2日の午後5時より、お笑いコンビ・ブラックマヨネーズの小杉竜一が若手芸人100組のネタをただ見届けるという、とんでもない企画のチャンネル『小杉100(ワンハンドレッド)』がYouTubeにて開設される。
若手芸人100組の1分ネタを、小杉が点数をつけるわけでもなく、MVPを決めるわけでもなく、ただただ見届けるというシンプルなこの企画は、スタッフ陣が想定していた3時間の枠を大きく超え、5時間の長時間収録となった。気になる収録の様子を紹介する。
■全100組からドタバタ進行まで、すべてに1人でツッコむ小杉
7月某日、用意されたポップなTシャツを身にまとい、小杉が収録現場へと訪れた。密着レポート担当の筆者に「えらい番組の担当になりましたね。これから100組見るんですよ?」と笑いかける。小杉が座る豪華な椅子の横には、これからの収録の過酷さを物語るかのように水10本が用意されている。「こんなん(全部飲んだら)病気やないかい!」とすかさずツッコむ。
次々に登場する若手芸人ひと組ずつに対し、ネタはもちろんのこと、コンビ名、容姿、立ち位置、小道具、気になったところにすべて丁寧にツッコミを入れる。「徳積んでなさそう」などパワーワードツッコミもさく裂する。「気合入れたスーツ着てんなぁ」(『コロウカン』)、「あの服嫌やったな〜」(『とべま〜し』)と、珍しい衣装にも釘付けな様子だ。
自ら「若手芸人と直接話したい」と言い、時間が押すこともいとわず、特に気になった組をネタ終わりに呼び込む。が、フリートークも一筋縄ではいかない若手芸人たち。「(ネタ終了後に呼び込みをされても)『ありがとうございました』とか、ないんやな!?」と、大先輩を相手にした際の常識をひっくり返す若手芸人に新鮮味を感じながらも、どこかうれしそうな小杉が印象的だった。
『ウォンバット』が吉本に入った理由を「やっぱルミネ立ちたいなと思って」と話すと、喜ばしそうな表情をする小杉。奇天烈な芸人が多いが、中には純粋にブラックマヨネーズの背中を追っている芸人もいるのだなと感じた。
コンビ名や、ネタ中のセリフを瞬時に覚えてツッコむなど、全組を集中して見る小杉だが、スタッフ陣は100組を調整しなければいけないこともあり、終始バタついている。バタついた結果、最初の10組で一度区切りたかったところ、12組ずつ見せていたことに途中で気づく。「しっかりしてくれや! 10ずつ見ている括りでやっているのに!」と、小杉のなかのバランスも徐々に崩れていく……。さらには、目の前で打ち合わせを始めるスタッフに小杉のツッコミが飛び交う。「オンで打ち合わせすな!」。
ツッコむところは多々あるが、休憩中、誰に向けて言うわけでもなく「いやぁ、みんな頑張っいてるな……」と1人つぶやく小杉からは、彼の優しさ、後輩想いな部分がこぼれたように感じた。
■体力と精神を消耗する過酷収録 すべて見終えると充実感も「見てよかったです」
「今52組目です」とスタッフから告げられ、「あと半分」と気合いを入れ直すこともできないヘンテコな進行に、頭を抱える小杉は「わけわからんくなってきた」とポツリ。そんな中、『まぼろしのアレ』からネタ中に衝撃の事実が伝えられる。「今までの吉本になかった!」と驚く小杉。ぜひ動画で衝撃の事実を確認していただきたい。
強烈なインパクトを残した『ゴスケ』に対しては、「洋楽聞く感じ」「感じるか感じないか。僕は、感じました」とプラスな感想を放つも、同じ部類に分けられる『どぅいっちメン』が続くと、「散らしてよ!」と嘆く。この辺りからどんどん体力勝負になっていく。そのあとのブロックの『さんさんず』で、さらに体力を持っていかれた小杉。「90を超えてからにしてほしかった」とこぼした。
70組を目前、「ゲボ吐きそうです」と疲労を見せる小杉に、癒し系だと紹介するのが『ぶるうすん』。ネタ終了後、小杉は「どこが癒し系やねん……」との感想を漏らした。お疲れの中でも、『今夜はブルース』や『オフローズ』など、小杉に「長尺で見たい」と言わせるコンビも現れるから、100組見ていても飽きない。超ド級の下ネタを披露したピン芸人、『BANBANBAN鮫島』のように、ネタに相反して手が震えている人が登場するのも見どころの一つだ。
80〜90組ブロックに差し掛かる頃、すでに収録は1時間半押し。「もうコメントしないで進めます」と宣言して、次の組『軟水』を見るも、「ポンポン行かれへんて! みんな真剣にやってるんやから」と、結局ひと組ひと組止めてしまうあたりに、小杉のやさしさが感じられる。
そして最終ブロック91〜100組では、「もうええわってなりかけたけど、100通りあるな」「はっきり言って、見てよかったです」と、好意的な感情で鑑賞を終える。
たびたび疲れたとは言いながらも、ネタを見るときの顔は変わらず、どの組にも興味を持って、真剣にかつ楽しんで鑑賞していた。(ちなみに10本置かれた水は、1本目にしか手をつけていなかった)
■100組観賞後、独占インタビュー
──大変おつかれさまでした。とんでもないお仕事でしたね。
最初「100組見てもらうんですけど〜」って声かけられた時、あんまり深く考えてなくて。マネージャーが「大丈夫ですか?」って心配してくれたけど、「いけるやろ」って感じで受けちゃって。ざっと見るだけの仕事ですってもらっていたけど、見るだけじゃ済まなかったですね。それだけ、みんなのネタがよかったし情熱感じました。
──途中、「飯食べ過ぎた時と同じ感覚」との感想も漏れていました。
“バッフェ”とか行った時の食べすぎた感覚だったんですけど、胸焼けとか、気持ち悪いって感覚にはならず、とても満足な清々しい気持ちになりました。(※『テレビ千鳥』出演時、小杉は“ビュッフェ”のことを“バッフェ”と呼ぶことが判明した)
──コロナ禍で若手芸人と飲んだりお話したりする機会が減ったと思いますが、今日で少し、そこのストレスみたいなものは消化されましたか?
そうですね。きょう出てきたメンバー表は、貰って帰ろうと思っているんですよ。(これから先を)見ておきたいですね。ほんまやったら100組と打ち上げ行ったんですけどねぇ〜。
──『小杉100』を、どんな方に見ていただきたいですか?
100組っていうと「えぇ!?」って思うかもしれないけど、好きなタイミングで見たり止めたりできるのがYouTubeのいいところだと思うんで、ぜひ、隙間の時間……通勤中の次の電車来るまでとか、カップラーメンの湯を沸かす3分間とか、そういう時に細切れで見られますので。普段の生活のちょっとした彩りにしてもらえればうれしいです。小杉スタイルで100組連続もやってみてください。
(取材・文:佐々木笑)
若手芸人100組の1分ネタを、小杉が点数をつけるわけでもなく、MVPを決めるわけでもなく、ただただ見届けるというシンプルなこの企画は、スタッフ陣が想定していた3時間の枠を大きく超え、5時間の長時間収録となった。気になる収録の様子を紹介する。
■全100組からドタバタ進行まで、すべてに1人でツッコむ小杉
7月某日、用意されたポップなTシャツを身にまとい、小杉が収録現場へと訪れた。密着レポート担当の筆者に「えらい番組の担当になりましたね。これから100組見るんですよ?」と笑いかける。小杉が座る豪華な椅子の横には、これからの収録の過酷さを物語るかのように水10本が用意されている。「こんなん(全部飲んだら)病気やないかい!」とすかさずツッコむ。
次々に登場する若手芸人ひと組ずつに対し、ネタはもちろんのこと、コンビ名、容姿、立ち位置、小道具、気になったところにすべて丁寧にツッコミを入れる。「徳積んでなさそう」などパワーワードツッコミもさく裂する。「気合入れたスーツ着てんなぁ」(『コロウカン』)、「あの服嫌やったな〜」(『とべま〜し』)と、珍しい衣装にも釘付けな様子だ。
自ら「若手芸人と直接話したい」と言い、時間が押すこともいとわず、特に気になった組をネタ終わりに呼び込む。が、フリートークも一筋縄ではいかない若手芸人たち。「(ネタ終了後に呼び込みをされても)『ありがとうございました』とか、ないんやな!?」と、大先輩を相手にした際の常識をひっくり返す若手芸人に新鮮味を感じながらも、どこかうれしそうな小杉が印象的だった。
『ウォンバット』が吉本に入った理由を「やっぱルミネ立ちたいなと思って」と話すと、喜ばしそうな表情をする小杉。奇天烈な芸人が多いが、中には純粋にブラックマヨネーズの背中を追っている芸人もいるのだなと感じた。
コンビ名や、ネタ中のセリフを瞬時に覚えてツッコむなど、全組を集中して見る小杉だが、スタッフ陣は100組を調整しなければいけないこともあり、終始バタついている。バタついた結果、最初の10組で一度区切りたかったところ、12組ずつ見せていたことに途中で気づく。「しっかりしてくれや! 10ずつ見ている括りでやっているのに!」と、小杉のなかのバランスも徐々に崩れていく……。さらには、目の前で打ち合わせを始めるスタッフに小杉のツッコミが飛び交う。「オンで打ち合わせすな!」。
ツッコむところは多々あるが、休憩中、誰に向けて言うわけでもなく「いやぁ、みんな頑張っいてるな……」と1人つぶやく小杉からは、彼の優しさ、後輩想いな部分がこぼれたように感じた。
■体力と精神を消耗する過酷収録 すべて見終えると充実感も「見てよかったです」
「今52組目です」とスタッフから告げられ、「あと半分」と気合いを入れ直すこともできないヘンテコな進行に、頭を抱える小杉は「わけわからんくなってきた」とポツリ。そんな中、『まぼろしのアレ』からネタ中に衝撃の事実が伝えられる。「今までの吉本になかった!」と驚く小杉。ぜひ動画で衝撃の事実を確認していただきたい。
強烈なインパクトを残した『ゴスケ』に対しては、「洋楽聞く感じ」「感じるか感じないか。僕は、感じました」とプラスな感想を放つも、同じ部類に分けられる『どぅいっちメン』が続くと、「散らしてよ!」と嘆く。この辺りからどんどん体力勝負になっていく。そのあとのブロックの『さんさんず』で、さらに体力を持っていかれた小杉。「90を超えてからにしてほしかった」とこぼした。
70組を目前、「ゲボ吐きそうです」と疲労を見せる小杉に、癒し系だと紹介するのが『ぶるうすん』。ネタ終了後、小杉は「どこが癒し系やねん……」との感想を漏らした。お疲れの中でも、『今夜はブルース』や『オフローズ』など、小杉に「長尺で見たい」と言わせるコンビも現れるから、100組見ていても飽きない。超ド級の下ネタを披露したピン芸人、『BANBANBAN鮫島』のように、ネタに相反して手が震えている人が登場するのも見どころの一つだ。
80〜90組ブロックに差し掛かる頃、すでに収録は1時間半押し。「もうコメントしないで進めます」と宣言して、次の組『軟水』を見るも、「ポンポン行かれへんて! みんな真剣にやってるんやから」と、結局ひと組ひと組止めてしまうあたりに、小杉のやさしさが感じられる。
そして最終ブロック91〜100組では、「もうええわってなりかけたけど、100通りあるな」「はっきり言って、見てよかったです」と、好意的な感情で鑑賞を終える。
たびたび疲れたとは言いながらも、ネタを見るときの顔は変わらず、どの組にも興味を持って、真剣にかつ楽しんで鑑賞していた。(ちなみに10本置かれた水は、1本目にしか手をつけていなかった)
■100組観賞後、独占インタビュー
──大変おつかれさまでした。とんでもないお仕事でしたね。
最初「100組見てもらうんですけど〜」って声かけられた時、あんまり深く考えてなくて。マネージャーが「大丈夫ですか?」って心配してくれたけど、「いけるやろ」って感じで受けちゃって。ざっと見るだけの仕事ですってもらっていたけど、見るだけじゃ済まなかったですね。それだけ、みんなのネタがよかったし情熱感じました。
──途中、「飯食べ過ぎた時と同じ感覚」との感想も漏れていました。
“バッフェ”とか行った時の食べすぎた感覚だったんですけど、胸焼けとか、気持ち悪いって感覚にはならず、とても満足な清々しい気持ちになりました。(※『テレビ千鳥』出演時、小杉は“ビュッフェ”のことを“バッフェ”と呼ぶことが判明した)
──コロナ禍で若手芸人と飲んだりお話したりする機会が減ったと思いますが、今日で少し、そこのストレスみたいなものは消化されましたか?
そうですね。きょう出てきたメンバー表は、貰って帰ろうと思っているんですよ。(これから先を)見ておきたいですね。ほんまやったら100組と打ち上げ行ったんですけどねぇ〜。
──『小杉100』を、どんな方に見ていただきたいですか?
100組っていうと「えぇ!?」って思うかもしれないけど、好きなタイミングで見たり止めたりできるのがYouTubeのいいところだと思うんで、ぜひ、隙間の時間……通勤中の次の電車来るまでとか、カップラーメンの湯を沸かす3分間とか、そういう時に細切れで見られますので。普段の生活のちょっとした彩りにしてもらえればうれしいです。小杉スタイルで100組連続もやってみてください。
(取材・文:佐々木笑)
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2021/08/01