人気グループ・Hey! Say! JUMPの山田涼介(29)主演による、映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』が5月20日、6月24日にそれぞれ公開を迎える。2017年12月に実写映画化された『鋼の錬金術師』の続編で、原作最終話までを描く完結編がついに完成した。エドワード・エルリックという人気キャラクターかつ絶対的な主人公を演じた山田は「その役はその時にしか生きていない」と今は距離を置きながらも、「エドとして生きた証」だという今作の撮影を振り返った。
2001年に月刊『少年ガンガン』(スクエア・エニックス刊)で連載がスタートし、全世界シリーズ累計8000万部を超える大人気漫画『鋼の錬金術師』は、錬金術で禁忌とされる人体錬成を行った2人の兄弟・エドワードとアルフォンスの物語。絶望の淵に立たされながらも、失った身体を取り戻そうと決意した兄弟の冒険と成長を描いたダーク・ファンタジー。アクションや人間ドラマなどさまざまな要素を取り入れながら怒とうのラストまでを駆け抜ける。
かねてから「チャンスがあれば完結まで演じたいと強く思っていた」と語っていた山田。「4年空いちゃいましたが、パート1が終わっても『いつかやるだろうな』と思っていました。技術的に制作が難しい作品でもあるので、いろいろな準備が整うのに時間がかかるだろうな、というのは演者としてわかっていた部分。このタイミングなんだなと、むしろ早かったかもしれません」と続編決定時の率直な印象を明かす。
「クランクイン前には週4から5日を半年間、毎日仕事をしながらトレーニングにも取り組んでいました。その期間も別のドラマの撮影をしていたので、すごいスケジュール。朝5時、6時には起きて夜中まで撮影して深夜にジムに行き、2時間トレーニングしてドラマの現場に行って…それを半年間繰り返していました。大変でしたね」。
淡々と語りながらも相変わらずのストイックぶり。撮影には1ヶ月ほど遅れての参加となったが「『帰ってきたな』『始まるんだな』という気持ちでした」と清々しい気持ちで臨んだという。「逆に迎え入れられたというか『やっと来たのかよ〜』『遅れてごめん〜(笑)』みたいな雰囲気でした。スタッフさんが迎え入れてくださったおかげで初日からエドになれたな、という感覚でした」とすぐに自分の中の“エド”と再会したという。
「魔法は、自分の体を動かすというより手でなにかを操作することが多いと思うんですけど、“錬金術”の場合は自分が錬成したものに乗って攻撃することや、プラスアルファでなにかをすることが多いので、自分が錬成したものの想像をたくさんしないといけない。例えば柱に乗っていて家にぶつかって、この角度で落ちてきます…など、自分で計算式を立てないといけないのは大変だな、と思います。現場ではなにもないところで手を合わせているんですけど、想像力を豊かにし、自分で規模感を決めて演じることは意識しています」。
身一つのようで実は緻密な計算をしながら作り上げた多彩なアクションシーンは言わずもがな今作の大きな要となっている。
■ベテランから若手までそろった現場でも“フラット”「エドはそういう人」
今作からはエドの命を狙う、スカーを演じる新田真剣佑、東の大国シンよりやってきたシン国第十二皇子のリン・ヤオ役の渡邊圭祐、リンの臣下ランファン役の黒島結菜、そしてアメストリス軍の大総統キング・ブラッドレイ役の舘ひろし、エルリック兄弟の父親であり完結編で最も重要な鍵を握るヴァン・ホーエンハイム、そしてホムンクルスの生みの親でもある“お父様”役の内野聖陽といった面々が参加。
新たなキャストが多く加わるなか山田自身はパート1と比べると曽利文彦監督との意思疎通もスムーズになったという。「戸惑いみたいなものは一切なかったです。今回は、すでに撮影スタイルがわかっていたので、監督と話す内容もだいぶスタイリッシュでした。『僕の想像だとこれくらいの規模感の爆発なんですけど…』と確認することもなく、監督の負担も減ったんじゃないかと思うし、やりやすさの面でも、全然違いました」。
そういったことから、新キャストと監督の間に立ってコミュニケーションの手助けをすることもあった。「内野さんとは現場でご一緒するとき、親子役として近い距離感でお話しさせていただくことが多かったです。キャストが大勢いるなか、監督が一人だと、絵コンテだけでは伝わらない部分を、みなさんに伝えることが難しい。僕が内野さんに『ここは、オーバーに演じても大丈夫だと思います』など、イメージを共有していました」。
「マッケン(真剣佑)はスカーというパート2のメインであるキャラクターを演じることに戸惑いも感じられて、そこで僕が経験者としてアドバイスできることはさせてもらいましたし、マッケン自身、お芝居もアクションもできる役者さんなので負けないように食らいつかなければと思いました。(渡邊圭祐は)おもしろいヤツですね(笑)。くだらない話もいっぱいしました。この作品が初共演で『なんだ、このイケメンは』という感じで、でも中身はおもしろいから、いいな、この子…ってプロデューサー目線でした(笑)」。
ベテランから若手まで幅広い世代の役者がそろったことで現場は「不思議な空間」と驚きつつも、その“中心”に自分がいることについては「なにも考えないです。エドはそういう人なので」ときっぱり。「山田涼介として立っていたら『どうしよう』となるけど、現場ではあの姿でいるので何も思わない。緊張もしなければ、パート1で作り上げた空気感の現場でもあるので」と現場ではただ、“エド”として過ごしていたという。
山田にとって「気持ちが途切れることのなかった」という4年間。想い続けた“エド”はどんな存在なのか。
「僕にとって、エドはエドなんです。僕が演じたエドがそこにいるだけで、自分にとってどんな存在か、と言われると、どんな役でもその時“生きた証”としかいいようがない。もちろん特別な存在ではあるのですが、他の作品を演じる時にこの役を思い出すことはない。その役はその時にしか生きていないんです。その時にしか僕のなかでは生きてない。だからこうして改めて完成した映画を観てみると、ちょっとエモーショナルな気持ちになりますね。エドとして生きたんだな、とすごく思います」。どんな役柄も演じ終わった後は等しく距離を取る。だが、その言葉からは確かな達成感も感じ取れた。
2001年に月刊『少年ガンガン』(スクエア・エニックス刊)で連載がスタートし、全世界シリーズ累計8000万部を超える大人気漫画『鋼の錬金術師』は、錬金術で禁忌とされる人体錬成を行った2人の兄弟・エドワードとアルフォンスの物語。絶望の淵に立たされながらも、失った身体を取り戻そうと決意した兄弟の冒険と成長を描いたダーク・ファンタジー。アクションや人間ドラマなどさまざまな要素を取り入れながら怒とうのラストまでを駆け抜ける。
かねてから「チャンスがあれば完結まで演じたいと強く思っていた」と語っていた山田。「4年空いちゃいましたが、パート1が終わっても『いつかやるだろうな』と思っていました。技術的に制作が難しい作品でもあるので、いろいろな準備が整うのに時間がかかるだろうな、というのは演者としてわかっていた部分。このタイミングなんだなと、むしろ早かったかもしれません」と続編決定時の率直な印象を明かす。
「クランクイン前には週4から5日を半年間、毎日仕事をしながらトレーニングにも取り組んでいました。その期間も別のドラマの撮影をしていたので、すごいスケジュール。朝5時、6時には起きて夜中まで撮影して深夜にジムに行き、2時間トレーニングしてドラマの現場に行って…それを半年間繰り返していました。大変でしたね」。
淡々と語りながらも相変わらずのストイックぶり。撮影には1ヶ月ほど遅れての参加となったが「『帰ってきたな』『始まるんだな』という気持ちでした」と清々しい気持ちで臨んだという。「逆に迎え入れられたというか『やっと来たのかよ〜』『遅れてごめん〜(笑)』みたいな雰囲気でした。スタッフさんが迎え入れてくださったおかげで初日からエドになれたな、という感覚でした」とすぐに自分の中の“エド”と再会したという。
「魔法は、自分の体を動かすというより手でなにかを操作することが多いと思うんですけど、“錬金術”の場合は自分が錬成したものに乗って攻撃することや、プラスアルファでなにかをすることが多いので、自分が錬成したものの想像をたくさんしないといけない。例えば柱に乗っていて家にぶつかって、この角度で落ちてきます…など、自分で計算式を立てないといけないのは大変だな、と思います。現場ではなにもないところで手を合わせているんですけど、想像力を豊かにし、自分で規模感を決めて演じることは意識しています」。
身一つのようで実は緻密な計算をしながら作り上げた多彩なアクションシーンは言わずもがな今作の大きな要となっている。
■ベテランから若手までそろった現場でも“フラット”「エドはそういう人」
今作からはエドの命を狙う、スカーを演じる新田真剣佑、東の大国シンよりやってきたシン国第十二皇子のリン・ヤオ役の渡邊圭祐、リンの臣下ランファン役の黒島結菜、そしてアメストリス軍の大総統キング・ブラッドレイ役の舘ひろし、エルリック兄弟の父親であり完結編で最も重要な鍵を握るヴァン・ホーエンハイム、そしてホムンクルスの生みの親でもある“お父様”役の内野聖陽といった面々が参加。
新たなキャストが多く加わるなか山田自身はパート1と比べると曽利文彦監督との意思疎通もスムーズになったという。「戸惑いみたいなものは一切なかったです。今回は、すでに撮影スタイルがわかっていたので、監督と話す内容もだいぶスタイリッシュでした。『僕の想像だとこれくらいの規模感の爆発なんですけど…』と確認することもなく、監督の負担も減ったんじゃないかと思うし、やりやすさの面でも、全然違いました」。
そういったことから、新キャストと監督の間に立ってコミュニケーションの手助けをすることもあった。「内野さんとは現場でご一緒するとき、親子役として近い距離感でお話しさせていただくことが多かったです。キャストが大勢いるなか、監督が一人だと、絵コンテだけでは伝わらない部分を、みなさんに伝えることが難しい。僕が内野さんに『ここは、オーバーに演じても大丈夫だと思います』など、イメージを共有していました」。
「マッケン(真剣佑)はスカーというパート2のメインであるキャラクターを演じることに戸惑いも感じられて、そこで僕が経験者としてアドバイスできることはさせてもらいましたし、マッケン自身、お芝居もアクションもできる役者さんなので負けないように食らいつかなければと思いました。(渡邊圭祐は)おもしろいヤツですね(笑)。くだらない話もいっぱいしました。この作品が初共演で『なんだ、このイケメンは』という感じで、でも中身はおもしろいから、いいな、この子…ってプロデューサー目線でした(笑)」。
ベテランから若手まで幅広い世代の役者がそろったことで現場は「不思議な空間」と驚きつつも、その“中心”に自分がいることについては「なにも考えないです。エドはそういう人なので」ときっぱり。「山田涼介として立っていたら『どうしよう』となるけど、現場ではあの姿でいるので何も思わない。緊張もしなければ、パート1で作り上げた空気感の現場でもあるので」と現場ではただ、“エド”として過ごしていたという。
山田にとって「気持ちが途切れることのなかった」という4年間。想い続けた“エド”はどんな存在なのか。
「僕にとって、エドはエドなんです。僕が演じたエドがそこにいるだけで、自分にとってどんな存在か、と言われると、どんな役でもその時“生きた証”としかいいようがない。もちろん特別な存在ではあるのですが、他の作品を演じる時にこの役を思い出すことはない。その役はその時にしか生きていないんです。その時にしか僕のなかでは生きてない。だからこうして改めて完成した映画を観てみると、ちょっとエモーショナルな気持ちになりますね。エドとして生きたんだな、とすごく思います」。どんな役柄も演じ終わった後は等しく距離を取る。だが、その言葉からは確かな達成感も感じ取れた。
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2022/05/17