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オスカー受賞の可能性は?『かぐや姫の物語』『ダム・キーパー』現地の評価
◆『かぐや姫の物語』芸術作品として高評価も苦戦か
アカデミー賞のノミネーションは、アカデミー協会の長編アニメ映画部門の会員、つまりアニメのプロによって決定される。今年であれば、候補作20本を観た会員が、各作品に10点満点の採点をつけ、合計点数の上位5本が選ばれる仕組みだ。『かぐや姫の物語』のノミネーションは、コンピューターアニメの技術や興行的成功とは別の次元で、手描きやストップモーションの作品を“芸術"として評価していることが伺える。
ただし、受賞予想においては現状、ゴールデングローブ賞、アニー賞を受賞した『ヒックとドラゴン2』と、ディズニー映画『ベイマックス』が有力候補とされている。『かぐや姫の物語』がそんな流れを覆すことができるか注目される。ちなみに、今年のノミネーションにおける最大のサプライズといわれているのは、長編アニメ映画賞から『LEGO ムービー』が漏れたことだ。
◆米メディア予想では受賞可能性あり『ダム・キーパー』
前述のデュボアは米ニューヨーク・タイムズのインタビューで、『ダム・キーパー』について、「アートブックで見るような美し挿絵に、命と詩と動きが吹き込まれたかのよう」と評しているが、デュボア以外にもアニメーション界の“同僚”たちがラブコールを贈っている点が印象的。オスカー受賞予想を展開する複数のメディアにおいても、同作を推す声があがっており、受賞の可能性は十分あるといえそうだ。
ちなみに、堤氏の妻が、『となりのトトロ』に登場するキャラクター“妹のメイ”のモデルとなった、宮崎監督の姪であることも、興味深い縁として触れられている。
『かぐや姫の物語』『ダム・キーパー』ともに、受賞の行方が気になるのはもちろんだが、アニメのプロたちが敬愛したという事実こそが、最高の賛辞といえるのではないだろうか。第87回アカデミー賞授賞式は、米時間2月22日に、米ロサンゼルスのドルビーシアターにて開催される。
(文:町田雪)