日本アカデミー賞最優秀脚本賞の受賞歴を持つ土橋章宏氏の小説『幕末まらそん侍』(ハルキ文庫)が原作で、『キャンディマン』『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』などを手がけたバーナード・ローズ監督がメガホンをとった映画『サムライマラソン』(2月22日公開)で主演を務める俳優の佐藤健(29)。作品を追うごとに新たな魅力を開花する佐藤だが、本作では、セリフに頼らない表現力と「マラソンする忍び」役で、新たなる一面を見せている。
物語の舞台は幕末。迫る外国の脅威に備え、安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるために、十五里(約58キロメートル)の山道を走る遠足を開催する。しかし、この動きが幕府への反逆とみなされ、藩士不在の安中藩に刺客が送り込まれる。「行きはマラソン、帰りは戦」というキャッチコピーで、走る侍、剣術アクションなど、スポーツ、アクション、ドラマの要素を盛り込んだ新しい幕末エンターテインメントとなっている。
佐藤が演じるのは、幕府のスパイとして潜入している忍び・唐沢甚内。遠足中に、藩に迫る危機をいち早く察知する。藩主の娘・雪姫を小松菜奈、藩の重役の息子で野心家の侍・辻村平九郎を森山未來、足軽・上杉広之進を染谷将太、唐沢の上司・植木義邦を青木崇高、老侍・栗田又衛門を竹中直人、幕府大老・五百鬼祐虎を豊川悦司、藩主を長谷川博己が演じる。
これまで、作品を追うごとに新たな魅力を見せてきた佐藤だが、本作では侍の姿を借りて藩に潜入する忍び役を演じる。これまでの作品を振り返ると、大人気コミックスを実写化した代表作「るろうに剣心」シリーズでは、主人公の侍・緋村剣心を演じてそのハマり役っぷりが話題に。映画も高い評価を受け、シリーズ累計125億円(日本映画製作者連盟調べ)の大ヒットを記録した。
その後、再びコミックスを実写化した『亜人』では、人間として生活していたが、実は不死身の新人類“亜人”だったことに気付く主人公・永井圭を熱演。亜人VS亜人という死なない者どうしの激戦を描き、実写化不可能と言われていた同作だが、佐藤の卓越した身体能力により、華麗なアクション映画として映像化され好評を博した。一転、昨年公開の『いぬやしき』では、ある日機械の体を手に入れ、大量殺人鬼へと変貌する高校生・獅子神皓を演じ、これまでの主人公キャラとは違った悪役をも演じきる表現力の幅を見せつけた。
そんな佐藤健が、本作では“マラソンする忍び”唐沢甚内役に扮し、新境地に挑戦している。キャスティングにあたっては、演技に「伝える力」のある俳優にオファーすることが必須条件とされた。これはイギリス人のバーナード・ローズ監督の演出で、海外での展開も視野に入れた時に、自然とセリフに頼らない表現の作品となることを狙ってのこと。
加えて、主人公の甚内を演じる俳優には、さらなる高いハードルが設けられた。観客を惹きつける「スター性」や、忍びという役柄上、「秘めた思いを表現する力」、そして「高い身体能力」だ。これら全てを兼ね備える俳優として、自然に名前があがったのが佐藤健だったという。ローズ監督は、「今まで多くの俳優と仕事をしてきましたが、佐藤健さんのように、抜群の身体能力と繊細な表現力を兼ね備えた俳優は初めてでした」と、世界基準から見てもずば抜けた佐藤の魅力を語った。
一方、佐藤はローズ監督の演出方法に驚いたという。ローズ監督は現場で、セリフも言いたくなければ言わなくて良く、アドリブや現場で起こるハプニングも取り入れるという独特のメソッドを打ち出した。佐藤は「だから僕はあまりしゃべりませんでした。役としてセリフを言いたくなかったので。動きで見せるように頑張りました」と振り返っている。
そんなあまり多くを語らない佐藤の演技が、“忍び”という役柄にぴったりはまり、言葉に出さずに伝えるという作品のコンセプトを体現することに成功。加えて、マラソンでの野山を疾走する姿や、大迫力の殺陣のシーンでは、彼の身体能力がこれでもかと活かされている。
先日行われたイベントで、ローズ監督は「最高のキャストに恵まれて、日本で作品を作れたことは自分の映画の歴史において最もインスピレーションを受けた経験だった」と満足げな表情を浮かべると、佐藤も「過去に経験した一切の常識が通用しない現場だった。でも、新時代の時代劇は提示できたのかな」と手応えを語っていた。
映画『サムライマラソン』で“マラソンする忍び”唐沢甚内を演じる佐藤健 (C)”SAMURAI MARATHON 1855”FILM Partners GAGA.NE.JP/SAMURAIMARATHON
物語の舞台は幕末。迫る外国の脅威に備え、安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるために、十五里(約58キロメートル)の山道を走る遠足を開催する。しかし、この動きが幕府への反逆とみなされ、藩士不在の安中藩に刺客が送り込まれる。「行きはマラソン、帰りは戦」というキャッチコピーで、走る侍、剣術アクションなど、スポーツ、アクション、ドラマの要素を盛り込んだ新しい幕末エンターテインメントとなっている。
これまで、作品を追うごとに新たな魅力を見せてきた佐藤だが、本作では侍の姿を借りて藩に潜入する忍び役を演じる。これまでの作品を振り返ると、大人気コミックスを実写化した代表作「るろうに剣心」シリーズでは、主人公の侍・緋村剣心を演じてそのハマり役っぷりが話題に。映画も高い評価を受け、シリーズ累計125億円(日本映画製作者連盟調べ)の大ヒットを記録した。
その後、再びコミックスを実写化した『亜人』では、人間として生活していたが、実は不死身の新人類“亜人”だったことに気付く主人公・永井圭を熱演。亜人VS亜人という死なない者どうしの激戦を描き、実写化不可能と言われていた同作だが、佐藤の卓越した身体能力により、華麗なアクション映画として映像化され好評を博した。一転、昨年公開の『いぬやしき』では、ある日機械の体を手に入れ、大量殺人鬼へと変貌する高校生・獅子神皓を演じ、これまでの主人公キャラとは違った悪役をも演じきる表現力の幅を見せつけた。
そんな佐藤健が、本作では“マラソンする忍び”唐沢甚内役に扮し、新境地に挑戦している。キャスティングにあたっては、演技に「伝える力」のある俳優にオファーすることが必須条件とされた。これはイギリス人のバーナード・ローズ監督の演出で、海外での展開も視野に入れた時に、自然とセリフに頼らない表現の作品となることを狙ってのこと。
加えて、主人公の甚内を演じる俳優には、さらなる高いハードルが設けられた。観客を惹きつける「スター性」や、忍びという役柄上、「秘めた思いを表現する力」、そして「高い身体能力」だ。これら全てを兼ね備える俳優として、自然に名前があがったのが佐藤健だったという。ローズ監督は、「今まで多くの俳優と仕事をしてきましたが、佐藤健さんのように、抜群の身体能力と繊細な表現力を兼ね備えた俳優は初めてでした」と、世界基準から見てもずば抜けた佐藤の魅力を語った。
一方、佐藤はローズ監督の演出方法に驚いたという。ローズ監督は現場で、セリフも言いたくなければ言わなくて良く、アドリブや現場で起こるハプニングも取り入れるという独特のメソッドを打ち出した。佐藤は「だから僕はあまりしゃべりませんでした。役としてセリフを言いたくなかったので。動きで見せるように頑張りました」と振り返っている。
そんなあまり多くを語らない佐藤の演技が、“忍び”という役柄にぴったりはまり、言葉に出さずに伝えるという作品のコンセプトを体現することに成功。加えて、マラソンでの野山を疾走する姿や、大迫力の殺陣のシーンでは、彼の身体能力がこれでもかと活かされている。
先日行われたイベントで、ローズ監督は「最高のキャストに恵まれて、日本で作品を作れたことは自分の映画の歴史において最もインスピレーションを受けた経験だった」と満足げな表情を浮かべると、佐藤も「過去に経験した一切の常識が通用しない現場だった。でも、新時代の時代劇は提示できたのかな」と手応えを語っていた。
2019/02/02