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オスカー受賞の可能性は?『かぐや姫の物語』『ダム・キーパー』現地の評価

アニメのプロが敬愛する『かぐや姫の物語』『ダム・キーパー』オスカー受賞の可能性は?(C)2013 畑事務所・GNDHDDTK(C)2014 TONKO HOUSE LLC ALL RIGHTS RESERVED

第87回アカデミー賞の長編アニメ映画賞に高畑勲監督作『かぐや姫の物語』、短編アニメ映画賞に堤大介、ロバート・コンドウ共同監督による『ダム・キーパー』がノミネートされた。昨年も、『風立ちぬ』(宮崎駿監督)と『九十九』(森田修平監督)がそれぞれ、長短アニメ映画賞にノミネート。日本が世界に誇るアニメーションという分野において、日本関連作品が2年連続でダブルノミネートを果たす快挙となった。そこで、今年のノミネート2作の米国での評判、受賞の可能性についてお伝えしたい。

◆『かぐや姫の物語』芸術作品として高評価も苦戦か

  • 高畑勲監督

    高畑勲監督

  • 『かぐや姫の物語』(C)2013 畑事務所・GNDHDDTK

    『かぐや姫の物語』(C)2013 畑事務所・GNDHDDTK

 『かぐや姫の物語』は、米批評家たちから「幻想的な傑作」「真の芸術作品」といった好評なレビューを獲得。高畑監督は、ディズニー&ピクサーのトップであるジョン・ラセターをはじめ、世界中のアニメーターが敬愛する宮崎駿監督と並ぶ日本アニメ界の巨匠として紹介され、同作は78歳にして生み出した最高傑作と評されている。オスカーに向けた賞レースでは、ロサンゼルス映画批評家協会賞にて最優秀アニメーション映画賞に輝いている。

 アカデミー賞のノミネーションは、アカデミー協会の長編アニメ映画部門の会員、つまりアニメのプロによって決定される。今年であれば、候補作20本を観た会員が、各作品に10点満点の採点をつけ、合計点数の上位5本が選ばれる仕組みだ。『かぐや姫の物語』のノミネーションは、コンピューターアニメの技術や興行的成功とは別の次元で、手描きやストップモーションの作品を“芸術"として評価していることが伺える。

 ただし、受賞予想においては現状、ゴールデングローブ賞、アニー賞を受賞した『ヒックとドラゴン2』と、ディズニー映画『ベイマックス』が有力候補とされている。『かぐや姫の物語』がそんな流れを覆すことができるか注目される。ちなみに、今年のノミネーションにおける最大のサプライズといわれているのは、長編アニメ映画賞から『LEGO ムービー』が漏れたことだ。

◆米メディア予想では受賞可能性あり『ダム・キーパー』

  • 『ダム・キーパー』(C)2014 TONKO HOUSE LLC ALL RIGHTS RESERVED

    『ダム・キーパー』(C)2014 TONKO HOUSE LLC ALL RIGHTS RESERVED

 その『ヒックとドラゴン2』の脚本・監督を務めたディーン・デュボアも高く評価するのが、短編アニメ映画賞候補の『ダム・キーパー』だ。共同監督である米在住の堤氏と日系アメリカ人のコンドウ氏は、『トイ・ストーリー3』や『モンスターズ・ユニバーシティ』でアートディレクターを務めたコンビ。初監督作ととなった同作は、世界中の国際映画祭で20以上の賞を受賞している。

 前述のデュボアは米ニューヨーク・タイムズのインタビューで、『ダム・キーパー』について、「アートブックで見るような美し挿絵に、命と詩と動きが吹き込まれたかのよう」と評しているが、デュボア以外にもアニメーション界の“同僚”たちがラブコールを贈っている点が印象的。オスカー受賞予想を展開する複数のメディアにおいても、同作を推す声があがっており、受賞の可能性は十分あるといえそうだ。

 ちなみに、堤氏の妻が、『となりのトトロ』に登場するキャラクター“妹のメイ”のモデルとなった、宮崎監督の姪であることも、興味深い縁として触れられている。

 『かぐや姫の物語』『ダム・キーパー』ともに、受賞の行方が気になるのはもちろんだが、アニメのプロたちが敬愛したという事実こそが、最高の賛辞といえるのではないだろうか。第87回アカデミー賞授賞式は、米時間2月22日に、米ロサンゼルスのドルビーシアターにて開催される。
(文:町田雪)

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