現ISKA世界ライト級王者で、K-1世界3階級制覇王者のキックボクサー武尊(32)が2日、都内で初の自著「ユメノチカラ」(1月29日発売/徳間書店)の発売記念トークイベントを開催した。終了後には報道陣の取材に対応。トレーニングの再開を報告し、敗戦を喫したスーパーレックへの思いを語った。 武尊は、1月28日に東京・有明アリーナで行われた『ONE165』で、ONEフライ級キックボクシング世界王者スーパーレック・キアトモー9のタイトルに挑むも、判定0-3で敗れた。試合後、足や腕の筋断裂が分かり、その後左膝に2ヶ所の骨折があることも判明した。 ファン80人が集まったイベントでは、試合前にも肋骨(ろっこつ)を痛めていたことも告白。急きょONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタン・ジットムアンノンからスーパーレックに対戦相手が変更になり、スーパーレックを想定した準備ができなかったことも明かした。 「プロになって初めて完敗したなって気持ちになった」と明かし、「今まではどこかで『いや、負けていない』とか『あと1ラウンドあれば勝てていた』と思うこともあったんです。でも、今回のは完敗」と語る。 試合後には「もうこれ以上できない」と吐露する場面もあったが、「今まで一番練習したし、体作りも時間をかけた。あのときと同じ体を作るのは正直もう無理かなと思う。でも、また別の方法で強くなれるなら」と前を向いた。イベント内ではそういった心境の変化も告白し、対戦相手となったスーパレックに「モチベーションを上げてくれた」と伝える場面もあった。