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小泉孝太郎、主演ドラマで“改革断行” “父親”をほうふつとさせる姿に高まる期待

 俳優の小泉孝太郎が主演するテレビ東京系ドラマBiz『病院の治しかた ドクター有原の挑戦』(毎週月曜 後10:00)。1月20日放送の初回視聴率がドラマBiz枠史上最高の8.1%を獲得。27日放送の第2話も7.0%で歴代2位とのことだ(視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)。

ドラマBiz『病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜』主演の小泉孝太郎(C)テレビ東京

ドラマBiz『病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜』主演の小泉孝太郎(C)テレビ東京

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 本作の制作発表記者会見が予定されていた先月17日、小泉の実弟で環境大臣の小泉進次郎滝川クリステルの間に第1子となる男児が誕生。兄・孝太郎のコメントを求めて、他局のワイドショーが取材しに来るという異例の事態に。孝太郎が甥っ子の誕生を祝福するニュースは、結果、ドラマの宣伝にもなった。

 これは「持っている」としかいいようがない。『病院の治しかた』の稲田秀樹プロデューサー(テレビ東京)は「この企画を進めていた昨年8月、進次郎さんの結婚会見があって、1月下旬にお子さんが誕生予定と発表されて、みんなと冗談で制作発表か初回OAの日におめでたいことが重なったらいいねって話していたんですけど、まさか本当にそうなるとは…。小泉ファミリーってすごい。アシストしていただいて本当に感謝しています」。

 初回8.1%がどれほど好成績かといえば、これまでの同ドラマ枠の最高が18年7月期の『ラストチャンス 再生請負人』の初回で記録した6.1%。なお、前作『ハル 総合商社の女』の初回は4.5%、前々作『リーガル・ハート 〜いのちの再建弁護士〜』は5.4%。「スタート以来、テレビ東京で月曜よる10時にドラマを放送していることの認知がなかなか広がらない。それが大きな課題でした」(稲田P)。

 「ドラマBiz」は、“働く人々”を通して現代社会を描くというコンセプトで2018年4月にスタートしたドラマ枠。「新しいドラマ枠が定着するまで2年かかるといわれていて、それまでに視聴率という結果を出せるかどうか」(稲田P)の崖っぷち、2年目が終わる8作目に満を持して「病院経営というドラマBizらしい切り口」(同)の医療ドラマで勝負に出た。

 ドラマBizの1作目『ヘッドハンター』の放送がはじまって間もない18年5月、同局のトーク・ドキュメンタリー番組『カンブリア宮殿』(毎週木曜 後10:00)で、「小平奈緒の金メダルを支え続けた感動物語! 知られざる相澤病院」が放送された。同年2月の平昌冬季オリンピックで金メダルを獲得したスピードスケートの小平選手が所属する相澤病院(長野県松本市)が、かつては多額の借金を抱えて倒産寸前にまで追い込まれながら、地域の信頼を勝ち取って奇跡の復活を遂げるまで、相澤孝夫理事長が行った“改革”の数々を紹介する内容だった。この番組を観た志村彰プロデューサー(The icon)がドラマ化を思いつき、稲田Pが賛同し、主演に小泉孝太郎を迎えて実現したのが、『病院の治しかた』だ。

 「当初から主演は小泉孝太郎さんにお願いしたいと思っていました。着々とキャリアを築いてこられて、いまでは孝太郎さんが出演しているだけで、『品質保証』が通用するまでになっている。ただ、(19年)7月期に『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜シーズン4』に主演されて、1月期にまたテレ東のドラマに出てくれるだろうか、という心配はあったんですが、ご本人が面白い企画だからぜひやりたいと快諾してくださった」。

 主演が小泉でなかったら、同じ脚本でも違った結果になっていたかもしれない。放送開始後、SNSに投稿された感想コメントには、〈「病院の治しかた」面白い〉〈リアルだけど、見終わった後なんだか清々しい気持ちになる!〉〈こんな上司のもとで働きたいまじで〉〈今年の冬ドラマは、医療ドラマが多いけど、小泉孝太郎のドラマがイチバン好きかも〉〈息つく間もなく見てしまいました〉と、好意的なものがほとんど。これからさらに数字を上げて大化けする可能性もある。

 やはり、主演の小泉の評判がいい。〈小泉孝太郎の医者ははまり役〉〈真っ直ぐで超プラス思考の医師役、#小泉孝太郎 さんが凄くハマってる!〉〈小泉孝太郎って演説演技はまるな〉など。次々に改革を思いつき、それを病院の医師や看護師、ほかの職員に説明し、抵抗勢力の言い分も合理的な正論で説き伏せてしまう。その姿は、彼の父であり、郵政改革を断行した時の総理大臣、小泉純一郎氏をほうふつとさせる。

 第2話で新理事長となった主人公の有原修平(小泉)は人事制度の見直しに着手。予想通り医師や看護師は猛反発する。話も聞かずにベテラン看護師たちがこぞって退職届を提出した場面では、「慰留はしません。無理に残ってもらってもいずれ病院のお荷物になる」と即断する非情さをみせながら、「看護師の負担軽減策すぐに取りかかりましょう」と的を射た行動でピンチを打開してく。そんな修平の姿は、私たちが求めているリーダー像そのものともいえる。

 稲田Pは「主人公の改革を推し進めていくパワフルさ、抵抗勢力に負けない姿は、功罪両面あって、とても難しいキャラクター。孝太郎さんだからあの説得力が出せるんだと思います。もちろん、ご本人の努力の賜物ですが、育った環境みたいなものも生かされている気がします」と太鼓判を押す。

 小泉自身はモデルとなった相澤理事長と対談した際、「実際にモデルとなった病院があり相澤理事長がいらっしゃるというのは一番のプレッシャーでした。今回苦しい場面や重い会議のシーンで、相澤先生はそういう時こそ笑う人なのかと思って、なるべく最後は笑顔にするように演じてみたんです。それは正解でした。相澤先生に少しでも近づけたかなと思いました」と、笑顔を心がけていたそう。

 さらに、稲田Pは「医療行為のシーンは最小限で、このドラマの事件のほとんどは“会議室で起こっている”んです(笑)。孝太郎さんは膨大な量のせりふに真摯に向き合って、圧倒的な熱量で演じてくださっていて、その熱がちゃんと視聴者に届いている感触があります。ともすれば嫌われ者になりかねない。これまでの慣例を無視し、しがらみを断ち切り、身内も切り捨て、去る者は追わない。血も涙もない、冷酷で非情な一面もある主人公を孝太郎さんが演じると、まったくそれを感じさせない。ご本人自身の清廉潔白さに助けられていると思います」。一にも二にも、小泉をキャスティングできたことが今回の勝因といえそうだ。

 試行錯誤を続けながらも「ドラマBiz」枠は、3年目に突入する。先日発表された、4月期の作品は鈴木京香主演の『行列の女神〜らーめん才遊記〜』。

 「次は漫画原作で、かなりテイストが違う作品にはなると思いますが、うまくバトンを渡したいですね。いろんなものにトライしながら、テレ東でわりとちゃんとしたドラマ作っているよね、という信頼を積み重ねていくしかないんですけど、今回の『病院の治しかた』がブレイクスルー(行き詰まりの状態の打開)になっていくんじゃないか、という期待はしています」

■放送情報
テレビ東京:毎週月曜 後10:00
BSテレ東:毎週金曜 後9:00
動画配信サービス「Paravi」で配信中

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