2008年の映画界ヒットメーカーのMVPは、俳優でみるといったい誰か。07年であれば明らかに木村拓哉だった。『HERO』が82億円、『武士の一分』が41億円。2本で123億円を稼ぎ出した。その人の出演が単独で、ヒットに多大な貢献をしているという意味でのヒットメーカーだから、07年の木村は全く文句なしのMVPだろう。
さて08年は、単純に言うなら実写作品のトップ成績となった『花より男子 ファイナル』(77億5000万円)に主演した松本潤ということになる。ただ『花より男子〜』は、確かに松本の主演だが、他の3人の人気も少なからず大ヒットに貢献している。07年の木村拓哉のように、単独での貢献といいきれないのが少し気になるところだ。
そうなると、がぜん浮上してくるのが、『L change the WorLd』(31億円)と『デトロイト・メタル・シティ』(24億円)の松山ケンイチだ。2本で55億円は『花より男子〜』には及ばないが、松山は、単独主演の貢献度が圧倒的に強く、ヒット作が2本登場した意味もかなり大きい。08年のMVPとしては、松山に凱歌を上げたい。
■福山雅治、水谷豊の復活組も大健闘
本当に久しぶりに映画出演を果たし、いきなり大ヒットをモノにした福山雅治も有力候補に上がる。『容疑者Xの献身』(50億円)は、業界の予想を大幅に上回る好成績となった。福山の映画復帰も08年の邦画シーンの重要な出来事だろう。シリーズ化への意欲、NHK大河ドラマへの主演決定と、08年はちょっとした福山ブームの様相も呈した。
『相棒〜劇場版〜』(44億4000万円)の水谷豊も、完全復活の年になった。福山と同じく久しぶりの映画だが、見事なヒットメーカーぶりをみせてくれた。復活組といえば『おくりびと』(30億円)の本木雅弘も忘れてはならない。企画者としての彼の役割も、十分に評価したい。
さらに『ザ・マジックアワー』(39億2000万円)の佐藤浩市、『20世紀少年』(39億円)の唐沢寿明も貢献度は高い。しかし、この2本は、かなり複合的な要素によってヒットした傾向が強い。主演者の顔として申し分はないが、単独でのヒットメーカーというと、先に挙げた俳優たちに比べ2008年の作品では少し弱くなる。
そのほかでは、『陰日向の咲く』(19億5000万円)の岡田准一、『映画 クロサギ』(17億2000万円)の山下智久、『クライマーズ・ハイ』(12億円)『容疑者Xの献身』の堤真一らも、目立った活躍を見せたといえるだろう。
■存在感を示した大女優・吉永小百合
一方、女優を見ると、少しトーンダウンした例が多い。そのなかでも、07年の『恋空』(39億円)の大ヒットが記憶に新しい新垣結衣は、『フレフレ少女』が一転、厳しい成績を余儀なくされ、期待されていただけに残念な結果となった。また、ここ数年のヒットメーカーのひとりである柴咲コウも『少林少女』(15億1000万円)で苦戦。これまでの実績から期待された女優陣が大ヒットに恵まれなかった年となった。
そのただなかで、やはり特筆すべきは、大ベテラン・吉永小百合の存在感だろう。『母べえ』(20億円)は、彼女の主演なくしては、成立しない興行だった。この年代の女優で主演を張り、ここまでの成績を維持できるのは、日本では吉永ただひとりである。
単館系の興行ながらヒットした『人のセックスを笑うな』の永作博美も健闘した年だった。単館系となると、ヒットメーカーの意味はかなり変わってくるが、それでも若い世代に支持を受けた功績は高い。ちなみにこの作品には、松山ケンイチも出演している。
単館系での健闘も込みとすると、2本合わせてのヒットメーカーぶりと実に多彩な活躍をみせた松山。日本アカデミー賞の優秀主演男優賞も『デトロイト・メタル・シティ』で受賞しているが、まさに昇り竜の年だった。
◆08年の映画シーン総括、09年復活のカギ
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さて08年は、単純に言うなら実写作品のトップ成績となった『花より男子 ファイナル』(77億5000万円)に主演した松本潤ということになる。ただ『花より男子〜』は、確かに松本の主演だが、他の3人の人気も少なからず大ヒットに貢献している。07年の木村拓哉のように、単独での貢献といいきれないのが少し気になるところだ。
そうなると、がぜん浮上してくるのが、『L change the WorLd』(31億円)と『デトロイト・メタル・シティ』(24億円)の松山ケンイチだ。2本で55億円は『花より男子〜』には及ばないが、松山は、単独主演の貢献度が圧倒的に強く、ヒット作が2本登場した意味もかなり大きい。08年のMVPとしては、松山に凱歌を上げたい。
■福山雅治、水谷豊の復活組も大健闘
本当に久しぶりに映画出演を果たし、いきなり大ヒットをモノにした福山雅治も有力候補に上がる。『容疑者Xの献身』(50億円)は、業界の予想を大幅に上回る好成績となった。福山の映画復帰も08年の邦画シーンの重要な出来事だろう。シリーズ化への意欲、NHK大河ドラマへの主演決定と、08年はちょっとした福山ブームの様相も呈した。
『相棒〜劇場版〜』(44億4000万円)の水谷豊も、完全復活の年になった。福山と同じく久しぶりの映画だが、見事なヒットメーカーぶりをみせてくれた。復活組といえば『おくりびと』(30億円)の本木雅弘も忘れてはならない。企画者としての彼の役割も、十分に評価したい。
さらに『ザ・マジックアワー』(39億2000万円)の佐藤浩市、『20世紀少年』(39億円)の唐沢寿明も貢献度は高い。しかし、この2本は、かなり複合的な要素によってヒットした傾向が強い。主演者の顔として申し分はないが、単独でのヒットメーカーというと、先に挙げた俳優たちに比べ2008年の作品では少し弱くなる。
そのほかでは、『陰日向の咲く』(19億5000万円)の岡田准一、『映画 クロサギ』(17億2000万円)の山下智久、『クライマーズ・ハイ』(12億円)『容疑者Xの献身』の堤真一らも、目立った活躍を見せたといえるだろう。
■存在感を示した大女優・吉永小百合
一方、女優を見ると、少しトーンダウンした例が多い。そのなかでも、07年の『恋空』(39億円)の大ヒットが記憶に新しい新垣結衣は、『フレフレ少女』が一転、厳しい成績を余儀なくされ、期待されていただけに残念な結果となった。また、ここ数年のヒットメーカーのひとりである柴咲コウも『少林少女』(15億1000万円)で苦戦。これまでの実績から期待された女優陣が大ヒットに恵まれなかった年となった。
そのただなかで、やはり特筆すべきは、大ベテラン・吉永小百合の存在感だろう。『母べえ』(20億円)は、彼女の主演なくしては、成立しない興行だった。この年代の女優で主演を張り、ここまでの成績を維持できるのは、日本では吉永ただひとりである。
単館系の興行ながらヒットした『人のセックスを笑うな』の永作博美も健闘した年だった。単館系となると、ヒットメーカーの意味はかなり変わってくるが、それでも若い世代に支持を受けた功績は高い。ちなみにこの作品には、松山ケンイチも出演している。
単館系での健闘も込みとすると、2本合わせてのヒットメーカーぶりと実に多彩な活躍をみせた松山。日本アカデミー賞の優秀主演男優賞も『デトロイト・メタル・シティ』で受賞しているが、まさに昇り竜の年だった。
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2008/12/29