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【麒麟がくる】長谷川博己、《光秀の落涙》もはや号泣 本能寺に続く終わりの始まり?

 NHKで放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)。13日放送の第36回「訣(けつ)別」で、明智光秀(長谷川博己)は将軍・足利義昭(滝藤賢一)に決別を告げた。光秀目線で話が進んだ今回。演出を担当した一色隆司氏は、「涙で表現された光秀の心の叫びが、どのように本能寺に続く終わりの始まりへの暗示となっていくのか」と、なにやら意味ありげに語っていた。放送から1週間は番組配信「NHKプラス」で見逃し視聴できる。19日(後1:05〜1:50)に再放送もあり。

大河ドラマ『麒麟がくる』第36回より。信長とは戦えないと義昭と決別する光秀(長谷川博己)(C)NHK

大河ドラマ『麒麟がくる』第36回より。信長とは戦えないと義昭と決別する光秀(長谷川博己)(C)NHK

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 武士は将軍の下に集い、世を平らかにすべきという信念を持っている光秀だったが、織田信長(染谷将太)が崇拝する帝(坂東玉三郎)に興味が湧き、三条西実澄(石橋蓮司)の供として御所へ。実澄は、帝に「珍しき鳥(光秀のこと)が来ている」と伝える。じかに尊顔を拝することはできなかったが、帝と言葉を交わすことができた光秀。「穏やかな世」のために進むべき道に迷いがあると伝えると、帝は「迷わずに歩もうではないか」と返した。光秀は、信長が帝を崇拝するのがわかる気がした。

 一方、義昭は剣術の指南を受けるようになっていた。光秀が参じると、太刀さばきを見てみたいと、手合わせを求めてきた。しかし、力の差は歴然。すると、義昭はムキになって打ちかかってきた。光秀はかわしながら、戦が嫌いだと言っていた、出会った頃の義昭のことを思い出していた。

 一色氏は「前回、駒(門脇麦)との話しの中で義昭の葛藤と闇が描かれましたが、今回は、そんな義昭の変化を光秀が義昭との殺陣のシーンで感じ、そして、
ラストで決裂となるわけです。白鳥を和解のシンボルとして運び入れたものの、
それを拒絶する義昭の信長に対する憎悪に、自分を信じて進んできた光秀は最
大の挫折感を味わいます。しかし、その先には将軍か信長か…という過酷な選択
まで迫られる。

 台本にある《光秀の落涙》をどのように表現するのか、長谷川さんといろいろと話しをしましたが、長谷川さんはこん身の演技でそれに応えてくれました。そして、その芝居を受けて、滝藤さんも谷原さん(三淵藤英役の谷原章介)も素晴らしいリアクションとそれぞれの思いを作り上げて下さいました。

 撮影の中でのポイントは、信長との敵対感を持つ義昭と三淵は、光秀のことをどう見るのか、義昭に盲目的について行くと答えられない光秀に対して何を思うのか…。せりふでは、この回のモチーフとなる《鳥》というキーワードを使って、光秀への思いが語られていきますが、その一方で、滝藤さんには、信長に対する憎悪が光秀に対する思いに影響するレベルなどを現場で議論しながら、このシーンを作り上げて行きました。光秀が去った後の義昭には、単に光秀へのシンパシーだけではなく、決意した信長との戦への思いも盛り込んで、戦国時代の過酷さを表現していただくことを意識しました」

 信長を倒せば“麒麟がくる”と信じ、猪突猛進に突き進もうとする義昭は「信長から離れろ、わしのために。そうしてくれ」と懇願。《落涙》といよりもはや号泣しながら「それはできませぬ。ごめん」と言って立ち去っていった光秀。この決裂シーンについて、滝藤は「長谷川さんの魂の叫びが聞こえて、俳優同士しか分からない時間が生まれたように感じました。光秀を感じているだけで感情があふれ出てくるし、何もかも受け入れられる、そういった瞬間を経験することができました。互いの道がはっきりとした決定的なシーンでもあるので、最高の別れをしたという顔になっていたらいいなと思います」と、話していた。

 この回のモチーフになっていた《鳥》は、帝と実澄が光秀を「珍しき鳥」と例えたのにはじまり、義昭を諌める文を送ったことを反省した信長が機嫌を直してもらおうと光秀に届けさせたのが大きな鳥かごに入った「鵠(くぐい=白鳥)」、そして、光秀と決裂した義昭が目を真っ赤にしながら言ったのが、「十兵衛は鳥じゃ、カゴから出た鳥、また飛んで戻ってくるやもしれん」だった。

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