俳優の坂口健太郎が主演を務める映画『サイド バイ サイド　隣にいる人』が、4月14日より劇場公開されることが発表された。共演は、乃木坂46からの卒業発表後、初の映画出演となる齋藤飛鳥。『世界の中心で、愛をさけぶ』（2004年）の脚本をはじめ、行定勲監督と数々の作品を作り出してきた伊藤ちひろが脚本を書き下ろし、監督も務めたオリジナル作品となる。

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　伊藤監督は「これは坂口健太郎さんの持つ圧倒的な透明感に魅了されてできた作品」と言い切る。『サイド バイ サイド』＝隣同士で／一緒に、という題名を冠した同映画は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。坂口が演じるのは、そこに存在しない“誰かの想い”が見える、不思議な力を持ち、傷ついた人を癒す青年・未山。

　その不思議な力で身体の不調に悩む人や、トラウマを 抱えた人を癒やし、周囲と寄り添いながら、恋人で看護師の詩織（市川実日子）とその娘・美々（読み：みみ／磯村アメリ）と静かに暮らしていた。そんな未山はある日、これまで体感したものとは異質の強い想いを感じ始める。

　それは、高校時代の後輩で、遠く離れた東京で活躍するミュージシャン・草鹿（浅香航大）のものだった。その真意を確かめるため、彼のライブ会場に足を運び、草鹿と対面を果たす。重い口を開いた草鹿から過去に未山と恋人・莉子（齋藤）が遭遇した事件の顛（てん）末を明かされ、それ以来一度も会うことがなかった莉子と再会を果たすことに。彼女の存在によって未山の秘密がひも解かれていく。 彼は一体、どこから来た何者なのかー？

　童話『幸福の王子』を彷彿とさせ、柔らかくも神秘的な雰囲気の主人公を演じた坂口は、「登場人物それぞれに、未山という像があり、どれも真実でどれも嘘のような、彼が何者なのかをみんなで模索し、答えを導き出す旅をしているような不思議な体験でした。この作品ならではの世界観に浸ってもらえるとうれしいです」と振り返る。

　企画・プロデュースの行定は「坂口健太郎演じる主人公の未山くんは、無口で透明感のある風貌とその佇まいだけでひきつけられる圧倒的な魅力があった」と太鼓判。

　未山の前から姿を消していた元恋人・莉子を演じる齋藤は「わかるような、わからないような。わかりたいようで、わかりたくないような。曖昧で切なくて、美しい体験をさせていただきました。見てくださるみなさんにも、そんな体験が待っていますように」とコメントを寄せた。

　どこからともなく現れ、人々の心と身体を癒す未山は一体何者なのか？　気配。体温。恋心。触れられないのに、すぐ近くに感じる――やがて誰も知らなかった彼の秘密が明らかになっていくとき、思いがけないラストが訪れる。

　伊藤監督は「自分の隣にはいま誰がいるのか、これまで誰が隣にいたか、人生を振り返ったらどんなひとのいくつの横顔が浮かぶのか、そして誰にいてほしいと感じるのか。距離感の取り方を意識する時代のなかで、そういったことを、ふと考えます。素晴らしい演者の方々の色鮮やかな感性の力により、その隣にいるさまざまな関係を豊かにつくっていくことができました」と手応えを語っている。