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スタジオジブリ、後継者問題に長く悩む 宮崎駿監督の長男「一人でジブリを背負うことは難しい」日テレ子会社化の経緯説明

 日本テレビ放送網株式会社(以下、「日本テレビ」)は21日、株式会社スタジオジブリ(以下、「スタジオジブリ」)の株式を取得し、子会社化することを発表した。スタジオジブリも同日の取締役会で日本テレビへの株式譲渡の承認を決議している。

(左から)日本テレビ 代表取締役会長執行役員の杉山美邦、スタジオジブリ代表取締役社長の鈴木敏夫

(左から)日本テレビ 代表取締役会長執行役員の杉山美邦、スタジオジブリ代表取締役社長の鈴木敏夫

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 株式の取得の理由は、日本テレビは1985年に『風の谷のナウシカ』(1984年、宮崎駿監督)をテレビ初放送して以来、映画番組「金曜ロードショー」を通じてスタジオジブリ作品を放送し続けてきた。

 『魔女の宅急便』(1989年、宮崎駿監督)からは映画製作に出資したのをはじめ、2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」の設立を支援するなど、長年にわたってスタジオジブリと歩みを共にし、スタジオジブリは、国内はもとより、海外でも多くの人に愛される作品を生み出してきた。

スタジオジブリ代表取締役社長の鈴木敏夫氏、日本テレビ代表取締役会長執行役員の杉山美邦氏(C)ORICON NewS inc.

スタジオジブリ代表取締役社長の鈴木敏夫氏、日本テレビ代表取締役会長執行役員の杉山美邦氏(C)ORICON NewS inc.

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 そこで日本テレビは、この世界に誇るスタジオをこれまで以上に支援することが、日本テレビグループ全体の企業価値向上に資すると考え、同社の株式取得を決定。日本テレビは、スタジオジブリの議決権の42.3%を自己の計算において所有することとなり、かつ、スタジオジブリの経営面をサポートする契約を締結することにより、同社を子会社化する。

 想定されるシナジーとして、株式取得を通じて経営面をサポートすることで、スタジオジブリはこれまで以上に「もの作り」に専念していくことが可能となり、新たな作品を生み出す土壌ができると説明。「作品を大事にする」というスタジオジブリの価値観を尊重し続けてきた日本テレビだからこそ、今後もそのブランドの価値を永続的に守り続けていくことができるという。

 また、スタジオジブリ側は、スタジオジブリは、今年7月、宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』を7年の歳月をかけて完成させ、劇場公開し大ヒット。そんなスタジオジブリだが、「監督宮崎駿は82才、プロデューサーの鈴木敏夫も75才となり、長らく悩んできたのが後継者問題です」と説明。

 「これまで、スタジオジブリを受け継ぐものとしては、創業者である宮崎駿監督の長男であり、自らもアニメーション映画監督である宮崎吾朗の名前が何度か候補に上がってきました。しかし、宮崎吾朗自身としては、「一人でジブリを背負うことは難しい、会社の将来については他に任せた方が良い」との考えから、それを固辞してきました」を打ち明けた。

 「そのため、スタジオジブリでは経営を誰かに任せられないかと、その候補を巡って様々に検討してきました。そのような経緯を経て、先般、永年にわたり親しく付き合いのあった日本テレビとスタジオジブリの間で話し合いが始まったのでした」とスタジオジブリが日本テレビの子会社となる経緯を説明した。

 「日本テレビはスタジオジブリの自主性を尊重し、スタジオジブリは今後ともアニメーション映画の制作、ならびにジブリ美術館、ジブリパークの運営に専念していく所存です。皆様におかれましては、新生スタジオジブリの活動をこれまで以上にご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします」と呼びかけた。

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  1. 1. スタジオジブリ、後継者問題に長く悩む 宮崎駿監督の長男「一人でジブリを背負うことは難しい」日テレ子会社化の経緯説明
  2. 2. スタジオジブリ鈴木敏夫P『君たちはどう生きるか』「ちゃんと採算とれました」

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