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神尾楓珠、長編映画初主演 ゲイ×腐女子の恋愛描く『彼女が好きなものは』

 Web小説サイト「カクヨム」で話題作となり、2018年2月に書籍化され、2019年にNHKで『腐女子、うっかりゲイに告る。』のタイトルでドラマ化もされた、浅原ナオト氏の小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫)が、 『彼女が好きなものは』のタイトルで映画化、今年秋に公開が予定されている。俳優の神尾楓珠(かみお・ふうじゅ)が長編映画で初主演を務める。

交わることのない二人の恋を描いた恋愛青春小説を『彼女が好きなものは』のタイトルで映画化。主演は神尾楓珠

交わることのない二人の恋を描いた恋愛青春小説を『彼女が好きなものは』のタイトルで映画化。主演は神尾楓珠

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 ゲイであることを隠して日々を過ごす男子高校生・安藤純と、BL好きを隠しているクラスメイトの女子・三浦紗枝が、書店で鉢合わせたことから急接近。やがて紗枝から好きだと告白された純はある想いを秘め付き合うことに…。2人の恋愛を通して、世間にはびこる“ふつう”という価値観とのギャップに向き合う男女の姿を描く。

 映画化にあたって原作者の浅原氏は「原作執筆時、『同性愛』ではなく『同性愛者』の話を書こうと……別に思っていませんでした。でも、結果的にそうなりました。普通になりたい願望と、普通になれない現実。『好きな相手が同性でもいいと思うよ』では片づかない複雑な内面を書いた物語は、多くの方の共感と好評を得て、映画化にまで至りました。その複雑さはこの映画にもしっかり残っていると思います」とコメントし、映画として新たな息吹をもたらした本作の出来栄えに太鼓判を押している。

 主役の安藤純を演じる神尾は、『アンナチュラル』(18年/TBS)、『3年A組 今から皆さんは、人質です』(19年/日本テレビ)など、話題のテレビドラマに出演し、現在公開中の『樹海村』や、4月2日に公開を控える『裏アカ』などの映画出演も続く、成長株。「異性を愛したい」「家庭を築きたい」と世間で“ふつう”と言われる幸福を手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する純を繊細に演じている。

 本作が映画初主演となる神尾は「撮影時にはそのことにとらわれることなく、作品のことをただただ考える毎日でした。草野監督とは、作品に対しての共通認識を持つことが出来、現場ではお互いが委縮することなく、言いたいことを素直に言える環境を作ってくださったことに感謝しております」とその心境と、撮影当時を振りかえりながら、本作について「『自分らしさ』とは何か、『自分らしく生きること』とは何か。そういったことを考えるきっかけになってくれれば、うれしく思います。」と意気込みを語っている。

 監督を務めるのは、『にがくてあまい』(16年)や『世界でいちばん長い写真』(18年)で、若者の瑞々しくも壊れやすい心模様を丁寧に描き出してきた草野翔吾。「私達がどこかで見ないふりをしていた本音の言葉に溢れた原作を映画化するにあたり、自分にできることがあるのだろうか、と真剣に悩みました。でも、同じかそれ以上に、純のことを、純を取り巻く環境を多くの人に知ってほしいと強く思いました」と、映画作りへの思いを語り、神尾についても「私が原作を読んだイメージそのままの純を繊細に表現してくれました」と、手応えを語っている。

 なお、本作は、2019年にロングランヒットを記録した『愛がなんだ』(今泉力哉監督作)の企画・制作・プロデュースや、韓国映画『はちどり』を配給した映画制作配給会社のアニモプロデュースが企画・制作・プロデュースした最新作となる。

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  • 交わることのない二人の恋を描いた恋愛青春小説を『彼女が好きなものは』のタイトルで映画化。主演は神尾楓珠
  • 神尾楓珠
  • 「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫)書影

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