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安住紳一郎が考える、情報番組の“言葉の力” たけしの暴走への対抗策とは

 ロケ番組では、名だたるタレントの“名パートナー”として進行し、情報番組ではビートたけし(73)の予測不能な発言に対処しながら、ニュースを伝えていく。冷静な一面ばかりではなく、毎年恒例の『輝く! 日本レコード大賞』では、司会ながら若手アーティストの受賞に涙を浮かべ、ラジオ番組では「汗から塩を作る」「令和には8つのアクセントが考えられる」といったこだわりを語り尽くす……。TBSの安住紳一郎アナ(46)は番組ごとにさまざまな顔を見せているが、日々どういったことを考えているのだろうか。安住アナの“頭の中”に迫った。

安住紳一郎アナ (C)ORICON NewS inc.

安住紳一郎アナ (C)ORICON NewS inc.

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■情報番組の机にある秘密のボタン 視聴者の移り変わりに柔軟な対応

 『新・情報7days ニュースキャスター』(毎週土曜 後10:00)では、予定通りには進まないたけしとのやりとりが大きな刺激となっている。「今は打ち合わせ通りに進んでいる情報番組が多いので、(予定通りにいかない放送は)自分が理想とする番組になっていると思います。炎上しやすい社会の中で、それがいかにリスクが高いかっていうのもわかっていますし、リスクが高い分、面白く仕上がるので楽しくやっていますが、怖いことは怖いですよ(笑)」。万が一の場合に備えて、ある装置があるのだという。

 「実は私の机の角にひとつボタンが用意されています。普通はCMにいくタイミングは調整室のディレクターが合図をすることになっていますが、強制的にCMにいってもらうためのボタンが置いてあるんです。ズルいでしょう(笑)。司会者としてまとめきれないっていう時には、強制的な段取り直しっていうのがあって、押すと3秒後にCMが流れるんです(笑)」

 『ニュースキャスター』で共演しており、大学時代の恩師でもある明治大学教授の齋藤孝氏(59)との共著『話すチカラ』(ダイヤモンド社・2月発売)で、安住アナは「生放送の仕事をしていて痛感するのは、視聴者の興味が移るスピードが本当にすさまじいということです。ついさっきまでホットな話題だったはずなのに、3分くらいで急に鮮度が落ちてしまうことなど日常茶飯事です」とつづっている。同書では、そうした変化に気づき「勇気を持って用意した素材をすべて捨て、ガラッと構成を変える」といった大胆な決断も求められるとも指摘しているが、自分の中の信念に基づいている。

 「出している情報はほかの番組と同じで、独自の情報がたくさん出ているわけではないので、結局情報の伝え方と見せ方と並べ方で違いが出ます。同じ商品を売っているけど、接客態度と包装紙とお店のランクで違いが出るようなもので、情報番組も、きちんと注意をして作業をすれば、よりよく伝わる。今のように世の中が混乱している時は、本当にリーダーの一言、前に出てしゃべる人の一言で変わります。本当に言葉には力があるんです」

■安住アナの言葉の力が詰まったフレーズ 幼少期から日本語に興味

 そんな安住アナの“言葉の力”が最近とりわけ光ったのが、『ニュースキャスター』で新型コロナを報道していた時のこと。VTR放送前に「これから●分間VTRが流れます」と普段聞き慣れないフレーズが飛び出した。「放送界では新しい取り組みで、トリッキーにやってみました。最初に分数を伝えると、興味のない方がチャンネルを替えてしまうというリスクがありますが、こういう時は先に分数を伝えた方が安心するのではないかと。普段は情報番組を見ない小学生や中学生が目にすることも考えました。動画サイトで最初に分数を見てから視聴することに慣れているので、そういった面も意識して、ちょっと実験的にやってみました」。日々、言葉と向き合いながら最善を尽くす。

 『話すチカラ』では「日本語マニア」を自称している安住アナだが、幼少期から日本語への興味を持っていた。「テレビとかラジオを聞くのが好きで、昔はNHKのラジオでアナウンサーがその日の株式をずっと読み上げる『株式市況』とかも聞いていました。あとは早口でものを言っている人や、話が面白い先生への興味もあって、小学生とか中学生なりに分析っていうと生意気だけど、“日本語”について意識するようになりました」。

 同書では、そんな安住アナと齋藤氏が自らの経験を踏まえて存分に“言葉の力”を語っている。「いろいろと違う環境に向かう方が多い季節ですが、言葉の使い方とか話し方を変えると、人間関係が劇的に変わります。もし何か悩んでいたり、新しいことに挑戦したい、よりよい人間関係を作りたいっていう方が、自分の使っている言葉を考え直してみる機会になればいいなと思っています。実践すると3分後くらいから変わり始めるので、ぜひやってみてください。別に本を読まなくても大丈夫ですが、もし興味があったら、私が放送という現場で築いたノウハウが書かれている、プラス齋藤先生が学術的な話をしてくれていますので、ぜひお手に取ってください」。あす19日配信の記事では、安住アナが“主戦場”としている「ラジオ」と「テレビ」について語る。

◆安住紳一郎 1973年北海道帯広市生まれ。TBSアナウンサー。明治大学文学部時代、教職課程で齋藤孝氏の授業を受ける。中学校高校国語科の教員免許、話しことば検定1級をもつ。「好きな男性アナウンサーランキング」(ORICON NEWS)ではいち早く殿堂入り。「フリーになっても絶対に成功するであろう男性アナ」としてさまざまな媒体で取り上げられるも、TBSの局アナであることにこだわり続けて20数年。TBS『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『新・情報7days ニュースキャスター』、TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』などレギュラー司会(パーソナリティー)、『輝く! 日本レコード大賞』の総合司会も長年務める。齋藤孝氏との共著『話すチカラ」(ダイヤモンド社)が発売1ヶ月で12万部突破。

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  • 安住紳一郎アナ (C)ORICON NewS inc.
  • 安住紳一郎アナと齋藤孝氏の共著『話すチカラ』(C)ダイヤモンド社

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