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カルト映画『鉄男』日本逆上陸直前インタビュー 疲労感は『アバター』の3倍!?

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カルト映画『鉄男』日本逆上陸直前インタビュー
疲労感は『アバター』の3倍!?


 塚本晋也監督のカルト・ムービーの金字塔、『鉄男』(1989年)から20年を記念した、シリーズ最新作『鉄男 THE BULLET MAN』が22日より全国公開される。世界公開を視野に全編英語で製作されたもので、主演の米俳優エリック・ボシックが青い目の“鉄男”を演じる。このほどORICON STYLEでは塚本監督、エリック、そしてヒロイン役の桃生亜希子に、同作の“表”と“裏”をインタビュー。エリックは流暢な日本語で答えてくれた。


 同作の制作が“極秘裏”に始動したのは2007年末。約2年の制作期間を経て、昨年7月、全米最大のコミック&ポップカルチャーの祭典『Comic-Con2009』で製作発表会見を行った。同8月にようやく完成し、9月、伊・ベネチア国際映画祭でワールドプレミア上映、10月にスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭(世界最大のファンタスティック映画祭、名誉賞を受賞)と韓国・釜山映画祭、そして今年4月に米・トライベッカ映画祭で上映され、いよいよ日本に“逆上陸”となる。


◆自分が思ったとおりの『鉄男』を作りたかった

―――公開を間近に控えた心境は?

【塚本監督】 アメリカ版『鉄男』を作らないか? という話をたくさんいただいて、「作るぞ」と思ったのが17年前。それからずいぶん時間は経ちましたけど、「やめた」と思ったことは1度もなかった。長い間チャンスを狙い続け、ほかの映画を作りながら、機が熟すのを待っていた。

 2007年末に「よしっ」と思って作り始めたら、さらにまた時間がかかってしまって…。自分が思ったとおりの『鉄男』を作りたくて、丁寧に1つずつコマを進めていきたかった。撮影も9ヶ月かかったし、べネチア国際映画祭で上映してから、また思うところがあって、4ヶ月かけて編集し直して、やっと出来上がった。なので、今、かなり感無量といった心境です。


――エリックはオーディションを勝ち抜いて、主人公・アンソニー役に抜擢されました。

【エリック】 映画のタイトルもどういう役かも知らずに塚本監督の新作ってことで、オーディションを受けたんですね。『鉄男』の大ファンだったから、塚本監督の作品に出られるチャンスはすごく珍しいと思って、オーディション頑張りました。確か、2回目のオーディションで、実は「鉄男です」と知らされたように記憶しています。


【塚本監督】 だいたい、そんな感じです(笑)。


【エリック】 『鉄男』と聞いてすごくびっくりした、ですよ。


【塚本監督】 エリックは最初のオーディションの時から髪を黒く染めて、七三分けにして、サラリーマンのイメージをちゃんと作ってきたんだよね。僕もびっくりした。


【エリック】 出演が決まってから、僕たち秘密みたいにして作っていたんですね。昨年のコミコン(『Comic-Con2009』)で発表されるまで、『鉄男』というタイトルすら伏せられていた。この映画にかかわってから2年間、ずっと頑張ってきて、自分の100%以上の力を注ぎ込んできたので、やっと公開されるんだと思うと、そうですね……飛行機から映画のチラシをばら撒きたいくらいの気持ちですね。


――桃生さんは出演されていかがですか?

【桃生】 この映画作りが始まったのが2年くらい前になりますが、このようなタイミングで塚本監督とこの作品に出会えたのは、大きなターニングポイントになると思います。


◆身体に感じる疲労感は『アバター』の3倍


エリック・ボシックの出演シーン


桃生亜希子の出演シーン


もちろん、塚本晋也監督も出演

――CG全盛の時代に、アナログな映画作りにこだわったという触れ込みですが。

【塚本監督】 完全に80年代のアナログな作り方。かつての『鉄男』シリーズ同様の自主制作スタイルで作り始めたので、本当にお金がなくて(笑)。仮に十分な製作費があったとしても、CGを多用した作り方はしない。日常的な空間の中に、異物としての“鉄男”、つまり、怒りによって身体が“鋼鉄の銃器”に変貌する男が存在しているからこそ、ゾクゾクする面白さがある。あくまでもリアリティを出したかった。


【桃生】 撮影前に台本を読んでいて、このシーンはCGだろうなと思っていたら、ほとんどがロケかセットでの撮影でした。エリックが天井を駆けずり回るシーンのために廊下を逆さまにしたセットが設営されたりしていました。地下室のセットはすごく狭くて、みんな泥だらけ、埃まみれになって、キャストもスタッフもみんな大変でしたよね。


【塚本監督】 でも、そういう体験をすると楽しいでしょ。大の大人が「仕事です」という大義名分のもとでどろんこ遊びができる。ブルーバック(※ビデオ用語 CGと合成用の撮影をする際、青い布などの背景を用いる手法)にはそれがない(笑)。


【エリック】 俳優としては、本物のセットと衣装で演技した方がやりやすい。“鉄男”になる時も、ブルーバックで想像して演じるより、リアルに自分の身体が“鉄”になっている状態のほうが演じやすい。ただ、特殊メイクは正直、きつかったですね。


【桃生】 大変だったけど楽しかった。目の前に“鉄男”になっていくエリックがいるから、自然に演技のイメージがわいてきました。



3人には9ヶ月に及ぶ撮影をともにした絆が感じられた(C)ORICON DD inc.

【塚本監督】 CGが嫌いなわけではありません。『アバター』も堪能しました(笑)。3D映画の時代に拮抗できるのか、そういう視点で改めてこの映画を観ると、『アバター』に負けてないぞって気持ちもある。上映時間は『アバター』の3分の1だけど、身体に感じる疲労感は3倍あると思う。画は飛び出してこないアナログですけど、人間の身体が鉄になるリアリティあふれるビジュアルショックと、デジタルサウンドによる重低音で、十分、体感できる映画になっています。


塚本晋也

1960年1月1日、東京・渋谷生まれ。日本大学芸術学部美術学科を校卒業後、CF制作会社勤務を経て、1985年より演劇、映画制作を開始。1987年、映画『電柱小僧の冒険』でPFFグランプリ受賞。1989年、映画『鉄男』でメジャーデビュー、世界的成功をおさめる。以降もコンスタントに作品を作り続け、製作、監督、脚本、撮影、照明、美術、編集などほとんどすべてに関与する独自のスタイルから生まれる映像は、唯一無二の存在として国内外に広く認められている。また、俳優としても活躍し、自身の監督作のほとんどに出演している。


エリック・ボシック

1973年アメリカ・ペンシルバニア州生まれ。俳優。カナダ、シンガポールで育ち、カナダ、ヴィクトリア大学では演技を専攻、BFA(Bachelor of Fine Arts)を取得。卒業後、俳優活動を続ける中で日本文化に興味を持ち、1996年来日。1998年からは写真を始め、『ロッキン・オン・ジャパン』『ELLE Japon』『ローリング・ストーン』などの日本の雑誌やミュージシャン、俳優、ダンサー等の写真家としても活躍。2009年にはフランスで写真展を開催した。主に俳優としてテレビ、コマーシャル、モデルなど様々なジャンルで活動を続けている。


桃生亜希子

1976年神奈川県生まれ。『サムライフィクション』(1998年、中野裕之監督)で映画デビュー。『Stereo Future episode2002』(2001年、中野裕之監督)、『ロスト・イン・トランスレーション』(2005年、ソフィア・コッポラ監督)、『コンナオトナノオンナノコ』(2007年、富永昌敬監督)、『実録!連合赤軍への道程』(2008年、若松孝二監督)、『アフタースクール』(2008年、内田けんじ監督)、『THECODE』(2009年、林海象監督)など数々の作品に出演。また、映画以外にもモデル・舞台・テレビドラマ・CMなど幅広い分野で活躍している。


『鉄男 THE BULLET MAN』


(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009


【STORY】
 東京。外資系企業で働くアメリカ人男性のアンソニーが、日本人の妻ゆり子、3歳の息子トムと送っていた幸せな生活は、ある日突然一変する。最愛の息子が、謎の男に殺された。なぜ殺されたのか? 絶望の中、その理由を追う内に、アンソニーは解剖学者だった父ライドが関与していたある計画“鉄男プロジェクト”へとたどり着く。そして、明らかにされていく家族の真実。「決して怒りの感情を持ってはならない」という父の教えを破り、怒りに我を失ったアンソニーの体から、蒸気と黒いオイルが噴出し、筋肉は “鋼鉄の銃器”へと変貌する。

 息子を殺した男の狙いは? アンソニーの体に隠された過去とは? 両親が関わっていた“鉄男プロジェクト”の真実とは? あらゆる“謎”が交錯するとき、都市・東京を飲み込む巨大なエネルギーの噴射が始まる。鋼鉄と化したアンソニーの心を溶かすのは、愛か、憎しみか――。

監督・脚本・出演ほか:塚本晋也
出演:エリック・ボシック 桃生亜希子 中村優子 ステファン・サラザン
5月22日(土)よりシネマライズほか全国ロードショー
配給:アスミック・エース

公式サイト




 

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関連写真

  • 青い目の“鉄男”を演じた米俳優エリック・ボシック、ヒロイン役の桃生亜希子、塚本晋也監督(C)ORICON DD inc. 
  • 青い目の“鉄男”を演じた米俳優エリック・ボシック、ヒロイン役の桃生亜希子、塚本晋也監督(C)ORICON DD inc. 
  • 『鉄男 THE BULLET MAN』より(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009 
  • 『鉄男 THE BULLET MAN』より(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009 
  • 『鉄男 THE BULLET MAN』より(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009 
  • 『鉄男 THE BULLET MAN』より(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009 
  • 『鉄男 THE BULLET MAN』より(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009 
  • 『鉄男 THE BULLET MAN』より(C) TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009 

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