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映画『獄に咲く花』近衛はな×前田倫良対談

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 NHK大河ドラマ『龍馬伝』を筆頭に、2010年は幕末ブーム。映画では今年生誕180周年、維新思想の先駆者として知られる吉田松陰の短い生涯をひとりの女囚の目を通して描いた『獄(ひとや)に咲く花』が4月10日より全国公開される。主人公の女囚・高須久を演じるのは、俳優・目黒祐樹の長女で女優の近衛はな。吉田松陰役の俳優・前田倫良とともに、作品の見どころを語った。


◆映画初主演作で、親子初共演が実現


近衛はな「撮影期間中は精一杯で、父がソワソワしていることには全く気付かなかったぐらいです」(C)ORICON DD inc.

――初主演の感想は?

【近衛はな】 脚本を読んで、主人公の久はなんて魅力的なんだろうと思っていたので、役をいただいてすごく嬉しかったです。プレッシャーももちろんありましたけど、本当に嬉しくて。久役を演じられたことが本当に幸せでした。撮影期間は1ヶ月ちょっとでしたが、いままでの人生で過ごしたことがないくらい毎日、毎日が濃厚で、忘れられない経験になりました。本当に勉強になりました。


――親子初共演は?

【近衛】 自分のお芝居に精一杯だったので、父との初共演を意識している余裕がなかった、というのが正直な感想です。これまで何度か父の撮影現場を見ているので、俳優・目黒祐樹の顔も知っていたので、お芝居の最中はほかの役者さんと同じように接していました。ただ、同じ画面の中に父と収まるというのは、どうも不思議な感じでした。でも、幸せなことですね。


【前田倫良】 傍から見ていて、目黒さんが何かソワソワしているなぁと思うことがなくはなかったですね(笑)。はなさんのことが気になるのかなぁ、なんて思って見ていました。お二人でいるところを見かけると、やっぱり親子なんだなぁと思って、僕はほのぼのとした気持ちで見守っていました。


◆人は人と出会い、人を愛することによって変わることができる

 後に吉田松陰と呼ばれる吉田寅次郎は、長州藩士にして、私塾『松下村塾』を開き、多くの才能を見出し育んだ稀代の思想家、教育者として知られる。高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋など、維新の指導者となる人材を教え育てた。国を思い、故郷を思い、人を思ったこの偉人は、その思いも半ば、安政の大獄によって刑に処され、わずか29歳でその生涯を終える。


【近衛】 私は今、ちょうど30歳。松陰さんが亡くなった歳です。それを思うと、松陰先生がなさったことのスケールの大きさが、人生の濃度が、現代を生きる私たちとは違う。あの激動の時代を生きた人々は、皆、何かを得るために潔く何かを捨てていた。それが、命をかけて何かを成し遂げようとするエネルギーにもなっていた気がします。



前田倫良(C)ORICON DD inc.

 時は幕末、1854年。寅次郎は黒船でのアメリカ密航を計画するが失敗し、長州・萩の武家専用牢屋敷の“野山獄”に投獄される。彼は獄中で、武士階級でありながら身分の低い者たちと交流した罪で捕えられた久と出会い、少しずつ交流を深めていく。同作では、独身のうちにその思想に殉じた彼の秘めたる恋慕の情景が描かれる。


――今回の役を演じて感じたことは?

【近衛】 久は、一生、外の世界を見ることはない、絶望の日々を送っていた。そこへ“寅次郎先生”が現れる。牢獄にいることは変わらないんだけど、気持ちがガラっと変化する。内なる変化によって、その先の人生までもが変わっていく。人は人と出会い、人を愛することによって変わることができるんですよね。そのような出会いが、私の人生にもこの先、あるのかなと希望を感じました。


【前田】 吉田松陰といえば、歴史の教科書にも載っているように、幕末の偉人として出来上がったイメージがあると思うんですが、あえてそのことは意識しないようにしました。本作に登場する吉田寅次郎は、当時においては偉人でも何でもなくて、新しい時代の到来を感じていた若者たちの中のひとりに過ぎない。人として魅力的な部分がたくさんあるけど、欠けている部分ももちろんある。一途にエネルギッシュな若者を演じようという思いがありました。


【近衛】 心から若い人に観て欲しいと思う。


【前田】 当時の若者は、現代の若者より精神年齢が高くて大人だと思うけど、その反面、現代の若者より純粋で子供っぽいところもある。そんな若者たちを上手く扱える大人たちが“大人”だったと思いました。大人が上手に叱ってくれるし、褒めてくれるし、認めてくれるから、若い者がどんどん力を発揮していく。だから、いろんなことを変えられた。本当にいい時代だったんだと思います。


――親今後の抱負を聞かせてください。

【近衛】 フィクションの世界にものすごく関心があります。現実の世界よりも現実的な部分もあって、面白い。計り知れない世界だと思います。なので、今回、久を演じて俳優の仕事の面白さを改めて実感しましたし、映画、舞台とどんどんチャレンジしてみたいと思いました。脚本家としても、誰も書いたことがないような物語を書きたいな。夢は大きく!


【前田】 僕もやりたいことは山ほどあります。役者というのはとても便利で、いろんな職業の役をもらって、短期間だけでも本気でその人として生きられる。それが、僕にとっては幸せなので、役者としていろいろな職業、いろいろな人物を表現し続けたいと思います。
近衛はな このえ・はな
1980年3月21日生まれ。東京都出身。父・目黒祐樹、母・江夏夕子、父方祖父・近衛十四郎、祖母・水川八重子、叔父・松方弘樹、母方曽祖父・市川松蔦二世と4世代続く俳優一家に生まれる。NHK教育テレビの教育番組の司会で芸能界デビュー後、映画『明日への遺言』(2007年)、テレビ等で活躍。2009年、NHKドラマスペシャル『白洲次郎』(全3話)では脚本家デビューを果たした。
前田倫良 まえだ・みちよし
1976年6月4日生まれ。山口県出身。山口県内の高校を卒業後、米大学で学ぶ。1999年に帰国後、舞台を中心に映画、TVドラマ等で活躍。『トーマの心臓』『ベニスに死す』などの演目で人気の劇団スタジオライフ作品に出演。幕末期、密かに欧州留学を果たした5人の長州藩士の青春を描いた映画『長州ファイブ』(2006年)で故郷の英雄の一人・遠藤謹助役を演じて注目を集める。
『獄に咲く花』

(C)2010『獄に咲く花』製作委員会


【STORY】
 野山獄―長州藩の士分の為の牢獄。収監された者には刑期がなく、ひとたびここに入ると生きて出られた者は、多くなかった。嘉永七年(1854年)、吉田寅次郎(後の吉田松陰)は海外密航を企てたという大罪で、この牢獄に送られる。獄囚たちは皆、長い幽閉生活で希望を失い自暴自棄になっている者ばかり。しかし彼らは、常に前を向き、清廉で一途、人を愛して止まない寅次郎に少しずつ心を動かされていく。唯一の女囚、高須久もその中の1人だった。2人は、寅次郎の呼びかけで催された短歌の集いなどを通じ心を通わせいく。その後、野山獄を出て自宅蟄居となった寅次郎は『松下村塾』を開き、後進の指導に当たりつつ、獄囚の解放にも手を尽くす。すべてが好転し始めたと思われたとその時、寅次郎の捕縛命令が幕府から届く。後に“安政の大獄”と呼ばれる粛清の時代の始まりであった・・・。

監督:石原興
脚本:松下隆一 水野青洞
原作:古川薫『野山獄相聞抄』(文藝春秋刊)
出演:近衛はな 前田倫良 目黒祐樹 赤座美代子 池内万作 勝村政信 本田博太郎 神山繁
原作:グローカル・ピクチャーズ
配給:Thanks Lab. 配給協力:シナジー

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  • 映画『獄(ひとや)に咲く花』に出演の近衛はな(右)と前田倫良(C)ORICON DD inc. 
  • 近衛はな(C)ORICON DD inc. 
  • 前田倫良(C)ORICON DD inc. 
  • (C)2010『獄に咲く花』製作委員会 

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