| 数字でみるフェス文化の定着 06夏のフェスティバルユーザー人気度調査 夏フェスブームが本格化し、まさに日本の夏の風物詩となった夏の音楽イベント。全国各地で行なわれてきた数々の夏のイベントは、「夏フェス」というキーワードを与えられ、より一層の人気を誇るようにな | ||
| った。周知の通り、その火付け役は、スマッシュによって97年にはじまったフジ・ロック・フェスティバル。以降、新たなフェスティバルが生まれ、日本の音楽ビジネスに新たな可能性を見い出すようになった。しかし、音楽業界中心に見るのと、客観的に見るのとではその認知度の差があるのも現実。今回、OMRの調査によって、この夏に行なわれた夏フェスの認知度、および人気度の実態を探ってみた。 音楽を楽しむ場を提供し続けることの重要性 「夏フェス」という言葉が使われるようになって久しい。元々、日本の夏には、定番化したお祭りやイベントが数多くあり、改めて「夏フェス」というのもなんだか不思議なものだ。 それだけ多種多様なイベントが夏に行われるようになったということでもある。いつの間にか「夏フェス」というシンプルな言葉がメディアに蔓延るようになり、「夏フェス」そのものも市民権を得ていくことになった。 さて、その「夏フェス」ブームの立役者となったのは、97年に「倒産も覚悟の上で」(スマッシュ代表日高氏談)はじめられたフジ・ロック・フェスティバルだ。欧米のフェスティバルのスタイル、いわゆる出演者が50〜100組以上といったウッドストックやグラストンベリーのようなスタイルを日本に持ち込み、今年で10回目を迎え、日本でもロックフェスを行うことが可能であることを実証してみせた。この97年を原点として、今ではクリエイティブマンのサマーソニック(00年〜)、ロッキンオンのロック・イン・ジャパン・フェス(00年〜)などの本格的フェスティバルが人気を呼ぶようになった。 そして、冒頭でも触れたように「夏フェス」という言葉が定着する頃には、この本格的なフェスティバルほどの出演者数ではなくとも、複数のアーティストが出演して、大きな会場で行なわれるイベントであれば、「夏フェス」という括りで紹介されるようになり、アピール力も増していくことになった。日々ライヴハウスで行なわれているイベントの拡大版ともいえるものも、すべて夏に行われるイベントは「夏フェス」括りとなり、ブランド力がアップしていくようになった。それが「夏フェス」文化の確立の実態だろう。 3大フェスティバルと称されるフジロック、サマソニ、ロック・イン・ジャパンの3大フェスは、年々動員数も向上し、まさにブランドの確立に拍車をかけている。今年のフジロックは10回目ということも理由なのか、全国紙など、これまで好意的な記事を見ることのなかったメディアまでもが、ニュースとして取り上げるようになった。この10年の中でもとりわけ異例のことだろう。 オリコンでも毎年のように「夏フェス」について取り上げているが、今回は昨年に引き続き、一般ユーザーからの認知度を1000人を対象(男女世代均等)にOMR調査で調べた。その結果は、表の通り。 フジロックはいまや79.0%、約8割の人が知っていると答え、昨年の調査における63.6%を大きく上回った。2位のサマーソニックの65.1%という数字と比べても、その認知の広がりが感じられるだろう。また、人気度の調査として、各フェスに「行った」人と「行きたかった」人を合算したデータを調査した(こちらを参照)。 「夏フェス」は人気を呼んでいるものの、実際にはロケーションや交通費、宿泊費などなど、敷居の高さは否定できない。若い人ほど行きたくても行けない人も多く、ある意味ではとても贅沢なレクリエーションである。そんな“行きたいけど、行けない人”の存在にも目を向けることによって、人気度を数値化した。結果は、認知度同様にフジロックが総合1位を獲得。興味深いのは、世代別の結果で、ほとんどの世代でフジロックが1位となった中、唯一サマーソニックが1位となったのが専・大学生だったという点だ。 また、「夏フェス」の中ではより一般受けしそうなa-nationだが、一番人気の世代はなんと40代で2位を獲得。他の世代でも3位を獲得しており、充分な人気ぶりをみせる。また、ロック・イン・ジャパンは、最高3位を獲得した世代は、中・高校生だったのも意外なのではないだろうか。若い世代に訴求していることがわかる。 「夏フェス」の認知度と人気度の高まりは、音楽ファンの増加をうながし、さらには、そんな音楽ファンの中から新たなアーティストが生まれる可能性も秘めているのではないだろうか。どんな時代であっても、音楽を楽しむ環境を人々に提供していく責任が音楽業界にはあるのではないだろうか。 | ||
2006/09/20