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さだまさし、リクエストライブ開催

■さだまさしのコメントはこちら

 さだまさしが、ファンクラブの会員を対象に、その場のリクエストに応じて演奏するという前代未聞のコンサートを大阪、名古屋、東京で全4公演2万人を動員して行った。

 これまで400曲以上を世の中に送り出しているさだ。「タイトルを見て詞もメロディーも浮かんで来ない曲が6曲ほどあった」ということから、自身の全作品を対象とするのではなく、まずファンクラブ会員に事前に呼びかけて好きな曲を1曲ずつ投票してもらい、得票数の多い順で100曲をピックアップし、上位3曲は必ず歌うが、その他の演奏曲はリストからその場でリクエストをもらって歌う。しかも、トークもスタッフが大ネタを7本厳選、その中から抽選で引き当てたネタをその場でしゃべるという、過去誰もやったことのない企画へのチャレンジとなった。

 リクエストされる作品に関しても、リクエストするファンが好きな曲ということではなく、100曲リストの曲番号が書かれたピンポン玉100個が抽選箱に入っており、スタッフが客席にそれを持ち歩き、指名されたファンが番号の入ったピンポン玉を引く方式。会場のファンはもちろん、さだ本人にとってもドキドキの、本当の意味で何が出てくるかわからないコンサートだ。

「1人1曲、自分がこの曲!と思う作品を投票してもらいました。その結果「精霊流し」は100位に入りませんでした。かなりマニアックな曲が多いリストになっているかと思います」とさだ。

 いくら100曲に絞られたとは言っても「100曲全部リハーサルはできないから、この曲は出たら大変だと思われる、ほとんど演奏経験のない曲だけリハーサルを行い、本人の弾き語りの曲は事前に自分で予習をしてもらって」(関係者)本番のステージにのぞんだ。

 初日の大阪が始まったとたん「無謀なことをしてしまった」と本人後悔したそうだがもう遅い。何しろ通常ならしっかりと何日もリハーサルをして本番にのぞむのだが、その場にならないと自分たちが演奏する曲がわからない。それだけミスの確率も多くなるわけで、これはバックで演奏するメンバーにとっても「楽譜から目が話せない、こんな体験は初めて」(ギターの石川鷹彦さん)というほど緊張のステージだった。

 さて、最終日となった6月30日は「夢ばかりみていた」「雨やどり」「道の途中で」「女優」「絵はがき坂」「男は大きな河になれ」「夜想曲(ノクターン)」の7曲がリクエストで選ばれ、ベスト3の「主人公」「奇跡」「黄昏迄」と共に歌われた。

 終演後、さだまさしに感想を聞いてみた。

「最近、左肩が限られた動き以外の動作をしようとすると激痛が走るんですよ。だからヴァイオリンの激しいソロが入る「女優」が来た時には、これはダメだ弾けないと思ったね。でも、いったん選ばれた曲目を変えるのは僕自身も許せないし、激痛の中ちょっとはしょったとこもあるけれどやり遂げましたよ。それからもう1曲「ノクターン」。ステージ上でも選ばれた時、どんな曲だっけ?、って思わず言っちゃったけど、倉田さんのピアノでイントロが始まってもメロディーが出てこなくて、本当に一瞬頭がまっ白になったね。ステージ袖のスタッフにヘルプのアイコンタクトをしても肩をすくめるばかりだし、本当に頼りない(笑)。そしたら倉田さんがイントロをひきながらポロポロと出だしのフレーズをひいてくれたのね。それでメロディーを思い出した。あれは倉田さんに助けられた。まあ、もうこの企画はやらないな(笑)」

 こういう無謀な試みができるのも、バックのメンバーが長年同じで年間100本以上のステージをこなしているからこそ。さだまさしの強さの秘密をうかがえるコンサートだった。
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