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「第2回新潟国際アニメーション映画祭」『かぐや姫の物語』『火垂るの墓』など高畑勲作品を特集上映

 3月15日より開催される「第2回新潟国際アニメーション映画祭(NAFF)」(3月20日まで)のレトロスペクティブ部門で、『かぐや姫の物語』『火垂るの墓』など、高畑勲監督作品の上映が決定した。

「第2回新潟国際アニメーション映画祭」(3月15日〜3月20日)高畑勲作品の特集上映決定

「第2回新潟国際アニメーション映画祭」(3月15日〜3月20日)高畑勲作品の特集上映決定

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 2018年に亡くなった後も、世界のアニメーション界に大きな影響を与え続ける高畑監督。同映画祭では、スタジオジブリ時代だけでなく、東映動画(現・東映アニメーション)での長編デビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』をはじめ、全長編アニメーション監督作品を上映。テレビアニメの監督デビュー作となる『狼少年ケン(第14話)』や、長年高畑作品に関わってきたプロデューサーや関係者のトークイベントも交えて、そのキャリアを検証し、再発見する。

 昨年3月に第1回が開催された同映画祭は、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭としてその歩みをスタートさせた。

■上映作品

●『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)
 海辺に父と2人で住むホルスは、岩男のモーグの肩に刺さっていた2本の剣を手に入れた。その剣は太陽の剣と呼ばれる名剣で、その剣を鍛え上げ使いこなせるようになった時、ホルスは太陽の王子と呼ばれようとモーグは言う。父を失ったホルスは、一切を焼き払うと、父の遺言に従い人々のいる北の村に向かってコロとともに舟出した。再びこの地に帰ることはない。途中ホルスは悪魔グルンワルドに弟になるよう誘われるが断ったため、崖から落とされてしまう。ホルスは、倒れたまま流氷にのって村に流れ着いた。村の一員として受入れられたかに思われたホルスだが、グルンワルドのたくらみで村に送り込まれた一人の少女ヒルダのために村人たちの不信を買い、村を追い出されてしまう。悪魔が勝つかに見えたが、ヒルダの心の奥底には密かに人間らしさへの憧れが兆していた。そして悪魔の攻撃が始まった…。

『太陽の王子 ホルスの大冒険』(制作年:1968年、作品時間:82分)(C)東映

『太陽の王子 ホルスの大冒険』(制作年:1968年、作品時間:82分)(C)東映

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●『パンダコパンダ』(1972年)
 ミミ子ちゃんは、竹林の中にある家でひとりで暮らしていた。法事のために遠くに出かけてしまったおばあちゃんの留守をしっかり守っているのだ。そんなミミ子ちゃんのもとに、小さなパンダの子パンちゃんとそのお父さんパパンダがやってくる。ひとりでもへっちゃらなミミ子ちゃんだったが、優しいお父さんとかわいい子どもがいたらもっとステキ!3人は一緒に暮らし始める。しかし、ある日動物園の園長さんが、パパンダ親子を探しにやってきて…。

『パンダコパンダ』(制作年:1972年、作品時間:35分)(C)TMS

『パンダコパンダ』(制作年:1972年、作品時間:35分)(C)TMS

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●『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』 (1973年)
 ミミ子ちゃんとパンちゃんとパパンダは、毎日楽しく暮らしていた。そんなある日、ミミ子ちゃんたちの留守に怪しい2人組が…。そこへ帰って来たミミ子ちゃんは「どろぼうさんを見るのは初めて!」と喜ぶが、2人組は一目散に逃げ帰ってしまう。せっかくの面白そうなお客さんがいなくなって、ちょっとがっかりのミミ子ちゃんだが、パンちゃんは自分のご飯が食べられていることに気付く。パンちゃんが鼻をクンクンさせて家中を探すと、パンちゃんのベッドにもぐりこみ、スヤスヤと眠っていたのは……なんとトラのこども!2人ともびっくりして家中を走り回って大騒ぎに!

『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』 (制作年:1973年、作品時間:39分)(C)TMS

『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』 (制作年:1973年、作品時間:39分)(C)TMS

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●『劇場版「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」』(2010年)
 1908年に出版されたモンゴメリ原作の『赤毛のアン』は100年余りの時を経て、いまなお衰えることのない人気を誇る小説。日本では、1979年にテレビアニメ化され、原作を忠実に映像化した作品として、強い支持を受けている。本作は、全50話あるテレビシリーズの中の1〜6話を、演出の高畑自らが監修して再編集した劇場版。

『劇場版「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」』(制作年:2010年、作品時間:100分)(C) NIPPON ANIMATION CO., LTD.“Anne of Green Gables” AGGLA

『劇場版「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」』(制作年:2010年、作品時間:100分)(C) NIPPON ANIMATION CO., LTD.“Anne of Green Gables” AGGLA

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●『じゃりン子チエ』(1981年)
 日本一不幸な少女チエちゃん大活躍!明日はまた明日の太陽がピカピカやねん。竹本チエは大阪の通天閣近くに住む小学5年生。バクチと喧嘩(けんか)に明け暮れるヤクザな父親テツに代わって、夜はホルモン焼き屋を切り盛りする、大人顔負けのしっかりものの女の子である。母親ヨシ江とは別居中だが、チエはテツに内緒でヨシ江と会うのを楽しみにしていた。母親に戻ってきてもらうためには、テツがまともに仕事に就かなければ…。チエは父親の就職の面倒までみる働きぶり。心優しい人たちによる、抱腹絶倒の人情喜劇!

『じゃりン子チエ』(制作年:1981年、作品時間:110分)(C)はるき悦巳/家内工業舎・東宝・ユニバーサルミュージック・TMS

『じゃりン子チエ』(制作年:1981年、作品時間:110分)(C)はるき悦巳/家内工業舎・東宝・ユニバーサルミュージック・TMS

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●『セロ弾きのゴーシュ』(1982年)
受賞歴:1981年度 毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞
 映画がまだ、活動写真と呼ばれていた頃、あるいなか町のはずれに、ゴーシュという、青年が住んでいた。ゴーシュはセロ(チェロ)の演奏者。近づいた市民音楽会のために毎日、小学校の教室を借りて、楽団員たちは練習にはげんでいた。一生懸命やっているゴーシュだが、何故かうまく演奏でない。家に帰ってからも夜遅くまで練習していると、誰かが戸をたたく音が。開けて入って来たのは、2本足で歩くネコだった。ゴーシュは困惑しながらも相手をして練習を続けた。その翌日はかっこうが訪れてきて、ゴーシュと合奏した。そしてその翌日はたぬきがやって来た。いつしかゴーシュは…。

『セロ弾きのゴーシュ』(制作年:1982年、作品時間:63分)(C) Oh-producrion

『セロ弾きのゴーシュ』(制作年:1982年、作品時間:63分)(C) Oh-producrion

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●『火垂るの墓』(1988年)
 清太14歳、節子4歳。焼け野原に、はかなく光る命がふたつ。太平洋戦争末期。神戸に暮らす清太と節子の兄妹は、空襲で親も家も失ってしまう。親戚の家に身をよせたものの、邪魔者扱いされた2人は、大人の力を借りずに防空壕で暮らすことを決めた。夢見たのは、自由気ままな2人だけの暮らし。しかし、幼い兄妹を待っていたものは、想像以上に厳しくつらい日々の始まりだった…。

『火垂るの墓』(制作年:1988年、作品時間:88分)(C)野坂昭如/新潮社, 1988

『火垂るの墓』(制作年:1988年、作品時間:88分)(C)野坂昭如/新潮社, 1988

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●『おもひでぽろぽろ』(1991年)
 1982年、夏。東京での生活になんとなく物足りなさを感じているタエ子は27歳のOL。彼女は10日間の休暇を取り、姉の結婚でできた山形の親戚を訪ねて旅立つことにした。東京生まれ東京育ちのタエ子にとって“田舎”は憧れの場所。そんな彼女には奇妙な連れがいた。ふとしたきっかけで思い出した小学5年生の頃のワタシがどうしても脳裏から離れないのだ。タエ子は思い出と共に山形行きの夜行列車に揺られていく。小学5年生。それは女の子が一つの階段を上っていく、さなぎの季節なのかもしれない。そして今、自分にまたさなぎの時期がめぐってきたのだろうかと、タエ子は思いをはせていく。

『おもひでぽろぽろ』(制作年:1991年、作品時間:119分)(C)1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH

『おもひでぽろぽろ』(制作年:1991年、作品時間:119分)(C)1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH

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●『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)
 ニュータウンの開発が進む東京郊外の多摩丘陵。昔ながらの平和な暮らしをおびやかされたタヌキたちは、先祖伝来の「化け学」を復興させ、人間たちに戦いを挑むことを決意する。タヌキたちはあの手この手で人間撃退作戦を展開するが、そこはタヌキのすること、なかなか成果が上がらない。そこへ四国からタヌキの三長老が到着し、化け学の粋を凝らした「妖怪大作戦」の発動が宣言された。一生懸命だけどどこか抜けているタヌキたち、彼らが繰り広げる大作戦の顛末は…。

『平成狸合戦ぽんぽこ』(制作年:1994年、作品時間:119分)(C)1994 畑事務所・Studio Ghibli・NH

『平成狸合戦ぽんぽこ』(制作年:1994年、作品時間:119分)(C)1994 畑事務所・Studio Ghibli・NH

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●『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999年)
 「腹へった、なんかないか」と酔って帰宅したたかしに、まつ子はどらやきとバナナを持ってくる。こんなもん食えるか、と怒る亭主に平然と背を向け、妻はテレビを見続ける。だが、妻は栄養を考えてバナナとミルクを夫のために持ってきてやったのだ。やがて、たかしはそのバナナをうまそうに食う。このほか、原作の四コマ漫画を元にしたエピソードが集まって一つの作品を形成している。

『ホーホケキョ となりの山田くん』(制作年:1999年、作品時間:104分)(C) 1999 いしいひさいち・畑事務所・Studio Ghibli・NHD

『ホーホケキョ となりの山田くん』(制作年:1999年、作品時間:104分)(C) 1999 いしいひさいち・畑事務所・Studio Ghibli・NHD

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●『かぐや姫の物語』(2013年)
 この地で、ひとりの女性が生きた。笑い、泣き、喜び、怒り、その短い生の一瞬一瞬にいのちの輝きを求めて。数ある星の中から、彼女はなぜ地球を選んだのか。この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか。姫が犯した罪とは、その罰とはなんだったのか――。日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された人間・かぐや姫の真実の物語。姫の犯した罪と罰。製作期間8年、製作費50億円の娯楽超大作。ジブリヒロイン史上、最高の“絶世の美女”が誕生。

『かぐや姫の物語』(制作年:2013年、作品時間:137分)(C)2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK

『かぐや姫の物語』(制作年:2013年、作品時間:137分)(C)2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK

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●TVアニメ『狼少年ケン』第14話「ジャングル最大の作戦」(1963年)
 舞台はヒマラヤ山脈を望むドカール地方のジャングル。人間であるケンが、狼族の一員としてジャングルの平和を守る為に活躍する。白いライオンに授かった「王者の剣」を牙とし、双子の子狼、チッチとポッポをお供に今日もジャングルを駆け回るケン。彼を見守る仲間・片目のジャックや長老のボスと共に、ジャングルに厄介ごとを持ち込む人間たちや、大熊や虎の三日月キズを相手にして、「二本足の狼」として生きるケンが見せる、野性味あふれる自由奔放な爽快アクション。

TVアニメ『狼少年ケン』第14話「ジャングル最大の作戦」(演出:高畑勲、制作年:1963年、作品時間:25分)(C)東映アニメーション

TVアニメ『狼少年ケン』第14話「ジャングル最大の作戦」(演出:高畑勲、制作年:1963年、作品時間:25分)(C)東映アニメーション

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●TVアニメ 『母をたずねて三千里』 第1話「いかないでおかあさん」 / 第2話「ジェノバの少年マルコ」 (1976年)
 イタリアの港町ジェノバに住む少年マルコは、両親と鉄道学校に通う兄とともに慎ましく暮らしていたが、生活は日増しに苦しくなり、とうとう母がアルゼンチンへと出稼ぎに行くことになる。寂しさをこらえ見送るマルコだったが、やがて母アンナからの便りが途絶えてしまう。母を捜しに行きたいというマルコの固い決意に父もとうとう旅立ちを許し、マルコの長く苦しい旅が始まるのだった。マルコは持ち前の明るく元気な性格でアルゼンチンでのさまざまな人との出会いや出来事を乗り越え、ついにトゥクマンの町で母アンナと再会する。

TVアニメ 『母をたずねて三千里』 第1話「いかないでおかあさん」 / 第2話「ジェノバの少年マルコ」 (演出:高畑勲、制作年:1976年、作品時間:各30分)(C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.

TVアニメ 『母をたずねて三千里』 第1話「いかないでおかあさん」 / 第2話「ジェノバの少年マルコ」 (演出:高畑勲、制作年:1976年、作品時間:各30分)(C)NIPPON ANIMATION CO., LTD.

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■関連トークイベント
●3月17日(日)「高畑勲と『セロ弾きのゴーシュ』を巡って」
登壇:なみきたかし(アニメーションプロデューサー)×才田俊次(アニメーター)

●3月17日(日) 「(高畑勲)の『かぐや姫の物語』とそれ以後」
登壇:高橋望(MC) ×西村義明(スタジオポノック代表取締役)×櫻井大樹(サラマンダーピクチャーズ代表取締役)

●3月19日(火) 「高畑勲という作家のこれまで語られていなかった作家性」
登壇:片渕須直(アニメーション映画監督)×横田正夫(日本大学文理学部心理学科特任教授)

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関連写真

  • 「第2回新潟国際アニメーション映画祭」(3月15日〜3月20日)高畑勲作品の特集上映決定
  • 高畑勲
  • 『太陽の王子 ホルスの大冒険』(制作年:1968年、作品時間:82分)(C)東映
  • 『パンダコパンダ』(制作年:1972年、作品時間:35分)(C)TMS
  • 『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』 (制作年:1973年、作品時間:39分)(C)TMS
  • 『劇場版「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」』(制作年:2010年、作品時間:100分)(C) NIPPON ANIMATION CO., LTD.“Anne of Green Gables” AGGLA
  • 『じゃりン子チエ』(制作年:1981年、作品時間:110分)(C)はるき悦巳/家内工業舎・東宝・ユニバーサルミュージック・TMS
  • 『セロ弾きのゴーシュ』(制作年:1982年、作品時間:63分)(C) Oh-producrion
  • 『火垂るの墓』(制作年:1988年、作品時間:88分)(C)野坂昭如/新潮社, 1988
  • 『おもひでぽろぽろ』(制作年:1991年、作品時間:119分)(C)1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH
  • 『平成狸合戦ぽんぽこ』(制作年:1994年、作品時間:119分)(C)1994 畑事務所・Studio Ghibli・NH
  • 『ホーホケキョ となりの山田くん』(制作年:1999年、作品時間:104分)(C) 1999 いしいひさいち・畑事務所・Studio Ghibli・NHD
  • 『かぐや姫の物語』(制作年:2013年、作品時間:137分)(C)2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK
  • TVアニメ『狼少年ケン』第14話「ジャングル最大の作戦」(演出:高畑勲、制作年:1963年、作品時間:25分)(C)東映アニメーション

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