フランスで開催中の「第79回カンヌ国際映画祭」で現地時間19日夜、カンヌ・プレミア部門に選出された映画『黒牢城』の公式上映が行われた。黒沢清監督をはじめ、本木雅弘、菅田将暉、青木崇高、宮舘涼太らが出席。上映後には、約1000人の観客によるスタンディングオベーションに包まれた。
本作のワールドプレミア(世界初上映)を兼ねた公式上映を前に、本木、菅田、青木、宮舘、黒沢監督らはタキシード姿でレッドカーペットに登場。無数のフラッシュを浴びながら堂々と会場入りした。
上映会場となったドビュッシー劇場は満席状態。カンヌ・プレミア部門は、すでに世界的な評価を確立している監督の新作を披露するために創設された部門。同映画祭6回目の公式部門への出品となった黒沢監督の新作、かつキャリア初の本格時代劇ということで、世界中の映画人やジャーナリストからの注目度の高さがうかがえた。
本作は、米澤穂信による同名小説を実写映画化した戦国ミステリー。第166回直木賞、第12回山田風太郎賞をダブル受賞し、史上初となる4大ミステリーランキング(「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」「2022本格ミステリ・ベスト10」)を制覇した話題作だ。
主演の本木が演じるのは、戦国武将・荒木村重。菅田が地下牢に囚われた天才軍師・黒田官兵衛を演じる。周囲を織田軍に囲まれ、孤立無援の中、籠城する城内で起きる怪事件の数々と、それぞれの思惑が交錯する緊迫の心理戦が描かれる。
上映中は、戦国時代の城内という閉ざされた空間で展開される“密室心理戦”に、観客たちは息を呑むように見入っていた。エンドロールが流れ始めると同時に、場内の観客が総立ちとなり、スタンディングオベーションが巻き起こった。
会場には、是枝裕和監督をはじめ、濱口竜介監督、深田晃司監督、石川慶監督、岨手由貴子監督らの姿も。黒沢監督は、本木や菅田らキャスト陣と固い握手を交わし、客席へ深々と一礼。安堵の表情を浮かべながらも、互いに笑顔を交わし、鳴り止まない拍手に包まれた会場の光景を感慨深げに見つめていた。
上映後の囲み取材で本木は、「時代劇という異文化をどんな風に解釈してくれるんだろうと、少し不安に感じていましたが、本作が伝える“現代へのメッセージ”を、せりふが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンにひきつけられている姿を、確かに肌で感じました」と瞳を潤ませながら感慨深げにコメントした。
菅田は「ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で観たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした。皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした」。
青木は「心地良い安堵感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。これからの人生で作品に向きあう時に、今日の瞬間を多分思い出すんじゃないかな、と。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当にうれしい瞬間でした」
宮舘は「正直、上映中はずっと緊張していました。観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました」とコメント。「自分にとっても、メンバー(Snow Man)に対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験」と喜びを語った。
黒沢監督も「カンヌをはじめいろいろな映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたらうれしいな、と思いながら作った映画ですので、上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました」と手応えを口にした。
映画『黒牢城』は6月19日より日本で公開される。
■上映後感想、カンヌ国際映画祭全体を振り返ってのコメント
▼本木雅弘(荒木村重役)
私にとっては、60歳にして初めてのカンヌでした。短い時間でしたが、一生語れる思い出ができたという「お伊勢参り」だったかな、と(笑)上映会を終えて、一言では語り切れない喜びがありました。
カンヌ映画祭に参加できたことは、第一に黒沢監督に対する皆さんの信頼度と期待、リスペクトの“御裾分け”で自分がここにいるという気持ちは、最初からずっと感じています。
日本人でも理解するのが難しいかもしれない時代劇という異文化を、どんな風に解釈してくれるんだろうと少し不安に感じていましたが、人間のもつおかしみや滑稽な姿、真実が見え隠れするシーンではクスクスと笑いが起きたりもしていて。さらには、原作のもつ、そして黒沢監督が脚本の中でアレンジした本作が伝える“現代へのメッセージ”を、セリフが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンに惹きつけられている姿を、確かに肌で感じました。
▼菅田将暉(黒田官兵衛役)
ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で観たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした。
(観客の反応は)想像以上に笑いが起こったり、日本の言葉遊びみたいなところも伝わってるような、皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした。
▼青木崇高(荒木久左衛門役)
心地良い安堵感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。本編が始まる前に、配給会社をはじめ関わった会社が映されるだけで拍手が起きたりするのは、カンヌ映画祭ならではだなと感じました。拍手に包まれている時間は照れくさい時間でもありましたが、会場を後にするときは急激な寂しさも感じて…。そういうのも全部含めて、とても幸せな気分になっています。
これからの人生で作品に向きあう時に、今日の瞬間を、多分思い出すんじゃないかな、と思います。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当にうれしい瞬間でした。
▼宮舘涼太(乾助三郎役)
すべてが初めての経験で、「カンヌに来ているな」という実感があります。観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました。自分にとっても、メンバーに対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験ができました。
正直、上映中はずっと緊張していました。ただ、最後にいただいたスタンディングオベーションが本当に温かくて。会場全体の熱意も感じられるようなものだったので、映画祭を皮切りにようやく『黒牢城』がいろいろな方々に届けられたなと実感して、そこではじめて安心できました。
▼黒沢清監督
私のファンは、大勢の方がホラー好きなので、「これ、ホラーじゃないんだよな…。ガッカリされないかな」と、正直不安な想いで会場に入りました(笑)
私自身は、日本の時代劇を届けるという気持ちよりは普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたら嬉しいな、と思いながら作った映画ですので、上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました。
カンヌをはじめ色々な映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。皆さんのおかげでこんな映画ができたことが何よりもこの経験につながっているんだな、と、しみじみ感じております。
本作のワールドプレミア(世界初上映)を兼ねた公式上映を前に、本木、菅田、青木、宮舘、黒沢監督らはタキシード姿でレッドカーペットに登場。無数のフラッシュを浴びながら堂々と会場入りした。
上映会場となったドビュッシー劇場は満席状態。カンヌ・プレミア部門は、すでに世界的な評価を確立している監督の新作を披露するために創設された部門。同映画祭6回目の公式部門への出品となった黒沢監督の新作、かつキャリア初の本格時代劇ということで、世界中の映画人やジャーナリストからの注目度の高さがうかがえた。
主演の本木が演じるのは、戦国武将・荒木村重。菅田が地下牢に囚われた天才軍師・黒田官兵衛を演じる。周囲を織田軍に囲まれ、孤立無援の中、籠城する城内で起きる怪事件の数々と、それぞれの思惑が交錯する緊迫の心理戦が描かれる。
上映中は、戦国時代の城内という閉ざされた空間で展開される“密室心理戦”に、観客たちは息を呑むように見入っていた。エンドロールが流れ始めると同時に、場内の観客が総立ちとなり、スタンディングオベーションが巻き起こった。
会場には、是枝裕和監督をはじめ、濱口竜介監督、深田晃司監督、石川慶監督、岨手由貴子監督らの姿も。黒沢監督は、本木や菅田らキャスト陣と固い握手を交わし、客席へ深々と一礼。安堵の表情を浮かべながらも、互いに笑顔を交わし、鳴り止まない拍手に包まれた会場の光景を感慨深げに見つめていた。
上映後の囲み取材で本木は、「時代劇という異文化をどんな風に解釈してくれるんだろうと、少し不安に感じていましたが、本作が伝える“現代へのメッセージ”を、せりふが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンにひきつけられている姿を、確かに肌で感じました」と瞳を潤ませながら感慨深げにコメントした。
菅田は「ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で観たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした。皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした」。
青木は「心地良い安堵感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。これからの人生で作品に向きあう時に、今日の瞬間を多分思い出すんじゃないかな、と。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当にうれしい瞬間でした」
宮舘は「正直、上映中はずっと緊張していました。観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました」とコメント。「自分にとっても、メンバー(Snow Man)に対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験」と喜びを語った。
黒沢監督も「カンヌをはじめいろいろな映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたらうれしいな、と思いながら作った映画ですので、上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました」と手応えを口にした。
映画『黒牢城』は6月19日より日本で公開される。
■上映後感想、カンヌ国際映画祭全体を振り返ってのコメント
▼本木雅弘(荒木村重役)
私にとっては、60歳にして初めてのカンヌでした。短い時間でしたが、一生語れる思い出ができたという「お伊勢参り」だったかな、と(笑)上映会を終えて、一言では語り切れない喜びがありました。
カンヌ映画祭に参加できたことは、第一に黒沢監督に対する皆さんの信頼度と期待、リスペクトの“御裾分け”で自分がここにいるという気持ちは、最初からずっと感じています。
日本人でも理解するのが難しいかもしれない時代劇という異文化を、どんな風に解釈してくれるんだろうと少し不安に感じていましたが、人間のもつおかしみや滑稽な姿、真実が見え隠れするシーンではクスクスと笑いが起きたりもしていて。さらには、原作のもつ、そして黒沢監督が脚本の中でアレンジした本作が伝える“現代へのメッセージ”を、セリフが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンに惹きつけられている姿を、確かに肌で感じました。
▼菅田将暉(黒田官兵衛役)
ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で観たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした。
(観客の反応は)想像以上に笑いが起こったり、日本の言葉遊びみたいなところも伝わってるような、皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした。
▼青木崇高(荒木久左衛門役)
心地良い安堵感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。本編が始まる前に、配給会社をはじめ関わった会社が映されるだけで拍手が起きたりするのは、カンヌ映画祭ならではだなと感じました。拍手に包まれている時間は照れくさい時間でもありましたが、会場を後にするときは急激な寂しさも感じて…。そういうのも全部含めて、とても幸せな気分になっています。
これからの人生で作品に向きあう時に、今日の瞬間を、多分思い出すんじゃないかな、と思います。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当にうれしい瞬間でした。
▼宮舘涼太(乾助三郎役)
すべてが初めての経験で、「カンヌに来ているな」という実感があります。観客の皆さんの反応を通して、日本の映画の良さを改めて感じることができました。自分にとっても、メンバーに対しても今後語り継ぐことができる、非常に貴重な経験ができました。
正直、上映中はずっと緊張していました。ただ、最後にいただいたスタンディングオベーションが本当に温かくて。会場全体の熱意も感じられるようなものだったので、映画祭を皮切りにようやく『黒牢城』がいろいろな方々に届けられたなと実感して、そこではじめて安心できました。
▼黒沢清監督
私のファンは、大勢の方がホラー好きなので、「これ、ホラーじゃないんだよな…。ガッカリされないかな」と、正直不安な想いで会場に入りました(笑)
私自身は、日本の時代劇を届けるという気持ちよりは普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたら嬉しいな、と思いながら作った映画ですので、上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました。
カンヌをはじめ色々な映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。皆さんのおかげでこんな映画ができたことが何よりもこの経験につながっているんだな、と、しみじみ感じております。
2026/05/20