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加熱式たばこ市場で確変は起こる? 鍵は「メンソール」、JTが新型モデルで巻き返し図る

 喫煙者の中でも、徐々に割合を増やしつつある加熱式たばこユーザー。紙巻たばこよりもにおいが抑えられ、周囲への配慮という観点でも今の時代に即していると言える。今後も伸長が続くと思われる加熱式たばこ市場で、アイコスやグローの後塵を拝してきたのがJTだ。2021年に発売した『プルーム・エックス』でじわじわとシェアを伸ばした同社は、その新型モデルを発表。さらなる巻き返しを図る。


新型モデル『プルーム・エックス・アドバンスド』と『メビウス・ブラック・コールド・メンソール』

新型モデル『プルーム・エックス・アドバンスド』と『メビウス・ブラック・コールド・メンソール』

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■国内の加熱式たばこ市場で、3番手に甘んじるJT

 『プルーム・エックス』の新型モデル『プルーム・エックス・アドバンスド』を11月21日に発売するJT。それを記念して、このほどプルーム・エックスのたばこスティックを製造する関西工場のプレスツアーが行われた。同時に実施された『プルーム・エックス・アドバンスド』のプレゼンテーションには、同工場長・志賀哲也氏、製造部長・嶋田達也氏のほか、JT商品企画部RRP担当部長の山口顕氏、同ブランドマネージャーの井上開斗氏が出席した。

 日本の加熱式たばこ市場といえば、『アイコス』のフィリップモリスジャパンが大きなシェアを握り、次いで『グロー』のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン、そして『プルーム・エックス』のJTという構図となっている。

 なぜJTが2社に大きく水をあけられたかというと、「高温加熱式市場に参入が遅れたのが理由。タイムギャップが競合他社のリードを許してしまった」と、山口氏は振り返る。JTはもともと、加熱式たばことして『プルーム・テック』を発売していたが、こちらはアイコスなど高温加熱式とは違う低温加熱式。高温に比べ吸いごたえがない低温商品であったことから、紙巻たばこからの乗り換えユーザーから物足りないと思われた。高温加熱式商品を発売した後も、そのイメージからなかなか脱却することができず、これが三番手に甘んじた理由でもあるだろう。

 そんな中、2021年に満を持してJTから誕生したのが、『プルーム・エックス』だった。これ以降、高温加熱式たばこカテゴリ内でじわじわとシェアを伸ばし、現在は2.5倍に伸長。こうした日本市場での成功を皮切りに世界12ヵ国に展開しており、さらに2024年中には28マーケットに拡大する見込みだという。

 国内市場における一定の成功について山口氏は、吸いごたえや味、デザイン性の向上に加え、「今年3月の『メビウス』(たばこスティック)の発売が、大きなプロモーションになった」とも明かす。ほかにも、「限定でデバイスのカラーバリエーションを出したことも好評でした。アイコスを使っている方は多いですが、そのバリエーションとして買ってくださる方も多いのではないかと思います」と推察する。

(写真左から)関西工場製造部長・嶋田達也氏、JT商品企画部RRP担当部長・山口顕氏

(写真左から)関西工場製造部長・嶋田達也氏、JT商品企画部RRP担当部長・山口顕氏

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 そして、そんな『プルーム・エックス』の新型モデル発売には、同氏もさらに自信を覗かせる。

 「いま2.5倍の成長ということですが、個人的な願望としてはさらに2倍、3倍になることを願っています。出遅れてはいますが、『プルーム・エックス・アドバンスド』は競合と戦っていけるレベル、それ以上に到達するレベルだと考えています」

 では、その『プルーム・エックス・アドバンスド』とは、どんな製品なのか。

 「もともと『プルーム・エックス』は、デバイスの操作性や吸える時間の長さ・回数の多さなど、ユーザビリティとしては高い評価を得ていました。ですが一方で、吸いごたえがない、味香りが弱い、メンソール感が弱いという理由で離脱する方もいました。これは『プルーム・エックス』に限らず、どの加熱式たばこでも同じ理由で離脱する人が一定数います」(山口氏、以下同)

 加熱式たばこはにおいや煙が少ない代わりに、どうしても物足りない。それが紙巻たばこユーザーの偽らざる本音だったであろう。だが、時代の流れも喫煙者を取り巻く環境も、紙巻から加熱式に移行しているのは確か。少しでも離脱の原因となる課題を解決したいとして、開発されたのが新型モデル『プルーム・エックス・アドバンスド』だった。

 「『プルーム・エックス』の強みを維持・強化しつつ、吸いごたえ、味香りの進化を実現できないか」。そうして生まれた『プルーム・エックス・アドバンスド』は、JT独自の新加熱技術“POWER HEATFLOW”により、最高加熱温度を約320℃まで向上。味わい・吸いごたえを引き出しながら、たばこ葉本来のうまさを最初から最後まで楽しめるようになったという。充電時間は110分から90分に短縮、使用開始時のボタン操作が不要に…など、さらなるユーザビリティの向上にも努めている。

メディアに初めて公開された関西工場の様子

メディアに初めて公開された関西工場の様子

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 実際、ブラインド調査を実施したところ、競合他社商品と比較して圧倒的支持を得たとの結果がある。とくにメンソールでは、82%が他社商品よりも『プルーム・エックス・アドバンスド』を支持(プルーム・エックスでは支持19%だった)。フルーツ(カプセル有)では79%(同19%)、フルーツ(カプセル無)では実に100%(同31%)の支持。ちなみにレギュラーは、39%(同51%)となり、支持は以前より下がっている(JT調べ)。

 この結果を見てもわかるとおり、『プルーム・エックス・アドバンスド』はメンソールに特化したモデルだと言える。そうなったのにも、もちろん理由がある。

 実は、加熱式たばこ市場ではメンソールを吸うユーザーが7割と言われており、この3年でも高温加熱式カテゴリに占める強メンソール商品の構成比は17%も増大。JTでもその需要に応えるべく、デバイスとたばこスティック両面の強化に乗り出した。今年3月にはたばこスティック『メビウス』をリニューアルするとともに570円から500円に値下げし、売上は3倍に伸長。さらに11月21日には、これまでで最強のメンソールたばこスティック『メビウス・ブラック・コールド・メンソール』も、値段据え置きで発売する。

 「『プルーム・エックス・アドバンスド』で吸ってこそ、メビウスのパフォーマンスが引き出されると言えます。3月のメビウスのリニューアルも、それを見据えたものでした」と語るのは、JT商品企画部ブランドマネージャーの井上開斗氏。

 つまり、デバイス『プルーム・エックス・アドバンスド』で『メビウス・ブラック・コールド・メンソール』のたばこスティックを吸うと、これ以上ないほどのメンソール感を味わえるということ。現時点でのメンソールの最終型が、この組み合わせによって引き出されるのだ。

 『プルーム・エックス・アドバンスド』はすでに一部で先行販売もされ、ブラックは5万台が完売したそうだ。そして『メビウス・ブラック・コールド・メンソール』は、「いつどこで買われても同じ味を担保できるように」(工場長・志賀哲也氏)と厳密な品質管理をなされた関西工場から、全国のユーザーの元へと届けられる。21日に一般発売される両者が、加熱式たばこ市場に確変を起こすことになるか、注目したい。

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  • 新型モデル『プルーム・エックス・アドバンスド』と『メビウス・ブラック・コールド・メンソール』
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