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木村拓哉、新作映画大ヒットで改めて示した“スター性” 自身のイメージを遊ぶ余裕も

 主演映画『マスカレード・ホテル』の大ヒットスタートだけでなく、プロモーションのために出演したバラエティまで軒並み高視聴率を獲得した木村拓哉。40代後半に突入した今でも、まだまだダントツで“数字を持っている男”といえるだろう。スターの宿命として、つねにアンチ的な声にさらされてきた木村だが、誰もが気になってしまう存在であることは間違いない。メディアが多様化し、スター不在と言われる現代において、その稀有なスター性はどう変化しているのだろうか。

木村主演の映画『マスカレード・ホテル』は最終興収50億円を見込める大ヒットの兆しを見せている

木村主演の映画『マスカレード・ホテル』は最終興収50億円を見込める大ヒットの兆しを見せている

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■打率の高さは類を見ない“木村拓哉”というブランド力

 木村主演の映画『マスカレード・ホテル』(1月18日公開)が、公開2週目で興行収入19億円に迫り(1月28日現在)、最終興収50億円を見込める大ヒットの兆しを見せている。昨秋公開された木村主演の『検察側の罪人』も30億円超を記録しており、2本連続の大ヒットとなった。また、木村が宣伝のために出演したバラエティー番組も、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)『ニンゲン観察モニタリング』(TBS系)が通常回より高水準の視聴率二桁、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)は18.6%と、軒並み好調だった。

 大ヒットが当たり前というプレッシャーのなかで戦い続けてきた木村は、近年では振るわなかった成績がメディアで取り上げられることもある。しかし、主演ドラマのなかで視聴率が低かった『安堂ロイド〜A.I. know LOVE?』(13年/TBS系)でも12.6%、映画でも興収40億以下は『無限の住人』(17年)の9.6億円のみ。数字が振るわない作品がことさら取り上げられているが、現代の水準で見ればむしろヒットの部類と言えるだろう。出演者以外の要素はあれど、ここまでの打率の高さは類を見ないもので、やはり“木村拓哉”というブランド力が強固であることは疑いようがない。

■どの役も自分なりの“ナチュラル”に落とし込む芝居

 その一方で、演技については、「何を演じても“キムタク”」という揶揄がつきまとってきた。確かに過去のいくつかの作品では、典型的な“木村拓哉節”のようなものがあったかもしれない。

 木村といえば、セリフが圧倒的にナチュラルで、等身大のリアルさが際立つ演技のスタイル。もちろんそれは芝居なのだが、あまりに自然体なため、役と本人の強烈な魅力が混ざり合って“木村拓哉”のイメージが形成されていったのだろう。たとえ本人がカッコつけていなくても、見る側が条件反射で華とオーラを見つけてしまうのが、スターの証なのかもしれない。

 とはいえ、『武士の一分』(06年)のような時代劇や、『眠れる森』(98年/フジテレビ系)のようなダークな役もあり、決して役の幅は狭くない。とくに近年は、『BG〜身辺警護人』(テレビ朝日系)の思春期の息子を持つ父親、『無限の住人』の血まみれの剣士、『検察側の罪人』の正義に固執して道を踏み外す検事など、固定されたイメージを覆す役が多い。

 徹底的に役を自分に叩き込むことで知られる木村は、どの役も自分なりの“ナチュラル”に落とし込んで、役として自然に体が動いている。なかでも『検察側の罪人』は、“芝居させない”ことを追求する原田眞人監督とのタッグで、ゾクゾクするほど生々しい人間像を体現した。木村演じる検事・最上が、後輩検事・沖野(二宮和也)の取り調べを聞くシーンで、被疑者・松倉(酒向芳)への怒りのあまり席を立ってしまったのは、台本にはなかった動きだと話している。そこには良い意味で華もカッコよさもなく、ただ生身の人間のむき出しの感情があった。

■自らのパブリックイメージを利用して遊ぶ余裕も

 そんな木村が、ひさしぶりに大衆がイメージする“木村拓哉”に近い役柄を演じたのが、公開中の『マスカレード・ホテル』だ。本作は、原作者の東野圭吾が木村をイメージして書いた主人公・新田を、木村本人が演じているという貴重な作品。刑事の新田は、潜入捜査のため、一流ホテルのホテルマンとして働いている。物語冒頭ではボサボサ頭にヒゲ面の刑事だった新田が、七三分けの端正なホテルマンに変貌するギャップや、粗野で一直線なキャラクター、スタイリッシュなアクションなど、木村らしい魅力が詰まっている。

 とにかく全編カッコいいのだが、『無限の住人』や『検察側の罪人』を経た今となっては、これも木村のほんの一部だと感じるため、もはや「何を演じても“キムタク”」と言う観客は少ないのではないだろうか。

 かつての木村は、外野の言葉など取り合わない超然としたスターに見えていた。しかし、1月17日放送の『モニタリング』では、「何やったって“キムタク”と言われる」と世間の言葉に傷つく心情も吐露し、その人間味のある姿が反響を呼んだ。

 また、木村がゲームキャラになった『JUDGE EYES:死神の遺言』が、ゲーマーたちの間でちょっとしたブームになっている。「ちょ、待てよ」というセリフなどが評判となり、「これは名作!」「キムタクを好きになる!」と、若年層の好感度も急上昇させた。

 自らのパブリックイメージを利用して遊ぶ余裕が、近寄りがたいオーラもあったこれまでのスターのイメージを変えつつあるようだ。絶えずエンタテインメントのド真ん中に立ち続ける木村。“スター”と呼ばれる存在の新たな輝き方と美学をこれからも提示していくことだろう。
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提供元:CONFIDENCE

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