いびきとは、睡眠中に気道が狭くなって空気の流れが乱れることで起こる現象のこと。本人は気付いていないかもしれないが、周囲に大きな迷惑をかけるとともに、「睡眠時無呼吸症候群」という重大な病気のサインである可能性がある。睡眠時無呼吸症候群とはいったいどんな病気なのか? 何が怖くて、どう予防することができるのだろうか? 三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長の田中祐希氏監修のもと解説する。
■「睡眠時無呼吸症候群」とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が狭くなり、呼吸が10秒以上止まることを繰り返す病気である。一晩に5回以上呼吸が止まる場合は、睡眠時無呼吸症候群の診断基準を満たすとされる。呼吸が止まると血中の酸素濃度が低下し、脳や心臓に負担がかかる。また狭い気道を空気が通ることで、いびきなどの音が発生する。このように、睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を低下させるだけでなく、生命にも危険を及ぼす病気である。
この睡眠時無呼吸症候群は、そのまま放置すると、さまざまな合併症を引き起こす可能性がある。
高血圧:無呼吸により身体にストレスがかかり、交感神経が活性化すると血圧が上昇する。高血圧は、心臓や脳血管の障害のリスクを高める。
心筋梗塞:心臓に十分な酸素が届かないと、心筋細胞が障害されて心筋梗塞や不整脈などの重篤な合併症を引き起こす。
脳卒中:脳に十分な酸素が届かないと、脳卒中を引き起こしやすくなる。脳卒中は、失語や麻痺などの後遺症を残す。
糖尿病:睡眠時無呼吸症候群では、交感神経の活性化により血糖値が上昇しやすくなる。
これらの合併症は、生活の質を低下させるだけでなく、死亡率も高める。実際に、睡眠時無呼吸症候群患者の死亡率は、正常な睡眠者の約2〜3倍にのぼることが報告されている。睡眠時無呼吸症候群は、見過ごしてはならない怖い病気であると言えるだろう。
■「睡眠時無呼吸症候群」の原因
睡眠時無呼吸症候群になる原因は、個人差があるが、以下のような要因が関係していると考えられる。
解剖学的な要因:気道の形や大きさ、顎の位置、舌や扁桃腺の大きさなどが、気道の狭窄や閉塞を引き起こす。特に、肥満や加齢によって舌や軟口蓋が弛緩すると、気道が塞がりやすくなる。
生活習慣の要因:喫煙や飲酒、睡眠不足、ストレスなどが、気道の炎症や浮腫を招く。また、仰向けに寝ると、重力の影響で舌や顎が後方に下がり、気道を圧迫する。
病的な要因:アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、甲状腺機能低下症などの内分泌系の疾患、神経筋系の疾患が、気道の通気性や筋力に影響を与える。
これらの要因は、単独ではなく、複合的に作用して睡眠時無呼吸症候群を引き起こすと考えられる。したがって、睡眠時無呼吸症候群を予防や解消するためには、これらの要因に対して多角的にアプローチする必要がある。
■睡眠時無呼吸症候群の予防/解消法
睡眠時無呼吸症候群を予防や解消する方法は、原因に応じて異なるが、以下のような一般的な対策が有効であるとされる。
体重の管理:肥満は、気道の圧迫や内分泌系の障害を招く。体重を適正に保つことで、気道の通気性やホルモンのバランスを改善することができる。
喫煙や飲酒を控える:喫煙や飲酒は、気道の炎症や浮腫を引き起こす。特に、就寝前の飲酒は、咽頭筋の弛緩を促進し、気道の閉塞を悪化させる。喫煙や飲酒を控えめにすることで、気道の健康を保つことができる。
睡眠環境や姿勢の改善:睡眠環境は、睡眠の質に大きく影響する。温度や湿度、明るさや音などを快適に調整することが望ましい。また、姿勢も重要である。仰向けに寝ると、舌や顎が後方に下がり、気道を圧迫する。横向きやうつ伏せに寝ることで、気道の開放を促すことができる。
呼吸装置の使用:上記の対策だけでは効果が不十分な場合は、医師の指示に従って呼吸装置を使用することが必要である。呼吸装置とは、睡眠中に鼻や口から空気を送り込む装置である。代表的なものは、シーパップ(CPAP)という装置である。シーパップは、気道内に一定の圧力をかけて閉塞を防ぐことで、呼吸が止まらないようにする。シーパップは、睡眠時無呼吸症候群の治療法として最も有効であると言われている。
【専門医からのコメント】
睡眠時無呼吸症候群は身近な疾患ですが、致死的な不整脈や突然死のリスクとなる恐ろしさがあります。ご家族から就寝中のいびき、無呼吸が指摘される、あるいは日中に強い眠気や倦怠感がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。自宅で行える検査もあるため、不安な時は医療機関で相談しましょう。
【監修者プロフィール】
田中祐希(たなか・ゆうき)
糖尿病専門医で三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長。「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医として治療を行っている。HPで毎月、体験記、旬野菜の糖質オフレシピなど情報満載の院内紙を公開中。
■「睡眠時無呼吸症候群」とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が狭くなり、呼吸が10秒以上止まることを繰り返す病気である。一晩に5回以上呼吸が止まる場合は、睡眠時無呼吸症候群の診断基準を満たすとされる。呼吸が止まると血中の酸素濃度が低下し、脳や心臓に負担がかかる。また狭い気道を空気が通ることで、いびきなどの音が発生する。このように、睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を低下させるだけでなく、生命にも危険を及ぼす病気である。
高血圧:無呼吸により身体にストレスがかかり、交感神経が活性化すると血圧が上昇する。高血圧は、心臓や脳血管の障害のリスクを高める。
心筋梗塞:心臓に十分な酸素が届かないと、心筋細胞が障害されて心筋梗塞や不整脈などの重篤な合併症を引き起こす。
脳卒中:脳に十分な酸素が届かないと、脳卒中を引き起こしやすくなる。脳卒中は、失語や麻痺などの後遺症を残す。
糖尿病:睡眠時無呼吸症候群では、交感神経の活性化により血糖値が上昇しやすくなる。
これらの合併症は、生活の質を低下させるだけでなく、死亡率も高める。実際に、睡眠時無呼吸症候群患者の死亡率は、正常な睡眠者の約2〜3倍にのぼることが報告されている。睡眠時無呼吸症候群は、見過ごしてはならない怖い病気であると言えるだろう。
■「睡眠時無呼吸症候群」の原因
睡眠時無呼吸症候群になる原因は、個人差があるが、以下のような要因が関係していると考えられる。
解剖学的な要因:気道の形や大きさ、顎の位置、舌や扁桃腺の大きさなどが、気道の狭窄や閉塞を引き起こす。特に、肥満や加齢によって舌や軟口蓋が弛緩すると、気道が塞がりやすくなる。
生活習慣の要因:喫煙や飲酒、睡眠不足、ストレスなどが、気道の炎症や浮腫を招く。また、仰向けに寝ると、重力の影響で舌や顎が後方に下がり、気道を圧迫する。
病的な要因:アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、甲状腺機能低下症などの内分泌系の疾患、神経筋系の疾患が、気道の通気性や筋力に影響を与える。
これらの要因は、単独ではなく、複合的に作用して睡眠時無呼吸症候群を引き起こすと考えられる。したがって、睡眠時無呼吸症候群を予防や解消するためには、これらの要因に対して多角的にアプローチする必要がある。
■睡眠時無呼吸症候群の予防/解消法
睡眠時無呼吸症候群を予防や解消する方法は、原因に応じて異なるが、以下のような一般的な対策が有効であるとされる。
体重の管理:肥満は、気道の圧迫や内分泌系の障害を招く。体重を適正に保つことで、気道の通気性やホルモンのバランスを改善することができる。
喫煙や飲酒を控える:喫煙や飲酒は、気道の炎症や浮腫を引き起こす。特に、就寝前の飲酒は、咽頭筋の弛緩を促進し、気道の閉塞を悪化させる。喫煙や飲酒を控えめにすることで、気道の健康を保つことができる。
睡眠環境や姿勢の改善:睡眠環境は、睡眠の質に大きく影響する。温度や湿度、明るさや音などを快適に調整することが望ましい。また、姿勢も重要である。仰向けに寝ると、舌や顎が後方に下がり、気道を圧迫する。横向きやうつ伏せに寝ることで、気道の開放を促すことができる。
呼吸装置の使用:上記の対策だけでは効果が不十分な場合は、医師の指示に従って呼吸装置を使用することが必要である。呼吸装置とは、睡眠中に鼻や口から空気を送り込む装置である。代表的なものは、シーパップ(CPAP)という装置である。シーパップは、気道内に一定の圧力をかけて閉塞を防ぐことで、呼吸が止まらないようにする。シーパップは、睡眠時無呼吸症候群の治療法として最も有効であると言われている。
【専門医からのコメント】
睡眠時無呼吸症候群は身近な疾患ですが、致死的な不整脈や突然死のリスクとなる恐ろしさがあります。ご家族から就寝中のいびき、無呼吸が指摘される、あるいは日中に強い眠気や倦怠感がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。自宅で行える検査もあるため、不安な時は医療機関で相談しましょう。
【監修者プロフィール】
田中祐希(たなか・ゆうき)
糖尿病専門医で三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長。「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医として治療を行っている。HPで毎月、体験記、旬野菜の糖質オフレシピなど情報満載の院内紙を公開中。
2023/11/08