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「ヨボヨボでも生き抜いた!」“おじい猫”に“おばあ猫”、ご長寿猫たちの幸せビフォーアフター

 NPO法人『ねこけん』には、数奇な運命をたどった年老いた猫が数多く保護されてくる。厳しい外の環境で暮らしていたり、飼い主から処分されそうになっていたり、その理由はさまざまだ。だが、そんな老猫たちにも、生きる権利がある。たとえヨボヨボになっても、ボロボロになっても、助けてくれる人がいる。ここでは、そんな老猫たちが保護によって見違えるように幸せになった姿を紹介したい。

押入れで13年生活、太陽の光を知らずずっと涙目だった彦爺(写真:ねこけんブログより)

押入れで13年生活、太陽の光を知らずずっと涙目だった彦爺(写真:ねこけんブログより)

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■13年間“押入れ”で生きた…光を知らなかった涙目の茶虎猫

 茶虎の老猫「彦摩呂」、通称「彦爺」は、13年間も押入れで暮らしていた猫。高齢夫婦に飼われていたが、夫が猫嫌いのため、妻は彦爺を押入れに隠して飼育をしていた。妻は保護活動にも関わってきた人で、決して虐待するつもりはなかったのだろう。だが、真っ暗な中で一歩も外に出ることのない13年は、彦爺をじわじわと蝕んでいった。

 ついに隠し通せなくなった妻が『ねこけん』に相談、彦爺は保護されることとなった。だが長年の押入れ生活が影響し、太陽の光に弱く、つねに涙目の状態が3〜4年続いたという。そんな彦爺だったが、ボランティアメンバーの献身的なお世話により、だんだんと自由な世界に慣れていき、いつしかすっかり保護部屋の人気者となった。『ねこけん』代表理事の溝上氏は、「愛情があればいいわけではない。ご飯だけでなく、猫ちゃんを健やかに育てる環境がとても大切」と思いを明かす。それから『ねこけん』で8年暮らし、彦爺が静かに旅立ったのは2020年7月のこと。『ねこけん』の保護猫でも最長老、21歳になっていた。

■別れ際に不思議な出来事を起こした、高齢だった公園の「ぬし」

 “公園の主”のように暮らしていた「ぬし」。人懐っこいその猫は、公園のベンチでゴロゴロしている保護された、高齢な白茶の猫だ。外生活が長かったにも関わらず、意外にも穏やかに保護猫生活を受け入れたぬし。病気のために投薬治療が行われたものの、別れのときはすぐにやってきてしまった。

 ぬしのお世話をしていたのは、ボランティアのATさん。亡くなるとき、「ぬし」は彼女に不思議な体験を残していった。危険な状態に陥り、病院を出たあたりで息を引き取ったというぬし。ATさんは家へ連れて帰ろうと車に乗り、自宅までの道順をナビで設定してから出発したという。すると、ナビはいつもと違う道を案内し、気がつくとぬしと出会った公園に着いていた。

 ぬしにとって、公園がどういう場所だったのかは今となってはわからない。しかし、ATさんのもとで幸せな生活をしていたからこそ、長らく暮らしていた公園にふらりと立ち寄ってみたくなったのだろう。ATさんをそこへ連れていきたかったのかもしれないし、ATさんなら付き合ってくれると思ったのかもしれない。

25歳には見えない、女性のおかげで幸せに暮らした三毛婆さん(写真:ねこけんブログより)

25歳には見えない、女性のおかげで幸せに暮らした三毛婆さん(写真:ねこけんブログより)

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 長い間、餌やりさんからご飯をもらいながら公園で暮らしていた「花子」。高齢でありながら、公園のトイレの横、ダンボールの物陰で眠る生活を送っていた。だが、そこは花子にとって決して安息の場所ではなかった。猫を追い立てる人から、危害を加えられそうになったこともあったという。

 そんな経緯もあって、花子は『ねこけん』で保護されることになった。これで安心して暮らせる…と思った矢先、花子に悪性腫瘍と転移が見つかった。花子の状態から、手術で取り除くことは不可能で、投薬治療が試みられた。せっかく保護されたものの、花子に長い時間はないかもしれない。だが、たとえ短かったとしても花子は今、穏やかに幸せに暮らしている。

■殺処分寸前の25歳の老猫を救った、6年間の仕送り

 25歳という大往生を遂げた「三毛婆さん」は、以前の飼い主から命を絶たれそうになったことがある。それを救ったのは、ドラッグストアで働く20歳くらいの女性だった。客である飼い主から猫の処分の話を聞いた彼女は、「三毛婆さん」を救うべく奔走。『ねこけん』にたどり着き、自身では飼うことができないものの「自分にはそれくらいしかできないから」と、保護費用として毎月5,000円を送ってくれたそうだ。

 彼女のおかげで、すでに19歳になっていた「三毛婆さん」は元気を取り戻し、目にも輝きが戻った。仕送りはその後6年、途絶えることなく続くことになる。20歳前後の女の子にとって、毎月5,000円の出費は厳しかったことだろう。そもそも、自分が飼っていた猫でもない。だが、たとえ一緒に暮らしていなくとも、彼女は間違いなく「三毛婆さん」の家族だったのだ。

 そんな愛情に支えられ、「三毛婆さん」は強く愛らしく、幸せに生き抜いた。息を引き取ったことを彼女に伝えると、「みなさまには感謝でいっぱいです。最後の仕送りをします。お花を買ってください」と、1万円を送ってくれた。静かに眠る三毛婆さんの傍らには、そのお金で買った花が優しく添えられたという。
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