木村佳乃、中村倫也、佐々木希、杏、松坂桃李、菅田将暉、趣里、萩原利久、杉野遥亮、夏子、堀田茜、TAKAHIROら、幅広く活躍するアーティストが所属するトップコートが、芸能マネージャーをテーマにした書籍『芸能マネージャーが自分の半生をつぶやいてみたら』(ワニブックス刊)を発売した。実態が見えにくい「芸能マネージャー」という仕事について、マネージャー本人が自身の体験談を赤裸々に語る内容。芸能マネージャーに対するタレントの生の声も収録されている。ここでは同書から、佐々木希が話したエピソードを一部抜粋。事務所所属前に体験したオーディション秘話を紹介する。
■「目先の仕事には振り回されない」
マネージャーには方言を直すところからテーブルマナーまで、全てをイチから教育してもらいました。例えば遅刻してしまった時に、「1分遅れただけなのに」と思っていると、心の中を覗かれているかのように「1分でもダメ。遅刻は遅刻!」と厳しく教えられました。マネージャーからは、人としての基本を学ばせてもらいました。何度も叱られましたが、今となってはなんて沢山の愛情を頂いたのだと思えます。
こんなこともありました。当時はモデルの仕事もやらせていただいたのですが、雑誌の撮影では周りに何人ものモデルさんがいる中、次々に着替えていく必要があります。衣装を着て、撮影して、別の衣装に替えて、また撮影して。大体のモデルさんは、撮影を終えたら脱いだ服をポンと置き、次の衣装に着替えてバタバタと撮影に行きます。
私も、みんながそうしているのだからそういうものだろうと、同じように脱いだ衣装をそのへんに置きっぱなしにしていました。すると、「あなたはそんなことをしちゃダメ。どれだけ沢山の服を着ても、脱いだらちゃんとスタイリストに手で渡しなさい。あなたは、周りの人とは違うのだから」と厳しく諭されました。
またこんなこともありました。10代の頃、周りの同年代の子が「大きな仕事が決まった!」と喜んでいるのを聞いて、確かな成果を出していなかった私は複雑な心境になっていました。いいなあ! とうらやましく思ったり、まあ仕方ないか…と落ち込んだり。するとマネージャーが「私達はそこを狙っていないの。目先の仕事には振り回されない。全国規模で自社ブランドの製品を販売する広告主、ナショナルクライアントを絶対にやらせるから!」と。本当にそんな仕事を頂けるのかしら? そう思っていましたが、マネージャーの言葉を信じて、お仕事をしていって。気づけば1年後にはそうした会社ばかり、10数社ものCMをやらせていただくようになっていました。
「あの時のマネージャーの言葉は本当だった…!」
言われた時はなんのことかさっぱりわかりませんでしたが、マネージャーが「目先の仕事には振り回されない」と言っていた、その真の意味がわかったのです。
■ 大事なのは、まず自分を知ること
20代前半の頃になると、知らない間に、目の前にやらなければならない仕事が沢山あるという状況になっていました。すると今度は忙し過ぎて眠る時間も確保出来ない日々が続き、自分は今どこにいるのだろう? そんな状態に陥りました。精神的に余裕がなくなって、やがて自分を見失い、殻に閉じこもってしまったのです。
若さ故の至らなさといえばそれまでなのですが、当時は仕事が増えたことを素直に有難いと思えなくなっていました。事務所の方が頑張ってくれた結果なのは確かで、しかもそういう中でも私と丁寧にやりとりしてくれていたのに、自分でも気づかないうちに、完全なキャパオーバーになっていたようでした。
そんな頃、自分の中でどこか後ろ向きだった仕事の日が来ました。ところがその最中で過呼吸気味になり、ぱた〜ん! とその場に倒れ込んでしまったのです。すると現場マネージャーの女の子が駆け込んできて、我が子のようにしばらく私を抱きしめてくれて。それでようやく落ち着いて呼吸が出来るようになりました。
当時は自分が何をどうすればいいのか全然わからないし、今の自分がどういう感情に支配されていて、どんな状態なのかもわかっていませんでした。それで知らない間に倒れてしまった。改めて仕事の量とかその中身とか、なんでもかんでもをマネージャーや事務所にただ任せてしまうのは良くないなと。まずは私自身が、自分のことを知らなければ何も始まらない。そうでなければ、周りもどう対応していいのかわかりませんから。
今となっては、そんな風に思います。
■芸能マネージャー陣の知られざる半生とアーティストが本気で語るマネージャーとは
『芸能マネージャーが自分の半生をつぶやいてみたら』(ワニブックス)
マネージャーには方言を直すところからテーブルマナーまで、全てをイチから教育してもらいました。例えば遅刻してしまった時に、「1分遅れただけなのに」と思っていると、心の中を覗かれているかのように「1分でもダメ。遅刻は遅刻!」と厳しく教えられました。マネージャーからは、人としての基本を学ばせてもらいました。何度も叱られましたが、今となってはなんて沢山の愛情を頂いたのだと思えます。
こんなこともありました。当時はモデルの仕事もやらせていただいたのですが、雑誌の撮影では周りに何人ものモデルさんがいる中、次々に着替えていく必要があります。衣装を着て、撮影して、別の衣装に替えて、また撮影して。大体のモデルさんは、撮影を終えたら脱いだ服をポンと置き、次の衣装に着替えてバタバタと撮影に行きます。
私も、みんながそうしているのだからそういうものだろうと、同じように脱いだ衣装をそのへんに置きっぱなしにしていました。すると、「あなたはそんなことをしちゃダメ。どれだけ沢山の服を着ても、脱いだらちゃんとスタイリストに手で渡しなさい。あなたは、周りの人とは違うのだから」と厳しく諭されました。
またこんなこともありました。10代の頃、周りの同年代の子が「大きな仕事が決まった!」と喜んでいるのを聞いて、確かな成果を出していなかった私は複雑な心境になっていました。いいなあ! とうらやましく思ったり、まあ仕方ないか…と落ち込んだり。するとマネージャーが「私達はそこを狙っていないの。目先の仕事には振り回されない。全国規模で自社ブランドの製品を販売する広告主、ナショナルクライアントを絶対にやらせるから!」と。本当にそんな仕事を頂けるのかしら? そう思っていましたが、マネージャーの言葉を信じて、お仕事をしていって。気づけば1年後にはそうした会社ばかり、10数社ものCMをやらせていただくようになっていました。
「あの時のマネージャーの言葉は本当だった…!」
言われた時はなんのことかさっぱりわかりませんでしたが、マネージャーが「目先の仕事には振り回されない」と言っていた、その真の意味がわかったのです。
■ 大事なのは、まず自分を知ること
20代前半の頃になると、知らない間に、目の前にやらなければならない仕事が沢山あるという状況になっていました。すると今度は忙し過ぎて眠る時間も確保出来ない日々が続き、自分は今どこにいるのだろう? そんな状態に陥りました。精神的に余裕がなくなって、やがて自分を見失い、殻に閉じこもってしまったのです。
若さ故の至らなさといえばそれまでなのですが、当時は仕事が増えたことを素直に有難いと思えなくなっていました。事務所の方が頑張ってくれた結果なのは確かで、しかもそういう中でも私と丁寧にやりとりしてくれていたのに、自分でも気づかないうちに、完全なキャパオーバーになっていたようでした。
そんな頃、自分の中でどこか後ろ向きだった仕事の日が来ました。ところがその最中で過呼吸気味になり、ぱた〜ん! とその場に倒れ込んでしまったのです。すると現場マネージャーの女の子が駆け込んできて、我が子のようにしばらく私を抱きしめてくれて。それでようやく落ち着いて呼吸が出来るようになりました。
当時は自分が何をどうすればいいのか全然わからないし、今の自分がどういう感情に支配されていて、どんな状態なのかもわかっていませんでした。それで知らない間に倒れてしまった。改めて仕事の量とかその中身とか、なんでもかんでもをマネージャーや事務所にただ任せてしまうのは良くないなと。まずは私自身が、自分のことを知らなければ何も始まらない。そうでなければ、周りもどう対応していいのかわかりませんから。
今となっては、そんな風に思います。
■芸能マネージャー陣の知られざる半生とアーティストが本気で語るマネージャーとは
『芸能マネージャーが自分の半生をつぶやいてみたら』(ワニブックス)
2024/01/17