第140回芥川賞・直木賞が15日(木)に発表され、芥川賞に津村記久子氏の『ポトスライムの舟』、直木賞に天童荒太氏の『悼む人』、山本兼一氏の『利休にたずねよ』が選ばれた。3氏とも3度目のノミネートを経て受賞。芥川賞選考委員の宮本輝氏は「大抵の作家はドラマチックな事件を作ろうとするが、津村さんはあえて書かなかった。大きな成長だと思う」と評価。また、天童氏・山本氏のダブル受賞となった直木賞について、選考委員の井上ひさし氏は「(選考会で)合計で3回の投票を行った」と、白熱した選考の様子を明かした。 芥川賞選考会の様子を語った宮本氏によると、議論の末最終的に津村氏と田中慎弥氏の2者が残り、「作家として小説の組み立てが成長した」という津村氏が受賞した。また、“ワーキングプア”の日常を描いた受賞作『ポトスライムの舟』について宮本氏は「そこそこの男と付き合い、結婚し、生活を送る…といったドラマがここ数年定番になっていたが、(受賞作の人物は)学歴も低く、ギリギリの生活をしている。私たちのこれからの人生において普遍性をもっている」と同作品を評価した。
2009/01/16