東京・渋谷ユーロスペースのたった1館で今月4日(土)から上映が始まった映画『茶飲友達』が、『カメラを止めるな!』(2017年)ブームの再来を予感させる反響をみせている。きのう14日時点で25館まで公開劇場が決定し、今後、横浜、名古屋、大阪、福岡などで順次公開される。
同映画は、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された事件をもとに、外山文治監督がオリジナル脚本で、超高齢化社化会の現代日本が抱える閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を描いた社会派群像劇。
初日初回から連続5回満席となるスタートを切り、1日3回の上映ながら、土日2日間の成績は動員715人、興行収入110万円をあげた。客層は幅広く、男女比は6:4。その後、平日もシニア層を中心に動員し、公開2週目の週末(11日、12日)も連日満席だったという。
『カメラを止めるな!』と同じENBUゼミナールのシネマプロジェクト第10弾として製作され、主演の岡本玲をはじめ、ワークショップオーディションの応募総数677人の中から選ばれた33人(年齢差57歳)のキャストが参加。撮影前に行われたクラウドファンディングでは、制作応援サポーター767人、目標額をはるかに超える800万円超が集まるなど、インディーズ映画ファンの間では注目を集めていた。
カメ止めブームの“シニア版”ともいうべき今回の反響を受けて、ユーロスペース・北條誠人支配人は「どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと言われた層がちゃんと動いているという驚き。私たちが頭で理解していることを映画はものの見事に裏切っていきます」とコメントを寄せ、驚きを隠せない様子だ。
■北條誠人氏(ユーロスペース支配人)のコメント(全文)
コロナ禍がシネコン、ミニシアター問わずに残したものは、シニア層の観客が劇場に戻ってこなくなったことです。その影響を受け、東京で最も古い歴史をもつ岩波ホールが昨年7月に閉館しました。映画連盟が発表した2022年の興行収入は前年比131.6%まで取り戻し、史上最高の興行収入を得た2019年の89%まで取り戻しました。それはアニメ作品のいままでにない大ヒットが支えた数字で、ミニシアターにはその余波の影響はありません。
『茶飲友達』が描くのは高齢者のセックス産業です。ですから、正直、どれだけシニア層が『茶飲友達』を観に来てくださるのだろうかと心配はしていました。コロナ禍の出控えと高齢者のセックス産業の可視化。
実際に初日を迎えて、ワークショップに参加された役者さんたちが引っ張ってきたお客さん以上に、予想を超えるシニア層がいらして驚きました。男性のひとり客と女性のふたり連れが圧倒的に占めています。渋谷という街が若者の街ということもあり、またユーロスペースの劇場カラーが若いお客さんに支えられているミニシアターとしては珍しいスタンスのゆえ、正直一番予想できない層が初日から2日目の毎回満席にして平日月曜日の初回も満席近くになってびっくりしました。
どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと言われた層がちゃんと動いているという驚き。私たちが頭で理解していることを映画はものの見事に裏切っていきます。自分たちの好奇心に応えてくれる映画にはきちんと足を運んでくれる姿をみて、コロナと共に生きていくことになるこれからのビジネスについて、考えを新たにした次第です。自分たちの好奇心から社会の関心へ『茶飲友達』が動き出したようです。
同映画は、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された事件をもとに、外山文治監督がオリジナル脚本で、超高齢化社化会の現代日本が抱える閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を描いた社会派群像劇。
『カメラを止めるな!』と同じENBUゼミナールのシネマプロジェクト第10弾として製作され、主演の岡本玲をはじめ、ワークショップオーディションの応募総数677人の中から選ばれた33人(年齢差57歳)のキャストが参加。撮影前に行われたクラウドファンディングでは、制作応援サポーター767人、目標額をはるかに超える800万円超が集まるなど、インディーズ映画ファンの間では注目を集めていた。
カメ止めブームの“シニア版”ともいうべき今回の反響を受けて、ユーロスペース・北條誠人支配人は「どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと言われた層がちゃんと動いているという驚き。私たちが頭で理解していることを映画はものの見事に裏切っていきます」とコメントを寄せ、驚きを隠せない様子だ。
■北條誠人氏(ユーロスペース支配人)のコメント(全文)
コロナ禍がシネコン、ミニシアター問わずに残したものは、シニア層の観客が劇場に戻ってこなくなったことです。その影響を受け、東京で最も古い歴史をもつ岩波ホールが昨年7月に閉館しました。映画連盟が発表した2022年の興行収入は前年比131.6%まで取り戻し、史上最高の興行収入を得た2019年の89%まで取り戻しました。それはアニメ作品のいままでにない大ヒットが支えた数字で、ミニシアターにはその余波の影響はありません。
『茶飲友達』が描くのは高齢者のセックス産業です。ですから、正直、どれだけシニア層が『茶飲友達』を観に来てくださるのだろうかと心配はしていました。コロナ禍の出控えと高齢者のセックス産業の可視化。
実際に初日を迎えて、ワークショップに参加された役者さんたちが引っ張ってきたお客さん以上に、予想を超えるシニア層がいらして驚きました。男性のひとり客と女性のふたり連れが圧倒的に占めています。渋谷という街が若者の街ということもあり、またユーロスペースの劇場カラーが若いお客さんに支えられているミニシアターとしては珍しいスタンスのゆえ、正直一番予想できない層が初日から2日目の毎回満席にして平日月曜日の初回も満席近くになってびっくりしました。
どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと言われた層がちゃんと動いているという驚き。私たちが頭で理解していることを映画はものの見事に裏切っていきます。自分たちの好奇心に応えてくれる映画にはきちんと足を運んでくれる姿をみて、コロナと共に生きていくことになるこれからのビジネスについて、考えを新たにした次第です。自分たちの好奇心から社会の関心へ『茶飲友達』が動き出したようです。
2023/02/15