今年、放送開始から40周年を迎えた松平健主演の『暴れん坊将軍』（テレビ朝日）でお馴染みの、江戸幕府第8代将軍・徳川吉宗の若き日の活躍を描く、新作時代劇『紀州藩主 徳川吉宗』が、BS朝日で来年2月8日（後7：00〜9：54）に放送される。若き日の吉宗役で主演するのは、俳優の山本耕史。知られざる若き日の史実をモチーフに、後に名奉行・大岡越前となる大岡忠相との友情をはじめ、殺陣あり、恋あり、お家騒動を巡るミステリーあり、と時代劇の魅力を詰め込まれた3時間の超大作だ。

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　若き日の忠相役には、渡辺大。本作のヒロイン的ポジションの市を演じるのは、渡辺麻友。江戸の飯屋の女将・つね役で宮崎美子、柳沢吉保役で吹越満、５代将軍徳川綱吉役で中村梅雀などが出演する。また、案内人として林家三平が登場。時代背景などを解説するコーナーを設け、エンターテインメント色豊かに展開していく。脚本は、『ビッグボーナス』で第２回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞・読者賞を受賞し、「相棒」シリーズの脚本も手がける長谷部幕臣王氏が手がけた。

　時は宝永2（西暦1705）年、5代将軍徳川綱吉の治世。この年、のちの８代将軍徳川吉宗は弱冠21歳の若者でありながら、相次ぐ父兄の死により徳川御三家・紀州家の藩主の座に就いた。吉宗は綱吉に招かれた御前試合観覧の場で、のちに大岡越前となる大岡忠相と出会う。

　そんな新藩主・吉宗を迎えた紀州を狙う影。その正体を探るため身分を隠して江戸の町で調査を始めた吉宗は、江戸市中の人々と出会い、成長しながら、やがて幕府をも巻き込んだ騒動へと身を投じることに…。若き吉宗が市中で庶民の悩みを解決し、悪事を企む商人や権力者を相手に立ち回り、“暴れん坊将軍”の片鱗をものぞかせる。

　若き日の吉宗を演じた山本は「『暴れん坊将軍をやってください』と言われたら、断ります（笑）が、今回は将軍になる前の話で、松平さんのものとは全く別物という解釈で、やらせていただきました」としつつも、「演じながら、この吉宗がのちにあの“暴れん坊将軍”になるのか…」と感じずにはいられなかったそう。「若い２人（吉宗と大岡）がぶつかり合って、認め合って、二つの時代劇になったと思うと、すごい作品に出させてもらったなと思います。ときには高潔に、ときには色っぽく、いろんな表情のあるドラマになっているんじゃないかなと思います」と話していた。

　大岡忠相もまた、彼を主人公にした時代劇シリーズ『大岡越前』がいまも続いているほど、人気の人物。28歳の忠相を演じた渡辺大は「恐れ多いと思いましたが、（山本）耕史さんと僕とで、この先『暴れん坊将軍』になって、『大岡越前』になっていくんだな、といろんなことを想像できる新しい時代劇を作っていけたら、と思って挑みました。北大路欣也さんや里見浩太朗さんら、名だたる時代劇の大先輩方も、今の自分の年齢（34）くらいから大役をやっていたことを考えると、そろそろ自分も責任感を背負っていかないといけないと感じています」と自身にはっぱをかけていた。

　父と寺子屋を開く市を演じた渡辺麻友は「話が進む中で市自身のある過去が明かされていきます。市は芯の強い女性として描かれているので、そういうところも表現できるように演じました。子どもに読み書きを教える先生役も初めてだったので、いろいろ難しかったです」。宮崎は「徳川将軍の中でも親しまれている吉宗ですが、若い頃のことは知られていないんじゃないでしょうか。現代的な雰囲気もあって、自然な芝居が多いと感じたので、私は自分が見てきた時代劇の雰囲気で飯屋の女将をやってみました」と、それぞれアピール。

　12月1日より4K放送が始まり、本作も4Kカメラで撮影。かつらと肌の境目など気を遣う部分もあるが、「ロケも多く、空気感や季節感がより出ていると思うので、楽しみです」と山本。女優陣は画面映りが気になるようで、宮崎が「年齢がリアルに出るので、反対です（笑）。若い方はいいんですよ、そばで見てもツルツルですから」と冗談めかすと、渡辺麻友も「映って欲しくない部分まで映ってしまうので、女性は気を使うと思います。割と普段から気をつけてはいますが、寝る前に入念にパックしたり、スキンケアを頑張ったので、その成果が出ているといいなと思います」と話して場をなごませていた。