マーベル・スタジオの『シークレット・インベージョン』（全6話）が、動画配信サービス「Disney+（ディズニープラス）」 で全話見放題配信中。“アベンジャーズの創設者”で、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーらと比較してもほぼ同数のMCU（マーベル・シネマティック・ユニバース）作品に登場し、“キャプテン・マーベル”の新たな物語『マーベルズ』（11月10日公開）にも登場するニック・フューリー（演：サミュエル・L.ジャクソン）が主人公。日本語吹き替えは俳優の竹中直人が務めている。

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　竹中がニック・フューリーを演じるのは、
『アベンジャーズ』（2012年）
『エージェント・オブ・シールド』（14年※ドラマ）
『キャプテン・アメリカ／ウィンター・ソルジャー』（14年）
『アベンジャーズ／エイジ・オブ・ウルトロン』（15年）
『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』（18年）
『キャプテン・マーベル』（19年）
『スパイダーマン：ファー・フロム・ホーム』（19年）
そして、『シークレット・インベージョン』で8作目。

――初めてニック・フューリーを演じてから11年も経っていますが、オファーされた時のことは覚えていますか？

【竹中】はい。ニック・フューリーの吹き替えのお話をいただいた時は、想像もしていなかったことなので、とてもうれしかったです。自分以外の人間になれる俳優や声優の仕事は子どもの頃からの憧れでした。そして、コスチュームデザインにも常にひかれます。真っ黒なロングコートにアイパッチ姿のニック・フューリー、そして、あのサミュエル・L.ジャクソンになれるなんて！

――声の仕事の魅力とは？

【竹中】子どもの頃、吹き替えで見ていた海外ドラマはオリジナルの声よりも吹き替えがオリジナルを超えていました。例えば『刑事コロンボ』のピーター・フォークの吹き替えは小池朝雄さんがやられていました。僕の中ではピーター・フォークの声は小池さんの声だと思い込んでいたんです。ところが！　ピーター・フォーク主演の映画『カリフォルニア・ドールズ』（1981年）を映画館で見た時、愕然としたんです。「声が全然違う！　ピーター・フォークじゃない！」と。本当はご本人の声なのに…。でもそれくらい声によって別人に思えてしまう。声優という仕事は責任重大だ、ということは子ども心に刷り込まれていました。

　自分がまさかサミュエルの吹き替えをやるなんて！　サミュエルの吹き替えを担当されている声優の方がほかにもいらっしゃるので、始めは「僕でいいのだろうか？」という不安もありました。しかし、MCU作品でニックの声をずっと担当させていただく事に…。毎回とても緊張します。見る人それぞれに、サミュエルの吹き替えはこの人！というのがあるはずだし、「サミュエルのイメージと全然違うんだよ！」と思われたら作品を台無しにしてしまいますからね。声優の仕事はとても繊細な仕事だと思います。

――ニック・フューリーといえば、サミュエル・L.ジャクソン、吹き替えは竹中さん、というイメージが浸透しましたね。

【竹中】そういっていただけるとうれしいです。スタッフの皆さん、僕を選んでくださり本当にありがとうございます。でも、責任は重大です。サミュエルの呼吸の深さやため息、ふと漏れるちょっとした息づかいも吹き替えるわけですからね。とんでもない経験を毎回させていただいています。

■さかのぼる前に見るべし！　見てからさかのぼれ！

――しかも、ニックが主役のドラマができるとは…。

【竹中】絶対今回はぼくじゃないと思っていたのでびっくり。全6話はあっという間でした。もっともっとやりたかったです。

――映画『スパイダーマン：ファー・フロム・ホーム』で、『エンドゲーム』後、ニック・フューリーは宇宙の基地にいることが明かされていましたが、その後、地球で何が起きようとも、ニックは宇宙の基地に引きこもっていた。そんなニック・フューリーを地球に連れ戻すことになる事件が、『シークレット・インベージョン』で描かれました。

【竹中】地球に戻ってきたニックは、トレードマークのアイパッチも付けていないし、黒のロングコートも着ていません。毛糸の帽子を被り、服装も地味です。そして今回はニックの老いも表現されています。えっ（？）これがあのニック・フューリー（?!）という感じでした。

――『シークレット・インベージョン』では、映画『キャプテン・マーベル』で初めて地球を訪れたスクラル人たちによる“シークレット・インベージョン（地球侵略計画）”が進行。“擬態”できる能力を持つスクラル人たちは、ひそかに諸国の要人に成り代わり、各地で戦いを仕掛け、人類が滅亡の危機に晒されていることを知ったフューリーが、かつて信じた仲間もスクラル人による擬態かもしれないという疑いの中、ひとり立ち向かうストーリーです。MCUファンはすでに視聴済みだと思うのですが、新参者がいきなり『シークレット・インベージョン』を見るのはハードルが高いでしょうか？

【竹中】MCU作品は全部がつながっているので、いきなり『シークレット・インベージョン』から見始めるのは難しいかもしれないですよね。せめてニックが登場する7作品は見ておいた方がいいと思います。いや！　いきなり『シークレット・インベージョン』から見ても面白いと思います！　今までの作品とは全く世界観が違うしね。それに今は説明過多な作品も多いから、これはいったい何なんだ（?!）という未知の体験を楽しみつつ、謎を探っていくってのも良いと思います！　MCUのヒーローが登場する作品とは全くタイプが違う作品なので、逆に入り込み安いのではないでしょうか！　試してみる価値は絶対あります！　MCU作品をさかのぼる前に、まずは『シークレット・インベージョン』を見るべし！　見てからさかのぼれ！　って感じですね。

――『シークレット・インベージョン』を見て、スクラル人ってなんなんだよ、と思ったら『キャプテン・マーベル』を見てもらえれば、11月10日公開予定の『マーベルズ』の予習にもなっていいかもしれないですね。最後に、これからのMCUに期待してることはありますか？

【竹中】それはもう、ニックがこれからも登場してくれることを願うばかりです。どこでどんな形で登場するのか、全く予想出来ないのがMCUですからね！　『キャプテン・マーベル』で若き日のニック・フューリーが登場した時も衝撃的でした。吹き替え収録も、「声を若くしてください」との演出でかなり苦労しました（笑）。

　『エンドゲーム』でのアイアンマンとブラック・ウィドウの死はとても悲しかった。キャプテン・アメリカは引退し、世代交代が進む中、ぼくとしてはこのままサミュエルがニックを演じ続けてほしいですが、衝撃的な展開が待ち構えているのがMCUです。これから一体どうなるのか…?!　ワクワクが止まりません、その感覚がたまらなく最高です!!

※本記事中に登場するMCU作品はすべてディズニープラスで配信中。