全国の書店員が“今いちばん売りたい本”を決める『2020年本屋大賞』(本屋大賞実行委員会主催)の大賞作品が7日発表され、凪良(なぎら)ゆう氏の『流浪の月』(東京創元社)を選出。これまでは書店員・出版関係者を呼んで、発表を行う形式だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、事前に収録した映像で報告。受賞者の凪良氏はビデオメッセージを寄せる形となったが、凪良氏のスピーチ、実行委員の高頭佐和子氏の言葉からは「本屋」への強い思いが感じられた。
『流浪の月』は、引き離された男女のその後の時間を描いた物語。家に帰れない主人公の少女は、公園で出会った19歳の青年に助けを求める。青年は彼女を受け入れるも世間からは誘拐事件として捉えられてしまい、社会から一方的に被害者と加害者としてそれぞれ糾弾、同情されてしまう…。そして数年後に再開し、周囲の人を巻き込みながら新しい人間関係への旅立ちが描かれている。凪良氏は、2006年に『恋するエゴイスト』でデビュー。主にボーイズラブ系で活動しており、代表作に『神様のビオトープ』『すみれ荘ファミリア』などがある。
ビデオメッセージで、凪良氏は受賞の喜びを語りながら「本屋さんは出版業界の最前線でもあります。読者さんと常に接して、言葉を直接交わすことができる書店員さんからのご支持をいただくことができたことは、とってもうれしいことで、そういう意味で読者さんに一番近い賞だと思っているので、しっかりと期待に応えていきたいなと思っています」とコメント。「最近は心配なニュースが多くて、お家で過ごされている方も多いと思います。そういう時はぜひ、本を読んでください」と言葉に力を込めた。
その後あいさつに立った高頭氏は「私たちが本屋大賞を始めた理由は、何かベストセラーができればいいよっていうわけではなくて、みなさんにもっと本屋に足を運んでいただきたい、そういう気持ちからです。本屋に勤めて20年くらいになるんですけど、仕事についてはちょっと大変だなと思ったこともいっぱいあるのですが、本屋で働けるということを喜びではないと思ったことは一度もないです」と思いの丈を告白。
続けて「本屋というのはワクワクすることとか、すごく困った時に助けてくれる、新しい情報とか、人の気持ちをわかるようになるとか、たくさんあって、いつも励まされて、ここまでやってきました。きっと多くのみなさんにとっても、本というのはそういう存在なのではないかなと思います」としみじみ。続けて、すべての書店員を代表して熱い言葉を紡いだ。
「このような状況になり、本をいつもより身近に感じてくださっている方は多い一方で、店頭に来られないという方もいらっしゃるのではないかと思います。私たちは、本屋がいつでもみなさんの身近な存在であれたらいいと、心から思っています。本は絶対にみなさんにとって大切な存在になれるものだと、それについては信じて疑うところはひとつもありません。今、外出を控えられている方もいらっしゃると思いますが、いらっしゃることができる状況になりましたら、ぜひ店頭にいらしてください。全国の書店員を代表して言わせていただきます。みなさん、店頭でお待ちしております」。
■歴代大賞作品(書名、著者、出版社)
第1回:『博士の愛した数式』小川洋子(新潮社)
第2回:『夜のピクニック』恩田陸(新潮社)
第3回:『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』リリー・フランキー(扶桑社)
第4回:『一瞬の風になれ』佐藤多佳子(講談社)
第5回:『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎(新潮社)
第6回:『告白』湊かなえ(双葉社)
第7回:『天地明察』冲方丁(角川書店)
第8回:『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉(小学館)
第9回:『舟を編む』三浦しをん(光文社)
第10回:『海賊とよばれた男』百田尚樹(講談社)
第11回:『村上海賊の娘』和田竜(新潮社)
第12回:『鹿の王』上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)
第13回:『羊と鋼の森』宮下奈都(文藝春秋)
第14回:『蜜蜂と遠雷』恩田陸(幻冬舎)
第15回:『かがみの孤城』辻村深月(ポプラ社)
第16回:『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文藝春秋)
『流浪の月』は、引き離された男女のその後の時間を描いた物語。家に帰れない主人公の少女は、公園で出会った19歳の青年に助けを求める。青年は彼女を受け入れるも世間からは誘拐事件として捉えられてしまい、社会から一方的に被害者と加害者としてそれぞれ糾弾、同情されてしまう…。そして数年後に再開し、周囲の人を巻き込みながら新しい人間関係への旅立ちが描かれている。凪良氏は、2006年に『恋するエゴイスト』でデビュー。主にボーイズラブ系で活動しており、代表作に『神様のビオトープ』『すみれ荘ファミリア』などがある。
その後あいさつに立った高頭氏は「私たちが本屋大賞を始めた理由は、何かベストセラーができればいいよっていうわけではなくて、みなさんにもっと本屋に足を運んでいただきたい、そういう気持ちからです。本屋に勤めて20年くらいになるんですけど、仕事についてはちょっと大変だなと思ったこともいっぱいあるのですが、本屋で働けるということを喜びではないと思ったことは一度もないです」と思いの丈を告白。
続けて「本屋というのはワクワクすることとか、すごく困った時に助けてくれる、新しい情報とか、人の気持ちをわかるようになるとか、たくさんあって、いつも励まされて、ここまでやってきました。きっと多くのみなさんにとっても、本というのはそういう存在なのではないかなと思います」としみじみ。続けて、すべての書店員を代表して熱い言葉を紡いだ。
「このような状況になり、本をいつもより身近に感じてくださっている方は多い一方で、店頭に来られないという方もいらっしゃるのではないかと思います。私たちは、本屋がいつでもみなさんの身近な存在であれたらいいと、心から思っています。本は絶対にみなさんにとって大切な存在になれるものだと、それについては信じて疑うところはひとつもありません。今、外出を控えられている方もいらっしゃると思いますが、いらっしゃることができる状況になりましたら、ぜひ店頭にいらしてください。全国の書店員を代表して言わせていただきます。みなさん、店頭でお待ちしております」。
■歴代大賞作品(書名、著者、出版社)
第1回:『博士の愛した数式』小川洋子(新潮社)
第2回:『夜のピクニック』恩田陸(新潮社)
第3回:『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』リリー・フランキー(扶桑社)
第4回:『一瞬の風になれ』佐藤多佳子(講談社)
第5回:『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎(新潮社)
第6回:『告白』湊かなえ(双葉社)
第7回:『天地明察』冲方丁(角川書店)
第8回:『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉(小学館)
第9回:『舟を編む』三浦しをん(光文社)
第10回:『海賊とよばれた男』百田尚樹(講談社)
第11回:『村上海賊の娘』和田竜(新潮社)
第12回:『鹿の王』上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)
第13回:『羊と鋼の森』宮下奈都(文藝春秋)
第14回:『蜜蜂と遠雷』恩田陸(幻冬舎)
第15回:『かがみの孤城』辻村深月(ポプラ社)
第16回:『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ(文藝春秋)
2020/04/07