じようにリアクションをし、そのなかでまったく引けをとらないどころか、逆に喰ってしまう。そんなスポーツタレントはなかなかいないからこそ、テレビ局にとってありがたい存在であり、重宝されるのだ。
バラエティ系スポーツタレントの完成形?
しかし、いまや彼を見ると、柔道家というよりも、おもしろいタレント、または芸人という認識を持つ人も増えてきたのではないだろうか。とんねるずや、くりいむしちゅ〜などの共演する芸人たちからのいじり方も容赦なく、いわゆる著名なスポーツタレントとはまた違った扱いを受けている。それが定着しつつあるいま、サッカー選手だった武田修宏や前園真聖、野球選手だった元木大介のような、背景に種目が浮かばないほどのバラエティタレントのひとりとして君臨している。そのなかでも篠原は、バラエティ系スポーツタレントの完成形ともいえる存在になりつつあるのではないだろうか。
(文:吉田可奈)