俳優の本木雅弘が、NHK戦後80年ドラマ『八月の声を運ぶ男』で主演を務めることが決定した。放送は2025年8月を予定しており、脚本は『太平記』や『いのち』などで知られる池端俊策が手がける。長崎を拠点に、1000人以上の被爆者の声を録音し、未来へ残そうとした実在のジャーナリスト・伊藤明彦の半生を描く。戦後80年の節目に、原爆体験を“語りえぬもの”として扱いながらも、その重さを伝える試みとして注目される。 物語の主人公は、長崎の放送局に勤めるジャーナリスト・辻原保(本木)。時代は1972年、高度経済成長の波に日本全体が沸く中、辻原はあえて時代の流れに逆らい、原爆の被害を語る被爆者の声を集める活動を始める。しかし当時、被爆体験は口にすべきではないとする空気が根強く、周囲の理解も得られず、彼の活動は孤独で過酷なものだった。
2025/04/04