アニメ映画『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』のスタッフトークイベントの公式レポートが公開された。監督:藤森雅也、キャラクターデザイン:新山恵美子が、こだわりのアクションシーンの作画から貴重なカットへのこだわりを語っている。 一年生以外のキャラクターたちの頭身をTVアニメに比べ高くしたことについて、実際のキャラクター設定資料を見ながら藤森監督は「アクションシーンでは、シルエットを立たせやすいのと、座っている芝居でも低くカメラを置いた時に威厳があるように見えるのが良かったなと思います。」と設定画を見ながら説明。新山も「格好良く描こうとすると(頭身が)伸びちゃいますよね」と特にアクションシーンなどは設定よりも頭身が伸びていることを明かした。 そして、一年生以外の等身を伸ばしたことで「副産物」として現れた効果として藤森監督は「対比で、は組の生徒たちが(先生たちに比べ)小さくなるので可愛くなるんです。テレビ版だと先生たちの胸下くらいまで身長があるんですが」とし、新山も「土井先生が伸びたのかきり丸が縮んだのか…。きりちゃんが本当に可愛い。(監督が描いた)コンテの時点からこの可愛さだったので可愛く描かなければと、監督に激しく同意でした」と藤森監督の絵コンテを大絶賛。 前半はアクションシーンのこだわりポイントについてのトークが展開。まず取り上げられたのは冒頭の土井先生と諸泉尊奈門とのアクションシーンのこだわりについて、監督は「今回の映画で、土井先生と天鬼の忍具の使い方を同じにしたいと思っていて。出席簿はいつも同じなんですが、チョークの投げ方は、6コマで3本のチョークを投げろという指示を入れたかな?」と話し、新山もこのシーンにはこだわりがあるとして「土井先生は出席簿で戦っているので、ボロボロになっていくんです。綺麗な状態からその状態まで繋げないといけないので、作画のこだわりで、アクションに合わせて出席簿の傷を少しずつ増やしていきました。シーンの前半と後半で作画監督を分けており、私が前半の作画監督を担当したのですが出席簿の傷の量は合わせていかないといけないので、出席簿は(後半のシーン含め)全部やらせてもらいました。傷の密度が増えたり減ったりすると映画として気持ち悪いので、拘りました」という苦労を明かし、藤森監督は「その苦労を全く知らず、ちゃんとしているなと思って見ていました」と新山の苦労を労った。 続いては天鬼VS六年生のアクションシーンについて。このシーンについて藤森監督は「ヒーローものみたいな出撃にしたいと思って。また接近戦が得意な人と距離を置いた戦いが得意な人に分けて全体を動かすというのを『忍たま』でも1回作ってみたいなと思って、やらせていただきました」と語りつつ「TVシリーズではギャグアニメだから<いけどん>とか<ギンギン>で行くのは正しいんだけど、六年生なんだから出来るやつらに決まってる。本作では彼らにも冷静で優秀な側面があるよ、と描かせてもらいました」。さらに、普段の「忍たま」らしからぬシーンとしても話題になった六年生の傷についての話題に。新山は「設定を書いていて、血の形が都道府県の形に見えないかだけ気になってました」と笑いを誘いながら、カットごとに傷が増えシルエットも変わる善法寺伊作の作画には苦労したと話しました。さらに、血の色について藤森監督は「最初はもう少し鮮やかな色も検討したんですが…」幅広い年齢層のお客さんへの配慮をし、今の色に決定したという裏話が明かされた。
2025/02/12