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【2018年のネタ番組 Vol.1】『にちようチャップリン』を生んだ内村光良の“若手芸人愛”

 2000年代前半から後半にかけて『爆笑オンエアバトル』(NHK)、『エンタの神様』(日本テレビ)、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)など各局のネタ番組がにぎわい、そこから一躍ブレイクを果たす芸人が次々と生まれた。そこから10年あまりが経った現在、テレビでは規制強化や制作費削減などが叫ばれ、Abema TVやAmazon Prime Videoといったネット動画配信サービスに大物芸人が出演するなど、バラエティー番組を取り巻く環境は一気に変わりつつある。

内村光良の“若手芸人愛”がにじみ出る『にちようチャップリン』(C)テレビ東京

内村光良の“若手芸人愛”がにじみ出る『にちようチャップリン』(C)テレビ東京

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 そんな中、次世代のスター発掘、売れっ子たちの豪華共演などといった見どころを提供してきたネタ番組はどうなっているのか。今回は『2018年のネタ番組』と題して、趣向を凝らした演出を行っている2番組に注目して、ネタ番組の現在と今後の展望を探っていく。初回は、MCのウッチャンナンチャン内村光良を筆頭に、土田晃之千鳥ハリセンボンスピードワゴン井戸田潤アンガールズ田中卓志といった芸人たちがズラリと並んで、出演芸人のネタを見守る『にちようチャップリン』(テレビ東京)。現在は、年間を通してチャンピオンを決める大会「1年ぶっ通しお笑い王決定戦2018」という壮大な企画を行っている同番組の伊藤隆行プロデューサーに話を聞いた。

■内村光良の熱い思いで即決 『モヤさま』『ゴッドタン』も、きっかけはネタ番組

 2015年に『そこそこチャップリン』として特番で放送。そのきっかけとなったのが、内村が出演していた同局の『そうだ旅(どっか)に行こう。』の打ち上げだった。「内村さんは人に何かを頼むような方ではないのですが、その時にふと『伊藤さん、テレビ東京さんは若手のネタ番組をやらないんですか?』とおっしゃった。当時、内村さんがちょうど50歳になる年で『今、僕がここにいるのは諸先輩とテレビのおかげなんですよ。だから僕も若手のために何かしてあげられたらと思うんですよね』というお話をしてくれたので『ネタ番組、やります!』と即答しました」。

 伊藤氏自身、テレビマンとしての原点がネタ番組だった。「28歳の時に『ダチョウ&さまぁ〜ずの若手で笑っちゃったよ!』という特番を佐久間(宣行・同局『ゴッドタン』プロデューサー)などと一緒に担当させてもらったのですが、そのオーディションで若かりし頃のおぎやはぎ劇団ひとりなどと出会いました。この座組を見ていただいたらわかると思いますが、ここでのお仕事が縁になって『モヤモヤさまぁ〜ず』や『ゴッドタン』が生まれていきました。だから、意義と言うと硬いですが、若手のバラエティー制作の人間にとって、オーディションをやって、一緒にネタの見せ方を考えていく過程や、そうやって芸人さんと触れ合える場があることは絶対的に意味がある。そう思って、番組を立ち上げました」。

 内村の思いも踏まえて、軸は“若手の発掘”に据えた。「やっぱりテレビで出て、顔が売れて、食っていけるようになるって大変なことですから。内村さんやさまぁ〜ずも、1回死ぬ思いをしていますよね。だから、売れるきっかけを作る場としてやっていこうと決めました。内村さんの憧れの喜劇人ということで、最初に『内村チャップリン』というタイトル案を持っていきましたが、本人が『それはチャップリンに失礼だ』と(笑)。『そこそこチャップリンはどうでしょう?』と提案すると『それならいいか』とOKを出していただきました。結果的に『チャップリンになるような可能性を持っている芸人さんたちが出てくるよ』という思いも込められた番組名になっていて、いいですよね」。


 深夜帯の『こそこそチャップリン』『じわじわチャップリン』を経て、昨年4月から『にちようチャップリン』として日曜午後9時54分からに昇格。時間帯が上がったことに伴い、内容も勝ち抜き戦から「トリオネタ芸人」「賞レース2位芸人」といった毎回テーマを決めた内容へと変更し、出演芸人も若手から知名度のある芸人までが並んだ。「『チャップリン』というカテゴリーであれば、いろいろやれるかなというのはあって、内村さんと相談しながらいろんな企画をやりましたが、しっくりきませんでした(笑)。若手の芸人さんを夜10時にドンと出すのは、最初は怖かったところはあります。だけど、やっぱり内村さんが最初に言っていたところに戻ろうと決めました」。その言葉通り、10月末から7週にわたって「お笑い王決定戦2017」を実施。新たな魅力発掘に原点回帰した。

■発掘した芸人は「他局にどんどん出てほしい」 さまぁ〜ずのライブで感じた“コント番組”の必要性

 ネタ番組の肝である出演芸人の選定の基準はどうなっているのだろう。「内村さんに『こんな人いるんだ』と思わせたいのが一番です。ディレクターがいろんなライブを見て回ったり、オーディションを行っていく中で、面白くて、新しくて、ある程度一定のラインを越えている芸人さんを選んでいきます」。これまで、アキラ100%平野ノラサンシャイン池崎といったブレイク芸人を輩出してきたが、伊藤氏は「ウチの局は、自分のところで純粋培養していくのが苦手で、ある番組で注目されても、ほかの番組にも露出していくというのがうまくいっていない。だから、我々としては『チャップリン』をきっかけにして、他局さんの番組にどんどん出て売れていってほしいです」ときっぱり。その上で、こう呼びかけた。

 「ある程度までテレビ東京がオーディションをした上で、番組に出てくるので、各局の方もキャスティングの参考にしてくれている部分もあるんじゃないでしょうか(笑)。最近ではネルソンズとかジェラードン、四千頭身といったトリオの芸人さんのネタがすごく面白いですよね。テレビ東京でまぁまぁ頑張っても売れないから、『にちようチャップリン』で注目されて日テレさんのロケ番組や情報番組で活躍してほしいな(笑)」。

 番組を見ていると、思ったような結果が出なかった芸人に対しても内村をはじめとした出演者たちの温かい目線が印象的だ。「みなさんそうですが、内村さんはものすごく愛情がありますね。ただ笑っていますけど(笑)。笑う時の声色にも何種類かあって、内村さんは“くだらない”を笑いの一番高いところに置いているので、その人たちの人生を笑っているというか…。ネタの面白さはもちろんありますが、それを超えて、芸人としてのスタンスみたいなものが見えた時に高い声で『アッハッハ…』となる(笑)。ネタの演出をする時にも、音がちょっと大きすぎてしまったりすると、出てくれた芸人さんのことを思って『ちょっとかわいそうだったかな』とおっしゃることもあります。愛ある笑いをMCとしてやってくださっているなと感じています」。

 品川庄司品川祐が「ネタ作って出たい」と千鳥の大悟に訴えるなど、芸人からの反響も大きい『にちようチャップリン』。ゆくゆくは、テレ東発の“コント番組”を作りたいと伊藤氏は意気込む。「コンビ・トリオ・ピンみたいに芸人さんを集めて、純粋に『とぶくすり』みたいな段積みコントとかをやりたいです。コントはお金がかかると言われますが、局内の場所を使ったりして、お金をかけなきゃいい(笑)。3分や5分くらいのコントをやって、終わったら15秒くらいブリッジがあって、次のコントにいく…。この段積みコントの形式は、10代とか中高生には逆に新鮮になっているんじゃないかなと。さまぁ〜ずも単独ライブで10分くらいのロングコントを披露していますが、フリ・オチ・伏線があって、ライブ全体の構成も練られている。やっぱりそういうものをテレビで見ることができる環境を作っていかないといけないなと思って、今ガチで企画書を作っています」。

 伊藤氏の言葉から、視聴者のみならず、芸人やテレビマンにとってもネタ番組をやる意義があるということが十分に伝わってきた。7日には、第2弾として南原清隆陣内智則増田貴久NEWS)が出演する『ネタパレ』(フジテレビ)を特集。チーフプロデューサーの木月洋介氏へのインタビューから魅力を探る。
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  • 内村光良の“若手芸人愛”がにじみ出る『にちようチャップリン』(C)テレビ東京
  • テレビ東京の伊藤隆行プロデューサー (C)ORICON NewS inc.

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