日本をはじめ世界38ヶ国で大ヒットしたファンタジー大作『ライラの冒険 黄金の羅針盤』。その日本語吹替版で主人公ライラ役の声優を務めるのが、モデルとして活躍中の西内まりや。声優初挑戦にしてハリウッド大作に大抜擢され、ロンドンプレミアへの出席など世界デビュー。この7月からスタートする日本テレビ系連続ドラマ『正義の味方』では、森山知佳役で連続ドラマ初出演を果す。そんな華々しい躍進のウラには、いくつもの試練を乗り越えて成長する若きスターの姿があった。

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■ハリウッド大作への主役に大抜擢

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　二コール・キッドマン、ダニエル・クレイグらが出演するハリウッドのファンタジー大作――。応募者5000人を超えるその日本語吹替版のオーディションで、声優としての仕事は未経験ながら見事、主人公ライラの大役に抜擢された西内は、「うれしさと不安と、プレッシャーでいっぱい。とにかく私でいいのかなあと思いました」とそのときの心境を語る。

　しかし、それからはそんな不安も吹き飛ぶようなハードなスケジュールの日々。出演の決定から、昨年12月に行われたアフレコ収録までに残された時間はわずか2ヶ月。そのなかで10月に上京し生活環境を整え、11月にはイギリスで行われたロンドンプレミアに出席。12月に入ってからアフレコ素材を受け取り、実質2週間ほどの準備で本番に臨んだ。

■心が強いところが自分との共通点

	[拡大写真] 『ライラの冒険 黄金の羅針盤』7月18日（金）発売

　あっという間に練習の時間が過ぎ去るなか挑んだ声優としての初収録。実際に演じてみての感想は「走っている場面とか実際に走れませんし、一つひとつのシーンをどうやってイメージしようか悩みました。声だけで演じることって、こんなに難しいことなんだと感じました」。そういった戸惑いや声優の呼吸法など、監督にその場ごとにアドバイスを受け、一つひとつ乗り越えていった。

　また、ライラは正義感が強く、ひとを騙すこともうまい気の強い女の子。意味深なセリフや難しい言葉使いなども多かったというが、その人間性としては共感できる部分もあったようだ。
　「私はずっとバドミントンをやっていて、そこで戦っていましたので、心が強いというところは似ているかな。日常で叫ぶことってあまりないと思うんですけど、スポーツをしていたおかげでそういう部分はやりやすかったです。自分がライラだったらこういうふうに言うなというシーンもありましたし」

■将来を見据える14歳。目指すは女優！

　そうして完成した『ライラの冒険』の日本語吹替版は、ファミリー向け映画ということもあり字幕版（301スクリーン）を上回る全国366スクリーンで公開され、映画は興行収入40億円に迫る大ヒット（計667スクリーンで公開）。その登場人物のイメージにぴったりと合った声を演じた西内、成海璃子、山口智子ら声優陣は好評を博した。

　西内は作品を振り返ってみて、自らの演技を80点という。
　「難しかったんですけど、初めてにしてはがんばったかな。でも、こうすればよかったというところもあったので80点です」

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　今回のライラ役を通して、14歳にして世界の舞台に立ち、多くのマスコミの取材を受けた西内は、「初めてのことばかりでしたが、いろいろ貴重な経験ができました。刺激を受けることばかりで楽しかったです」。そして、「一番の目標は女優」と将来を見据え「今回の経験で、考えることや話す力などがそれまでとだいぶ変わったと思います。これを活かしていきます」と力強く語る。

西内まりや：PROFILE
1993年12月24日生れ。福岡県出身。ファッション誌等のモデルとして活躍し、映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』（2007年）では、主人公ライラ役の声優を務める。2008年7月よるスタートする日本テレビ系連続ドラマ『正義の味方』では、森山知佳役で連続ドラマ初出演を果す。

取材後記： 父親の影響で大の映画好き。福岡では週一で映画館に通っていたという西内さんは「映画は勉強になるので少しでも多く見たい。普段ドラマでも演技を意識しながら見てしまいます…」。女優という目標に向かって日々努力を惜しまない――。そんななか、7月からの日テレ系連ドラに出演決定という情報が入りました。『ライラの冒険』の主人公ライラ役への起用も大変な飛躍ですが、この先のますますの活躍が期待できそうです。ちなみにハリウッド映画好きで、お気に入りは『スパイダーマン』シリーズとか。インタビューでは、14歳とは思えないしっかりとした受け答えと、プロとしてのサービス精神が印象的でした。