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塚本晋也監督『ほかげ』ベネチア国際映画祭にて最優秀アジア映画賞受賞 審査員「このような映画は観たことがない」と絶賛

 イタリアで開催中の「第80回べネチア国際映画祭」(8月30日〜9月9日)オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品され、ワールドプレミア上映を行った塚本晋也監督の最新作『ほかげ』が、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞したことが現地時間8日に発表された。

「第80回べネチア国際映画祭」オリゾンティ・コンペティション部門に出品された塚本晋也監督(右)『ほかげ』がNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞

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 オリゾンティ・コンペティション部門は、新鮮で革新的な作品で構成。塚本監督作品が同映画祭に選出されるのは、『斬、』以来5年ぶり、9度目だった。今回、受賞したNETPAC賞は、1990年にアジア各国の良質な作品や優秀な若き映画製作者を世界に広めるために設立された国際団体であるNETPAC(正式名称:Network for the Promotion of Asian Cinema)の審査員により選ばれ、最優秀アジア映画賞として世界の60以上もの映画祭に設けられている。べネチア国際映画祭でNETPAC賞が授与されたのは、ジャ・ジャンク―監督『プラットホーム』(2000年)、ババク・パヤミ監督『1票のラブレター』(01年)、ゲラ・バブルアニ監督『13 ザメッティ』(05年)に続き4度目で、日本人監督の受賞は初となる。

 現地時間5日の夕方に行われたワールドプレミアには、塚本監督と物語の狂言回しとなる戦争孤児を演じた塚尾桜雅、片腕が動かない謎の男役の森山未來が登壇。上映後には、場内から惜しみない拍手と歓声と共に約8分間のスタンディングオベーションが巻き起こり、熱気に包まれた会場と超満員の観客からは同作への評価の高さがうかがえた。

 NETPAC賞の審査員長を務めた、ザキール・ホセイン・ラジュ氏は「第80回べネチア国際映画祭にて、一番感動した映画として『ほかげ』を選出いたしました。ただの映画としてではなく、戦後の映画として人と人の関係が変わっていく様子などを映画的に、閉所な空間で衣装やセット、メイクなどでみせていく。あまりこのような映画は観たことがなかった」と称賛。

 NETPAC賞の受賞に寄せて、塚本監督は、「生まれたばかりで、まだどんな反応かわからないこの映画に対して、最初の評価みたいなものをいただけてホッとしました。一番にスタッフに伝えたいです」と喜びのコメントを寄せた。

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