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星野源、荻上チキ氏と衆議院選挙を考える「日々の仕事と政治はつながっている」 投票の心構えも語る

 26日深夜放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン(ANN)』(毎週火曜 深1:00)では、評論家の荻上チキ氏をゲストに迎えて、10月31日に投開票日を迎える衆議院議員総選挙について語っていった。

星野源【撮影:KOBA】 (C)ORICON NewS inc.

星野源【撮影:KOBA】 (C)ORICON NewS inc.

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 星野は、荻上氏がパーソナリティーを務めるTBSラジオ『荻上チキ・Session』(月〜金 後3:30)を愛聴。荻上氏は先月21日深夜放送の『星野源ANN』にゲスト出演を果たしたが、今回は週末に迎える衆議院選挙についてトークを繰り広げた。

 著名人が投票を呼びかける動画が話題になったことについて、荻上氏は「投票を呼びかけるっていうことが、政治的なことではなくて、日常的なことになってほしいなと感じていたので、いろんな方々がツイートをカジュアルにされているのはすごくいいことだと思います。さらに踏み込んで、政治の中身の話をするのも大切なんですけど、その前の前でハードルを感じている人がとても多いなという中では、身近なものだと感じさせることはとてもいいことだと思う。今は特にコロナ禍で、政治の方に我々の生活が身近になっちゃった。貧困になったとか、ライブにいけなくなったとか、試合ができないまま引退してしまったアスリートもいると。これは政治のことも考えないといけないという空気になった人も多いと思います」と指摘。

 星野は「ちょっとひとつ驚いたことがあって。50代くらいの先輩の方と話している時に選挙の話題になって、その中で、その方が言っていたのが、自分のことや自分の身近な人を守ったりとか、身近を構築するので精いっぱいで、とても国のことを考える余裕がないと。自分の周りの環境をよくすることは一生懸命やるけど、国のことをよくする気はないと。いろんな政治のこととかを見て、その人はうんざりしてしまったと。自分の1票で、選挙で政治が変わると思えないと言われて、けっこうショックを受けて…」とのエピソードを披露。

 続けて「なんとなく、投票しても変わらないっていう意見って、最近メディアとかでも言うことがあって、若者がそう感じている、若者の投票率を上げたいみたいなことってあるじゃないですか? 若者のイメージでなんとなくなっちゃっているんですが、その方は先輩で…。そういうこともあるのかと。自分のことや仕事などは、全部政治につながっているっていうのは僕も思うし、頭ではわかっているんですけど、無力感を覚えるのも感覚としてわかるっていう。自分の日々の仕事が、どうしても変わらないって思ってしまうくらい、政治とつながってないと思う人に、いやつながっているよって思ってもらうにはどうしたらいいですかね?」と呼びかけた。

 荻上氏は「日本は街角で選挙をするというのが当たり前になっているので、実は候補者と有権者が話をする機会が多いんですよね。名前を連呼しているだけじゃんって思うかも知れないんですけど、その人を呼び止めて、どんな政策やるんですかって聞いたら、絶対に話してくれるから、そういったところの身近さはあります。ただ、身近な生活がテンパっていたりすると、どうしても余裕がない。所得が高い人よりは低い人が投票に行かないっていうのがあるんですよね。そうなると、生活に余裕がないと、政治で本当は解決してほしいんだけど、政治のことを考える余裕がないっていうことになってしまう」との見解を明かした。

 その上で「選挙だけで変わるのは、あくまで議席だけなんです。そこから先の政策を変えたいなら、議員に対して、陳情とかロビイングといって、働きかけや署名を行ったり、いろんな法案とかを作ったりといった、次のアクションが必要なのですが、社会科とかで国民が国会に関わるのって、投票だけしか、図式に書かれていなかったりして。いっぱいアプローチがあるんですけど、投票だけっていうことにされていて、その投票でも、通るかどうかわからないし、自分の1票で当選できるかわからないし、当選できなかったら、はい終わりみたいな空気になっているので、そういう状況で無力感を覚えるのはやむを得ないと思いますね。もし、身近にそういった方がいたら、やりたいことはないのかと聞いて、そのことをやるにはこんな手段があるよとかっていうことを伝えて、でも自分では動けないっていう時に、だから代わりに動いてもらえる人、代わりに議会で仕事をしてくれるから、議員さんのことを代議士とも言うんですよね。自分では政治についてわからないけど、ここにだったら任せていいなというところを選べるところまでいったら…」と話した。

 星野は「投票の後にできることまではできないかもしれないけど、投票まではできるっていう人もいると思うし、それ以外のことをできる人もいるかもしれないので。前にチキさんとお話した時に言っていたのは、例えばちょっと自分には関係ないよっていう時に、例えばその人が推し活をしていた場合、好きなミュージシャンがいた時に、その方がコロナ禍でライブができなくて困っているっていう状況は、実は政治が密接にかかわっている」と言葉に力を込めた。

 これを受け、荻上氏は「去年2月から3月ごろ、自粛を各地に呼びかけていた時に、真っ先に仕事が絶たれたのがイベント業だったんですよ。スポーツイベントとかに人が集まるのは密になるからというので、盛んに小さなライブハウスや演劇場で仕事がなくなった方、そのバックヤードにいる、照明さんとか美術さんとか、ありとあらゆる雇用が文化の場から奪われたんですよね。自粛と言うけども、要請だから保証をした方がいいじゃないかと。いやいや保証は難しいっていう議論があったわけです。例えば、支援するってなっていたら、もっと違った手段があったかもしれないとか、不安が和らいだっていう方がいるかもしれないし、それは仕方ないよねっていうことで、当時は保証という議論がなかなか進まなかったことは仕方ないと捉えるか、それによって投票先が変わってくると思うんですよね。推し活1択で、自分の推しがどっちだったら得をするかっていう場合は、文化・芸術を支援するところを支えたいとなります。でも公約をみると、どこも文化・芸術を軽視しますとは、どこの政党も言わないんですよね。となった時に、今までの支援の仕方でいいと思ったら与党に入れよう、今までの支援で不十分だと思ったら野党に入れようとか、判断軸をひとつ設けると見える風景が変わってきますので」と投票にあたってのひとつの考えを示した。

 星野も「シンプルに考えていって、自分の中で疑問が出てきた場合は、政党の方針やこう考えているとか、あとは各ホームページに候補者の方のアンケート、この争点に対してどうおもいますかっていうことに対する答えもあるので、それを見るのもいいですよね。すっごいわかりやすいんですよね」とコメント。荻上氏は「オススメは、ツイッターで「政党 アンケート」とかで検索して、画像検索をすると、表でまとまっているものが出てきたりするので、そうすると、いろんなNPOさんとかメディアが取ったアンケートがまとめられていたりするんですよね。それらを見て、自分の関心がある分野を参考にするといいと思います」と明かした。

 荻上氏は「投票に行くと達成感があると思います。必ず未来につながるので。逆に学習性無力感っていうのが一番怖いもので、人は何をやってもダメだって学ばされてしまうと、今はできるよという状況を与えられたとしても、何もしなくなってしまう。学校の校則とかで理不尽に叱られすぎた、そしていきなり選挙ってなっても、お上なんて言うこと聞いてくれないでしょうとか。前投票したけど、当選しなかった、当選したけどいい仕事してくれなかった。もういいやってなると、何が勝つかとなると、その選挙制度の中でただ威張りたい人とか、ろくでもない政治をしている人を落とせなくなっちゃうんですよね。だから、行ったぞ、1票分かさ増ししたったぞっていうだけで十分な参加なので、学習性無力感に飼いならされないぞっていうだけでも…」と選挙に参加することの意義を話していた。

 番組の模様は、放送後1週間以内は「radiko」で聞くことができる。

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