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【globeデビュー30周年記念】MEGUMIが熱く語る、色香ある歌詞と90年代J-POPの新鮮さ

 デビュー30周年イヤーに突入し、連続リリース企画を展開しているglobe。その代表曲の一つでもある「Love again」は1998年のリリースにもかかわらず、Netflixで現在配信中の恋愛リアリティショー『ラヴ上等』の主題歌にも起用されている。リリースから四半世紀が過ぎた今も愛されるglobeの作品の魅力について、同番組の企画・プロデュースを務め、globeの熱烈なファンを自認するMEGUMIに聞いた。

デビュー30周年イヤーに突入し、連続リリース企画を展開しているglobe

デビュー30周年イヤーに突入し、連続リリース企画を展開しているglobe

「Love again」が恋愛リアリティショー『ラヴ上等』の主題歌に

――MEGUMIさんが恋愛リアリティショー『ラヴ上等』を企画・プロデュースしたきっかけを教えてください。

MEGUMIそもそも私は地元の岡山県で、いわゆる“ヤンキー”と呼ばれる方たちに囲まれて育ってまいりまして。今の時代、ちょっとした発言がSNSで叩かれたり、ユニークなことを言うとかなりマイノリティな存在になってしまったりと、世界的にすごく閉鎖的な空気が漂っていますよね。でも昔、私の周りにいたヤンキーの方々って、「好き」とか「ムカついた」っていう感情を全開にむき出しにして、すごく人間らしく生きていたんだなと思い出す機会があったんですね。しかも、不器用ながらもレディファーストだったり、「オレの女だから」って堂々と紹介する男っぽさがあって。そういう風に全開で生きている人たちを、今の閉鎖的な空気に投下することってすごく大事なんじゃないかと思ったんです。

 それに今の若い方々って、「もう恋愛とかって面倒くさいよね」っていう恋愛離れが加速しているとも聞きますし、それってなかなかの問題だなと思っていて。そういう意味でも、今を熱く生きてらっしゃるヤンキーの方々にしっかりと恋をしていただいて、それをみなさまに見ていただいて、視聴者の方々に「いいな、こういうのって」っていう刺激を感じてもらえたら、とても意味のある作品になるのではないかと考えて、この番組を企画しました。

Netflixで配信中の『ラヴ上等』

Netflixで配信中の『ラヴ上等』

――その主題歌に1998年リリースのglobe「Love again」が選ばれたということに驚きました。MEGUMIさんは、リリース当時からこの曲を聴いていたのですか?

MEGUMIもちろんです! 当時はめちゃくちゃカラオケに行っていて、本当にglobeさんをよく歌っていました。自分の人生に後悔があるとするなら、「何でglobeのライブに行かなかったんだろう」ということで。当時はまだ子どもでしたから仕方ないんですけど、それでも親に頼み込んでライブに行けばよかったと後悔しているくらいです。今回、番組の編集をしながら主題歌を決めたんですけど、90年代の音楽って、恋の歌も多いですし、すごく華やかで、人間らしくいられた時代だったんだなって改めて感じて。結構、グッとくるものがあったんですよ。それで番組のスタッフとかいろんな人と話をするなかで、「いやいや、私なんて」っていう世代の方も含めて、「もう一回、恋をしようよ」というテーマが生まれて、それに「Love again」がすごくフィットしたんですね。

■「Love again」ミュージックビデオ(外部サイト)

 もちろん音楽的にも、番組のオープニングでこの曲を使わせていただいているんですが、バイクとものすごく合うんです。躍動感が。それに「来た!来た!」っていう、ちょっとゾクッとする感じもすごくハマって、満場一致で「絶対にこの曲!」と決まって。Netflixコンテンツ部門のバイス・プレジデントも「誰が決めたの? 最高!」って言うくらい、「Love again」に対する反響がすごくて。しかもglobeさんの30周年というタイミングでご縁も感じますし、とても嬉しく思っています。

――YouTubeの予告動画で「Love again」が流れてきた時、ハマり具合にビックリしました。

MC(左より)AK-69、MEGUMI、永野

MC(左より)AK-69、MEGUMI、永野

MEGUMIぴったりですよね! 今回、永野さんが一緒に番組のMCをやってくださてるんですけど、あの予告動画で「Love again」が流れた瞬間、「ちょっと泣けた」と言っていて。きっと同じように感じる方は多いんじゃないかって思っています。でも今、改めてしっかり聴いてみると、とても過激な歌詞なんですよね。大人になった今だからこそ、「こんな色っぽい歌だったんだって」って、より理解できるっていう。そこにまずびっくりしました。それでいて、みんな踊れる。トラックに関しても、J-POPなんだけどちょっと海外っぽさもありますし、新鮮に聴こえるけど90年代の匂いもすごくする。そういうミックスされた感覚があって。

――当時はすごく洋楽的に聴こえましたよね。

MEGUMIトランスティックなものとJ-POPのミスクチャーみたいな感じですよね。しかも90年代って、お祭りのようなエンタメが一番強かった時代。今とはぜんぜん違う華やかさ、キラキラした感じがあって、それを今、もう一度、当時とは違った形で感じられたことがエモーショナルでしたし、あの時代を知っている30代、40代の方々は、きっといろんな記憶がよみがえるんじゃないかなって思います。もちろん、若い方たちにはまた違う感じで届くんでしょうし。今回、『ラヴ上等』は海外190以上の国と地域に配信しているので、ヤンキー文化のビジュアルとglobeさんの音楽が同時に海外に届くというのはとても面白いなと思いますし、ジャパニーズカオティックな世界観にglobeさんの音楽って、不思議とすごく合うと思っていて。それに対してどういうリアクションがくるのか、とても楽しみにしているんです。こういうヤンキー文化を海外に届けた例って、まだあまりないと思うんですよ。そこが私たちのチャレンジで。

――確かに、歌舞伎やヤクザ・任侠映画はありますが、ヤンキー文化はまだ海外にほとんど出ていないかもしれませんね。

MEGUMI国内だと『今日から俺は!!』とか人気ドラマ・映画はあるんですけど、本物のヤンキーを海外に届けたという例は、あまりないように思います。実は『ラヴ上等』って、出演者の衣装やセットの美術も、ネオン管や刺繍とかものすごく作り込んでいて、いろんな日本のカオスを世界に見せていこうというテーマもあるんです。それって、いわゆるローマ字の「kawaii」なんですね。ちょっとレトロな感じとか、何だかわからないけど統一感があるという部分を、「これも日本のカルチャーなんです」と見ていただきたい。

 そういう意味でもglobeさんの曲はぴったりだと思うし、その視点で90年代の日本の音楽って、まだ世界にリーチしていないと思うんですよね。globeさんの音楽は絶対に海外の方も好きだと思いますし。私は海外にもよく行くんですけど、本当に洋服屋さんとか「この店で!?」と思う場所で、日本のシティポップだったり、演歌っぽい曲を、BPMを上げてリミックスしたような曲がかかっていたりするんですよ。海外の人も、当たり前に日本の曲を好きなんだなって感じますね。

――そう考えると、日本人が洋楽っぽさを感じるglobeの曲も、海外のリスナーからすると、どこかジャパニーズなテイストを感じるのかもしれませんね。

MEGUMIポップス感と言いますか、抒情的な雰囲気がJ-POPにはあるみたいですね。しかも今って、音楽に関しては時間軸がまったく関係ないですよね。みんなサブスクリプションで聴くから、「古い曲」とか「新しい曲」っていう概念自体がもう消え去っている気がします。ですから海外に対してだけでなく、今回の番組で初めて「Love again」を聴く10代の子もいるでしょうし。そういう意味でも、音楽を受け入る間口は昔より広がっているのかなという気はします。

Netflixで配信中の『ラヴ上等』より

Netflixで配信中の『ラヴ上等』より

感情を全開にした“ぶち上がり感”がパワーを生む

――そもそもMEGUMIさんがglobeを好きになったきっかけは?

【MEGUMI】私の世代って、全員が小室(哲哉)さんの曲を全部知ってると言ってもいいくらいで、私も小室さんが手がけたいろんなアーティストの曲も含めてほぼ全部知っています。そのなかでも一番好きだったのが、globeさんだったんです。もう本当に、自分の「好き」っていう音楽的な感覚と、歌詞が大人っぽいところにも魅かれて。しかも、それを歌い上げるKEIKOさんがものすごくカッコいい。金髪で、メイクもラインストーンとか付けていて、すごく尖っていて。めちゃくちゃ憧れましたね。今でも友人が自宅に来ると、夜中にglobeさんのライブ映像を見て「ライブに行きたかったね」って言いながら歌ったりと、割と頻繁にやっています(笑)。本当に色あせないですよね。「Is this love」のMV(ミュージックビデオ)も豪華過ぎる世界観で。

――総額1億円という破格の制作費で、アメリカのアリゾナ州で撮影されたとか。数台のヘリコプターを飛ばして空撮もされていて。

MEGUMI夢がありましたよね。この時代というのを、切なくも眩しく感じると言いますか。しかも歌詞が、叙情的な女性の想い、刹那みたいなものを、なんで男性の小室さんがわかるんだろうって。特にglobeさんは、女性の悲しさ、切なさ、苦しさを歌っているイメージがあって。小室さんには何度かお目にかかったことがあるんですが、「感じる力」みたいなものがすごく深い方ですし、ちょっと中性的というか、大変ニュートラルな方だからこそ、こういう詞が書けたのかなと思ったりもします。女性のすごくウエットな部分を、よくぞ素敵な曲にのせて歌ってくださっている。そこが日本っぽいし、そういう歌詞を書ける小室さんって、本当に稀有な存在ですよね。

――それを男気あるKEIKOさんが歌うというのも、またカッコよかったですよね。

MEGUMI当時って、お人形さんのように可愛い歌手が多かったと思うんですけど、その中で堂々としているKEIKOさんが、ウエットな詞を骨太に歌うというバランス感も、子ども心に迫るものがありました。あとライブ映像を見ていると、マーク(・パンサー)さんが首を吊るような衝撃的なシーンがあったり(Blu-ray『globe tour 1999 Relation Remaster Edition』)。MVも、イギリスのパンクやロックのようなかなり攻めたものでしたよね。マークさんはそういった表現力がすごく素晴らしくて。だからすごく攻めた、尖った表現をやってらっしゃったんだと思います。KEIKOさんもそう。しかも可愛い。KEIKOさんのメイクは、KOSHINOさんというヘアメイクアップアーティストさんが担当されていたんですよね。「すごいな、どなたがやったんだろう?」って調べたりもしたんですよ。

globe「Love again」(1998年リリース)

globe「Love again」(1998年リリース)

――当時からカラオケでglobeを歌っていたということですが、KEIKOさんならではのハイトーンも頑張って歌っていたのですか?

MEGUMI今も、つい先々週くらいに歌ったばかりです(笑)。やっぱり同世代は男女ともにglobeさんが好きなんですよね。カラオケで男子から「これ歌って」って言われるのも、だいたいglobeさん。『ラヴ上等』でまた私は「Love again」にハマっているので、最近は必ずこの曲を歌っています。まるで自分の曲かのように(笑)。バラードもいいんですよね。「I'm still alone」や「Precious Memories」とか。ライブだと、小室さんのピアノだけというシンプルな演奏でKEIKOさんが歌い上げていて。本当に歌が上手な方しかできない表現ですよね。KEIKOさんがデビューして、初めて「Feel Like dance」を歌った時に泣いてるシーンとか、ものすごく鮮明に覚えています。白のセットアップで歌っていて、子どもながらに「良かったね」と思って。軽快だけどエモくて、「来た!」っていうのを強く感じる曲なので、私にとって「Feel Like dance」は特別な曲ですね。

 あと、「Anytime smokin' cigarette」はめっちゃカッコいい! ライブでは煙草を吸いながら歌ってらっしゃって、捲し立てるような歌い方もクールだし。当時は、そこまで歌詞の内容は理解できていませんでしたけど、心の叫びみたいなものを歌っていることは感じていて。今、この年齢で聴くと、直接的なことを言っているわけではないけど、とても物語的と言うか、歌詞の背景がすごく想像できて、表現としてとてもカッコいいなと思います。一方で、「Wanderin' Destiny」の「あなたと死ねたら」という歌詞とか、ドキッとする強烈なワードがあったり。そういう、男の人が目を背けたくなるような女性の悩み、ある意味で面倒くさい感情をすべて掬い上げた小室さんの歌詞って、本当に発明だと思います。

――MEGUMIさんは中学時代からR&Bやロックが好きだったそうですが、当時、ジャンルの違うglobeのダンスミュージックも、直感で反応されたんですね。

MEGUMIそうですね。ヒップホップやR&Bが好きなんですけど、「踊る」となるとまた違って。ヒップホップだと身体を揺らす感じですけど、テクノやハウスはめちゃくちゃ踊りますよね。TKサウンドってそのラインにありますから、やっぱりぶち上がります。『ラヴ上等』もぶち上がっている番組なので(笑)、やっぱりglobeさんの曲が合わさると、ものすごいパワーが生まれるんです。このBPMと、テクノトランスのミックス感が、ものすごく『ラヴ上等』感があるなっていう気がします。

 globeさんは、尖りに尖って、とても音楽的で、その上でJ-POPの要素もあるので、男性も女性も踊りながら歌うということが本当に楽しくできる音楽だと思います。そのなかでも特に「Love again」は自然に身体が動いちゃうような始まり方をしますし、曲そのものも、ちょっとドキッとするくらいの色香のある歌詞だったりもするので、今の私たちが生きていて忘れていた感覚、たとえば「恋愛なんかよりもやることあるし」「丁寧に暮らす」みたいなことで、ちょっと忘れてしまった人生の「遊び」や「彩り」というものを思い出させてくれるように思うんです。人生にはもっと彩りがあった方がいいんだよ、みたいな。

 それって生きていくうえでとても必要なものだし、真面目なことだけを考えていると、「人生って何だっけ?」みたいになってしまうじゃないですか。globeさんって、そうした彩りがあった最たる時代の音楽ですから、globeさんを聴いたことがないという若い世代の方には、その最たる「Love again」をこの機会にぜひ浴びていただきたいですね。もちろん、90年代をリアルタイムで体験した方には、もう何の説明も必要ありません(笑)。懐かしく感じるでしょうし、みなさん必ず、グッとくると思います。

取材・文:布施雄一郎

Netflixで配信中の『ラヴ上等』より

Netflixで配信中の『ラヴ上等』より

■Netflixリアリティシリーズ『ラヴ上等』作品概要
喧嘩上等。羅武上等。恋も喧嘩も命懸け!純度100% 危険度120%。MEGUMIプロデュース、社会のはみ出し者として生きてきた男女11人が、14日間の共同生活で本気(ガチ)の「愛」を学ぶ、血の気たっぷりな新感覚恋愛リアリティショー。12月9日(火)よりNetflixにて独占配信
企画・プロデュース:MEGUMI
MC:MEGUMI、AK-69、永野
主題歌:Love again / globe
製作:Netflix
作品ページ(外部サイト)
予告編動画(外部サイト)

配信スケジュール:
12月9日(火)エピソード1〜4
12月16日(火)エピソード5〜7
12月23日(火)エピソード8〜10
■『Premium Limited 8cm Single BOX』
「Love again」も収録。希少廃盤8cmシングルの限定数復刻豪華BOX
発売:2026年1月1日発売
品番:AVZG-70142〜60/価格25,000(税込)
・豪華BOX仕様
・シリアルナンバー入り特製プレートチャーム封入
・30周年記念特製ロゴピンズ封入
・特製CDアダプター封入

■globe デビュー30周年記念特設サイト(外部サイト)

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