歌舞伎俳優の尾上右近が6日、都内で行われた尾上右近自主公演 第七回『研の會』の記者発表会に出席した。
『研の會』は、右近が2015年から取り組む自主公演で、これが七回目の開催となる。未経験の名作にあえて挑戦するのが見どころの1つで、今回は「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」と「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」に挑む。
発表会では右近は「『研の會』も今年で7回目となりました。今回は浅草公会堂に劇場を移しての開催です。演目は、広い劇場になったらやりたいと思っていた古典演目『夏祭浪花鑑』『京鹿子娘道成寺』を選ばせていただきました。いずれも私にとって思い出もありますし、初役でもあり、自主公演でなければこんな大変なことはできないというような充実した内容となっています」とあいさつ。『夏祭浪花鑑』については、自身も子供の頃からなじみがある演目だそうで「自分の中でこの演目は、お役と俳優さんがパチパチとハマらないとできないようなものです。今回はありがたい出演者に恵まれました」と喜んだ。
特に右近とは同世代で今回『研の會』初参加となる坂東巳之助について『研の會』の翌日が歌舞伎座の初日という強行スケジュールで出演することに触れ、「歌舞伎界でこれから新しい景色を一緒に見ていこうということを誓っている仲間だからこそ頼めたことであり、引き受けていただけたと思っています。『夏祭』をやりたいと思う中のかなりのパーセンテージで、一寸徳兵衛/三河屋義平次の二役を巳之助さんにやってほしいという気持ちがありました。ご本人も面白がってくださって、歌舞伎座の公演とも掛け合って出演していただけることになり、うれしかったです」と明かす。
『道成寺』については、「女形舞踊の中でも最高峰と言われる舞踊作品です。私もこの作品には度々、所化(修行中の僧)のお役で何度も出させていただいて、舞台の脇に座って(今回右近が演じる)白拍子花子の踊りを見て勉強してきました。とにかく体力勝負のお役でもありますが、音羽屋にとりましても縁の深い演目でもありますので、大事に大事に初役の白拍子花子を務めたいと思っています」と意気込む。初めての浅草公演については「浅草は、東京出身の僕にとって故郷が見つかったと思わせてくれた土地です。今回はその浅草の浅草公会堂での開催となり、キャパも広がって、客席数も増え、“新たな第一回”というつもりで挑ませていただきたいと思っています」と話した。
それぞれのけいこについて、『夏祭』は「幸四郎お兄さんに教えていただいて、最終的には白鸚のおじさまにもご覧いただくというお願いをさせていただいています。お辰は中村京蔵さんが先代の雀右衛門のおじさまのお辰の型を覚えていらっしゃるので、直接うかがって勉強させていただきます」という。『道成寺』は「藤間勘十郎先生に見ていただきます。勘十郎先生はいろいろな舞台でご一緒させていただいて、年がら年中お世話になっている方です」とした。
会見では特別版公演ポスターも披露。日本を代表する現代美術家・横尾忠則氏によるもので「普段、ポスターは自分のアイデアで製作しているのですが、今回は横尾忠則さんに直談判をして、特別につくっていただきました」とにっこり。きっかけは6月に出版された『尾上右近アーティスト対談集 右近vs8人』(PARCO出版)での対談。原稿チェックで本文に横尾氏が「右近さん、今度なにか一緒にお仕事をしましょうね」という一文を付け加えているのに気づき、右近も「じゃあ僕からなにかオファーさせていただいた時は、絶対にお断りしないでくださいね」と加えたそう。
「個人の公演で、横尾さんにポスターを作っていただきたいとお願いするのはなかなか勇気のいることだったのですが、このやりとりがあったのでお願いできました。ポスターを見たとき、横尾さんに自分の将来と今の自分をうらなっていただいたような感覚になりました。横尾忠則らしさ、僕らしさ、歌舞伎らしさ、現代らしさ、さまざまな“らしさ”が詰まったポスターを作っていただいたなと思います。一生の宝物です」と感慨深げだった。
さらにサプライズで、横尾氏からのメッセージも。その中の「この『研の會』が続く限り、お手伝いさせていただければうれしいですね」という一文を聞いた右近はハッと驚き、笑顔に。「この自主公演は特にそれを感じる瞬間が詰まっていますが、人と関わるということが人生においての財産だと思います」と語った。
質疑応答では、『夏祭』で右近が団七九郎兵衛とお辰の二役を演じることについて「十七代目中村勘三郎が浮かぶ」という記者から告げられると、右近は「勘三郎おじさまは憧れの俳優さんでとても尊敬していますし、『夏祭』は僕も勘三郎おじさまの印象が深いです」と明かす。この二役をやりたかった理由は「どちらもやりたかったというのがあります。私は立役女形両方勉強させていただいていますし、今は立役のお役をいただくことも増えてきましたが、やはり女形に対する愛情、愛着というものもある。だから両方やらせていただきたいなと思いました」と口にした。
尾上右近自主公演 第七回『研の會』は、8月2日、3日に浅草公会堂で行われる。
『研の會』は、右近が2015年から取り組む自主公演で、これが七回目の開催となる。未経験の名作にあえて挑戦するのが見どころの1つで、今回は「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」と「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」に挑む。
発表会では右近は「『研の會』も今年で7回目となりました。今回は浅草公会堂に劇場を移しての開催です。演目は、広い劇場になったらやりたいと思っていた古典演目『夏祭浪花鑑』『京鹿子娘道成寺』を選ばせていただきました。いずれも私にとって思い出もありますし、初役でもあり、自主公演でなければこんな大変なことはできないというような充実した内容となっています」とあいさつ。『夏祭浪花鑑』については、自身も子供の頃からなじみがある演目だそうで「自分の中でこの演目は、お役と俳優さんがパチパチとハマらないとできないようなものです。今回はありがたい出演者に恵まれました」と喜んだ。
特に右近とは同世代で今回『研の會』初参加となる坂東巳之助について『研の會』の翌日が歌舞伎座の初日という強行スケジュールで出演することに触れ、「歌舞伎界でこれから新しい景色を一緒に見ていこうということを誓っている仲間だからこそ頼めたことであり、引き受けていただけたと思っています。『夏祭』をやりたいと思う中のかなりのパーセンテージで、一寸徳兵衛/三河屋義平次の二役を巳之助さんにやってほしいという気持ちがありました。ご本人も面白がってくださって、歌舞伎座の公演とも掛け合って出演していただけることになり、うれしかったです」と明かす。
それぞれのけいこについて、『夏祭』は「幸四郎お兄さんに教えていただいて、最終的には白鸚のおじさまにもご覧いただくというお願いをさせていただいています。お辰は中村京蔵さんが先代の雀右衛門のおじさまのお辰の型を覚えていらっしゃるので、直接うかがって勉強させていただきます」という。『道成寺』は「藤間勘十郎先生に見ていただきます。勘十郎先生はいろいろな舞台でご一緒させていただいて、年がら年中お世話になっている方です」とした。
会見では特別版公演ポスターも披露。日本を代表する現代美術家・横尾忠則氏によるもので「普段、ポスターは自分のアイデアで製作しているのですが、今回は横尾忠則さんに直談判をして、特別につくっていただきました」とにっこり。きっかけは6月に出版された『尾上右近アーティスト対談集 右近vs8人』(PARCO出版)での対談。原稿チェックで本文に横尾氏が「右近さん、今度なにか一緒にお仕事をしましょうね」という一文を付け加えているのに気づき、右近も「じゃあ僕からなにかオファーさせていただいた時は、絶対にお断りしないでくださいね」と加えたそう。
「個人の公演で、横尾さんにポスターを作っていただきたいとお願いするのはなかなか勇気のいることだったのですが、このやりとりがあったのでお願いできました。ポスターを見たとき、横尾さんに自分の将来と今の自分をうらなっていただいたような感覚になりました。横尾忠則らしさ、僕らしさ、歌舞伎らしさ、現代らしさ、さまざまな“らしさ”が詰まったポスターを作っていただいたなと思います。一生の宝物です」と感慨深げだった。
さらにサプライズで、横尾氏からのメッセージも。その中の「この『研の會』が続く限り、お手伝いさせていただければうれしいですね」という一文を聞いた右近はハッと驚き、笑顔に。「この自主公演は特にそれを感じる瞬間が詰まっていますが、人と関わるということが人生においての財産だと思います」と語った。
質疑応答では、『夏祭』で右近が団七九郎兵衛とお辰の二役を演じることについて「十七代目中村勘三郎が浮かぶ」という記者から告げられると、右近は「勘三郎おじさまは憧れの俳優さんでとても尊敬していますし、『夏祭』は僕も勘三郎おじさまの印象が深いです」と明かす。この二役をやりたかった理由は「どちらもやりたかったというのがあります。私は立役女形両方勉強させていただいていますし、今は立役のお役をいただくことも増えてきましたが、やはり女形に対する愛情、愛着というものもある。だから両方やらせていただきたいなと思いました」と口にした。
尾上右近自主公演 第七回『研の會』は、8月2日、3日に浅草公会堂で行われる。
2023/06/06