是枝裕和が率い、西川美和が所属する映像制作者集団「分福」の若手監督・川和田恵真の商業映画デビュー作で、日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアのミックスという5ヶ国のマルチルーツを持つ嵐莉菜が在日クルド人の女子高生役で主演する映画『マイスモールランド』に、奥平大兼(18)が出演することが発表された。
埼玉には、約2000人のクルド人が住む地域があり、そこで幼い頃から育った17歳の女子高生サーリャ。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する。
在日外国人が、在留資格を失うと、働くことができなくなるばかりか、居住している地域を出ることができなくなる。そのためサーリャは、奥平が演じる東京に住む日本人の少年・聡太へ会いに行くことができなくなるというストーリー。
演技未経験で数百人の応募者の中からメインキャストに抜てきされ、映画『MOTHERマザー』で俳優デビューした奥平は、当時15歳。今年の第44回日本アカデ ミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの新人俳優賞を受賞し注目を集め、その反響から、続々とドラマ出演やCMなどが決まっていった。
本作にはオーディションで選ばれての参加となり、『MOTHER マザー』撮影時から2年ぶり(公開から1年ぶり)の映画撮影となった。
「(俳優として)映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました。久しぶりの映画の現場で、クランクインの直後は迷いがありました。『MOTHER マザー』の時は、何もわかっていなかったので、OKがかかると、ただ嬉しかったのですが、ドラマなどいろんな現場を経験したことで、自分の中で考え過ぎてしまったところがあって。でも現場で川和田監督とたくさんお話しして、監督が表現したいことをお聞きし理解することができたので、撮影が進んでいく中で、聡太として生きることができたと思います。撮影前に監督とお話したことなど、僕の趣味などを脚本に反映していただくこともあって、最後のほうは演じているのかわからなくなる瞬間もありました」と、コメントしている。
川和田監督は、「奥平くんとは、オーディションで出会いました。お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした。(奥平くんが)部屋を出る前にはもう、お願いしたいと心が決まっていました。撮影前から何度かお会いして、彼自身の物事をフラットに捉える視点や、自由に伸び伸びとした姿にも触発され、さらに脚本の内容も膨らみました。現場でも、とてもひたむきで、いつもお芝居のことを考えていた姿が心に残っています。不器用ながらも真っ直ぐな聡太という人間を、等身大で体現しきってくれたことに、とても救われました。今、この時、奥平くんを撮ることができて大変光栄です」と、回想している。
主演の嵐も17歳の現役・高校生。本作で本格的な演技が初となった嵐に対して奥平は「僕がこんなことを言うのもおこがましいですが、本番になると顔が変わります。初めての演技で、これだけオンオフ切り替えられるなんてすごいなと思いました」と、印象を語っている。
さらに、「クルドの方々の問題は、この脚本をいただくまで知らなかったです。撮影前に勉強はしないように監督から言われていたのですが、難民の問題については、ニュースから聞こえてくる遠い国のお話だと思っていましたが、日本でもこんなことがあるんだと、急に身近なこととして考えられるようになりました」と、話していた。
本作は企画段階で、2018年の釜山国際映画祭内にあり、映画の新企画やクリエイターを支援するイベント「ASIAN PROJECT MARKET(APM)」で、アルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。難民2世という題材をベースに、世界に開かれた新しい視点で、現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが “自分ごと”として受け入れられる普遍的な青春ドラマとして描く。
撮影は今年5月18日クランクインし、 6月8日クランクアップ。日仏共同制作となる本作は、共同制作となるフランスで最終の仕上げ作業を行っており、2022年初夏、全国公開予定。なお、ポスタービジュアルは、日本においても、立場によって越えられない国境が生まれることを表現しており、高校生の淡い恋心が、社会によって分断される切なさを伝えるものになっている。ポスターに表記されているテキストは「マイスモールランド」のクルド語表記。
埼玉には、約2000人のクルド人が住む地域があり、そこで幼い頃から育った17歳の女子高生サーリャ。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する。
在日外国人が、在留資格を失うと、働くことができなくなるばかりか、居住している地域を出ることができなくなる。そのためサーリャは、奥平が演じる東京に住む日本人の少年・聡太へ会いに行くことができなくなるというストーリー。
演技未経験で数百人の応募者の中からメインキャストに抜てきされ、映画『MOTHERマザー』で俳優デビューした奥平は、当時15歳。今年の第44回日本アカデ ミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの新人俳優賞を受賞し注目を集め、その反響から、続々とドラマ出演やCMなどが決まっていった。
本作にはオーディションで選ばれての参加となり、『MOTHER マザー』撮影時から2年ぶり(公開から1年ぶり)の映画撮影となった。
「(俳優として)映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました。久しぶりの映画の現場で、クランクインの直後は迷いがありました。『MOTHER マザー』の時は、何もわかっていなかったので、OKがかかると、ただ嬉しかったのですが、ドラマなどいろんな現場を経験したことで、自分の中で考え過ぎてしまったところがあって。でも現場で川和田監督とたくさんお話しして、監督が表現したいことをお聞きし理解することができたので、撮影が進んでいく中で、聡太として生きることができたと思います。撮影前に監督とお話したことなど、僕の趣味などを脚本に反映していただくこともあって、最後のほうは演じているのかわからなくなる瞬間もありました」と、コメントしている。
川和田監督は、「奥平くんとは、オーディションで出会いました。お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした。(奥平くんが)部屋を出る前にはもう、お願いしたいと心が決まっていました。撮影前から何度かお会いして、彼自身の物事をフラットに捉える視点や、自由に伸び伸びとした姿にも触発され、さらに脚本の内容も膨らみました。現場でも、とてもひたむきで、いつもお芝居のことを考えていた姿が心に残っています。不器用ながらも真っ直ぐな聡太という人間を、等身大で体現しきってくれたことに、とても救われました。今、この時、奥平くんを撮ることができて大変光栄です」と、回想している。
主演の嵐も17歳の現役・高校生。本作で本格的な演技が初となった嵐に対して奥平は「僕がこんなことを言うのもおこがましいですが、本番になると顔が変わります。初めての演技で、これだけオンオフ切り替えられるなんてすごいなと思いました」と、印象を語っている。
さらに、「クルドの方々の問題は、この脚本をいただくまで知らなかったです。撮影前に勉強はしないように監督から言われていたのですが、難民の問題については、ニュースから聞こえてくる遠い国のお話だと思っていましたが、日本でもこんなことがあるんだと、急に身近なこととして考えられるようになりました」と、話していた。
本作は企画段階で、2018年の釜山国際映画祭内にあり、映画の新企画やクリエイターを支援するイベント「ASIAN PROJECT MARKET(APM)」で、アルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。難民2世という題材をベースに、世界に開かれた新しい視点で、現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが “自分ごと”として受け入れられる普遍的な青春ドラマとして描く。
撮影は今年5月18日クランクインし、 6月8日クランクアップ。日仏共同制作となる本作は、共同制作となるフランスで最終の仕上げ作業を行っており、2022年初夏、全国公開予定。なお、ポスタービジュアルは、日本においても、立場によって越えられない国境が生まれることを表現しており、高校生の淡い恋心が、社会によって分断される切なさを伝えるものになっている。ポスターに表記されているテキストは「マイスモールランド」のクルド語表記。
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2021/11/18