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黒沢清監督『スパイの妻』べネチア映画祭コンペ出品 金獅子賞目指す

 黒沢清監督、蒼井優主演の映画『スパイの妻』(10月16日公開)が、現地時間9月2日よりイタリアで開催される「第77回べネチア国際映画祭」のコンペティション部門(最高賞・金獅子賞)に正式出品されることが決定し、蒼井、高橋一生、黒沢監督から喜びのコメントが到着した。

映画『スパイの妻』「第77回べネチア国際映画祭」コンペティション部門正式出品決定(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

映画『スパイの妻』「第77回べネチア国際映画祭」コンペティション部門正式出品決定(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

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 べネチア国際映画祭は、カンヌ・ベルリンと並ぶ世界三大映画祭のひとつであり、世界最古と呼ばれる歴史深い映画祭。そのメインであるコンペティション部門には、毎年各国の実績ある監督たちが名を連ね、近年で主要賞を獲得しているのは『ジョーカー』(2019年)、『ROMA/ローマ』(18年)、『女王陛下のお気に入り』(18年)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17年)など、ヒット作でありながら芸術性も持ち合わせた作品ばかり。

 これまで数々の国際映画祭で受賞を重ねてきた黒沢監督は同映画祭との縁も深く、『叫』(06年)、蒼井も出演した『贖罪』(12年)に続き3度目の出品となる。黒沢監督にとってコンペティション部門に選ばれるのは、本作が初。黒沢監督にとっても初めて挑んだ歴史エンタテインメントで、最高賞・金獅子賞を目指すことになった。

 本作は、『寝ても覚めても』(18年/カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品)を監督した濱口竜介氏と、濱口氏と共に脚本を手掛けた5時間越えの大作『ハッピーアワー』(15年)が世界中の映画祭で評価された野原位氏が脚本を、16年リオパラリンピック閉幕式で歌声を披露した長岡亮介が音楽を担当するなど、日本が誇る才能が集結。

 時は1940年。満州で偶然、恐ろしい国家機密を知ってしまった優作は、正義のため、事の顛末を世に知らしめようとする。聡子は反逆者と疑われる夫を信じ、スパイの妻と罵られようとも、その身が破滅することも厭わず、ただ愛する夫とともに生きることを心に誓う。太平洋戦争開戦間近の日本で、夫婦の運命は時代の荒波に飲まれていく…。

 主演の蒼井は、『斬、』(18/塚本晋也監督)以来2年ぶりに出演作がコンペ出品となり、世界の名だたる女優陣と主演女優賞を競う。高橋は出演作が世界三大映画祭に出品されるのは初めて。その作品がコンペティション部門出品となり、高橋にとってもその名が世界に羽ばたく新たな門出となる。

 コンペティション部門の映画祭公式の対象賞は、最高賞の金獅子賞、監督賞にあたる銀獅子賞、審査員大賞、男優賞、女優賞、マルチェロ・マストロヤンニ賞、脚本賞などがある。受賞結果は、映画祭最終日(現地時間12日)に発表される予定。

■蒼井優のコメント
 黒沢監督おめでとうございます。今回は残念ながら現地に伺うことがかないませんが、会場の皆様にお会いできなくても、想いは通じると信じています。誰かの明日へつながる1本になればと心から祈っております。

■高橋一生のコメント
 この時代にこの作品で、このキャストスタッフの下、黒沢組に参加出来た事が夢のようですが、その上にまた、ヴェネチア国際映画祭に参加するといううれしい知らせをいただきました。より多くの方々に観ていただければと思います。

■黒沢清監督のコメント
 うれしい、と同時にたいへん緊張しています。1940年代の日本を生きた夫婦の姿が海外の人の目にどう映るのか、今は予想もつきません。

関連写真

  • 映画『スパイの妻』「第77回べネチア国際映画祭」コンペティション部門正式出品決定(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I
  • 映画『スパイの妻』主演の蒼井優と高橋一生(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I
  • 映画『スパイの妻』黒沢清監督(C)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

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