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意外性でも話題の大ヒット作『ベイマックス』、『アナ雪』との相違点とは?

今年の冬休み映画は『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』の完全勝利かと思いきや、2015年がスタートすると、ディズニー新作『ベイマックス』が公開3週目にして首位を奪って快調に興収を積み上げている。同じくディズニーの昨年の歴史的ヒット作『アナと雪の女王』の記録(日本での最終興収は254億7000万円)に迫るところまではいかないようだが、3つのポイントからこの2作を比較し、考察してみたい。

◆“できの良い”アナ雪姉さんに続くディズニーの注力具合

 まずは公開時の環境から。他国に比べて、とくに日本で大ヒットを記録した『アナ雪』だが、日本での封切りは2014年3月14日。世界的に見ると出遅れたスタートとなった。日本公開時には、すでに世界興収10億ドルを突破。リアルな数字が示す人気ぶりから、ファンの期待は高まった。さらに公開直前の3月3日には、宮崎駿監督の『風立ちぬ』を退けて、第86回アカデミー賞長編アニメーション賞受賞(「Let It Go」は歌曲賞も受賞)の追い風も受け、これ以上ない絶好のタイミングで初日を迎えた。

 一方の『ベイマックス』は、『アナ雪』の日本での爆発的ヒットを受け、ディズニー本社が日本のマーケットを重要視。ワールドプレミアとなった、第27回東京国際映画祭でのオープニング上映時には、製作総指揮のジョン・ラセターをはじめ、ドン・ホールとクリス・ウィリアムズ両監督らディズニー幹部が揃って来日し、ディズニーファンを熱狂させた。いわば“できの良い”アナ雪姉さんに下駄を履かせてもらった形だ。

 事実、封切り時全国308スクリーンで公開された『アナ雪』に対し、『ベイマックス』は540スクリーンで公開された。加えて、新宿・花園神社の鈴がベイマックスのデザインのルーツになっているなど、日本文化から多大な影響を受けている点も、日本のファン層への大きなPRポイントになった。

◆デートムービーとしての伸びしろに期待がかかる

 次に映画の内容について。ディズニー史上初めてとなる、ふたりのプリンセスが主人公となった『アナ雪』は、アンデルセン童話『雪の女王』にインスピレーションを得た、真実の愛で雪と氷の世界を救う、王家の姉妹の冒険ファンタジー。歌もドレスも、女の子が大好きなもので創り上げられた目にも美しい世界で、雪の女王にどっぷりと感情移入できる、女の子ワールド全開だ。

 一方の『ベイマックス』は、ディズニーが初めてマーベルコミックをベースにした、ヒーロー物語(つまり両作とも、ディズニーにとって、初の試みとなった挑戦作でもある)。事故で亡くなった兄の遺したロボットの“ベイマックス”とともに、主人公ヒロが兄の死の真相を探り、悪と戦う展開は、ディズニー作品のなかでもアクション度が高い。かわいらしい見た目のケアロボットに優しく癒されるはずが、実際に作品を観て「こんな映画だったの!?」という意外性から、口コミで人気が拡大していったところもある。

 両作には、ファン層にも違いがある。作品への満足度から現在も人気が広がっている『ベイマックス』は、1月18日の時点で日本での観客動員数500万人、興収64億円を突破。娘にせがまれて、家族で劇場に足を運ぶファミリー層が目立った『アナ雪』に比べて注目すべきは、先述のストーリーの意外性もあり、ファミリー層はもちろんのこと、近年のアニメ映画には珍しく、デートムービーとしても成立している点である。今後『ベイマックス』大躍進の鍵を握るのもここだろう。いかに男性客が、女性を誘って劇場に足を運ぶか? デートムービーとしての伸びしろに期待がかかる。

 思えば昨年の春からもうじき1年。東京ディズニーランドでは「アナとエルサのフローズンファンタジー」が開催され、恐らく『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』(短編)が公開される春(実写版『シンデレラ』と同時公開)まで、『アナ雪』に鷲づかみにされっぱなしの、一途な若き大和撫子たちのハートを、日本男児は溶かすことができるのだろうか? 生物学的にも『ベイマックス』のヒットの行方が興味深いところだ。

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