一般財団法人日本ファッション協会主催による「日本クリエイション大賞2022/第20回シネマ夢倶楽部表彰」の表彰式が28日に都内で開催され、「20周年記念賞」を受賞した映画監督の山田洋次氏(91)が出席した。
「シネマ夢倶楽部表彰」は、推薦委員より、毎年国内で公開された新作映画からベストシネマの上位3位を選定する「ベストシネマ賞」、映画を通して生活文化の発展などに貢献する活動に贈る「シネマ夢倶楽部賞」、新進気鋭の若い才能、意欲的な活動をした新世代に贈る「推薦委員特別賞」を選定し、表彰していている。今回は、シネマ夢倶楽部の事業活動20年の節目のメモリアル賞として「20周年記念賞」が設けられた。
山田監督はこの20年間に『武士の一分』(2006年)、『母べえ』(08年)、『おとうと』(10年)、『東京家族』(13年)、『小さいおうち』(14年)、『母と暮せば』(15年)、『家族はつらいよ』シリーズ(16年、17年、18年)、『男はつらいよ お帰り 寅さん』(19年)、『キネマの神様』(21年)とコンスタントに新作長編映画を撮り続けており、最新作『こんにちは、母さん』が9月1日に公開予定。
スピーチで山田監督は「僕が映画界に入ったのは1950年代後半。その頃の日本映画は本当に輝いていた。『羅生門』(1950年、黒澤明監督)、『東京物語』(53年、小津安二郎監督)、『雨月物語』(53年、溝口健二監督)といった世界の映画史に残る傑作が誕生した時代。世界中の映画人が日本の映画を仰ぎ見ていた。ましてやアジアにおいては、日本の映画人は手の届かない高みにあった。そういう時代があった。その頃のことを最近、よく思い出します」と日本映画の黄金期に触れ、「いまの日本の映画界は本当に厳しいところにある。このままでは本当に大きな危機が来ます。日本の映画はこんなことでいいのか、と。それはもう日本という国の問題だと思わずにはいられません」と、危機感をあらわにした。
そして、「日本映画界をなんとかしたい。もう一度、輝いていた時代に戻したい。そのために働きたいと思う」と意欲満々。製品、技術、激術・文化活動、地域振興、環境、福祉などジャンルを問わずクリエイティブな視点で生活文化の向上に貢献し、次代を切り開いた人物・事象などを表彰大賞としている「日本クレイション大賞」の受賞者などが集まった場で、「日本映画のためにお力添えいただきたい」と呼びかけていた。
■「第20回シネマ夢倶楽部表彰」一覧
ベストシネマ賞:
第1位『ある男』(監督:石川慶)
第2位『マイ・ブロークン・マリコ』(監督:タナダユキ)
第3位『ベルファスト』(監督:ケネス・ブラナー)
シネマ夢倶楽部賞:シアター・イメージフォーラム
推薦委員特別賞:早川千絵(脚本・監督:『PLAN75』)、伊東蒼(出演:『さがす』)、磯村勇斗(出演:『PLAN75』)
20周年記念賞:山田洋次(映画監督)、安藤サクラ(俳優)
第15回東京新聞映画賞:『土を喰らう十二カ月』(監督:中江裕司)
「シネマ夢倶楽部表彰」は、推薦委員より、毎年国内で公開された新作映画からベストシネマの上位3位を選定する「ベストシネマ賞」、映画を通して生活文化の発展などに貢献する活動に贈る「シネマ夢倶楽部賞」、新進気鋭の若い才能、意欲的な活動をした新世代に贈る「推薦委員特別賞」を選定し、表彰していている。今回は、シネマ夢倶楽部の事業活動20年の節目のメモリアル賞として「20周年記念賞」が設けられた。
山田監督はこの20年間に『武士の一分』(2006年)、『母べえ』(08年)、『おとうと』(10年)、『東京家族』(13年)、『小さいおうち』(14年)、『母と暮せば』(15年)、『家族はつらいよ』シリーズ(16年、17年、18年)、『男はつらいよ お帰り 寅さん』(19年)、『キネマの神様』(21年)とコンスタントに新作長編映画を撮り続けており、最新作『こんにちは、母さん』が9月1日に公開予定。
スピーチで山田監督は「僕が映画界に入ったのは1950年代後半。その頃の日本映画は本当に輝いていた。『羅生門』(1950年、黒澤明監督)、『東京物語』(53年、小津安二郎監督)、『雨月物語』(53年、溝口健二監督)といった世界の映画史に残る傑作が誕生した時代。世界中の映画人が日本の映画を仰ぎ見ていた。ましてやアジアにおいては、日本の映画人は手の届かない高みにあった。そういう時代があった。その頃のことを最近、よく思い出します」と日本映画の黄金期に触れ、「いまの日本の映画界は本当に厳しいところにある。このままでは本当に大きな危機が来ます。日本の映画はこんなことでいいのか、と。それはもう日本という国の問題だと思わずにはいられません」と、危機感をあらわにした。
そして、「日本映画界をなんとかしたい。もう一度、輝いていた時代に戻したい。そのために働きたいと思う」と意欲満々。製品、技術、激術・文化活動、地域振興、環境、福祉などジャンルを問わずクリエイティブな視点で生活文化の向上に貢献し、次代を切り開いた人物・事象などを表彰大賞としている「日本クレイション大賞」の受賞者などが集まった場で、「日本映画のためにお力添えいただきたい」と呼びかけていた。
■「第20回シネマ夢倶楽部表彰」一覧
ベストシネマ賞:
第1位『ある男』(監督:石川慶)
第2位『マイ・ブロークン・マリコ』(監督:タナダユキ)
第3位『ベルファスト』(監督:ケネス・ブラナー)
シネマ夢倶楽部賞:シアター・イメージフォーラム
推薦委員特別賞:早川千絵(脚本・監督:『PLAN75』)、伊東蒼(出演:『さがす』)、磯村勇斗(出演:『PLAN75』)
20周年記念賞:山田洋次(映画監督)、安藤サクラ(俳優)
第15回東京新聞映画賞:『土を喰らう十二カ月』(監督:中江裕司)
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2023/03/28