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『おっさんずラブ』サントラ盤で『あまちゃん』超え 「登場人物に寄り添う劇伴にファンが反応」

 土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のオリジナル・サウンドトラック、河野伸『テレビ朝日系土曜ナイトドラマ「おっさんズラブ」オリジナル・サウンドトラック』(8月22日発売)が、最新9/3付オリコン週間アルバムランキング(集計期間:8月20日〜8月26日)で初週1.3万枚を売り上げ、4位に初登場した。「王道の恋愛ドラマを作る」という当初の狙いが、“おっさん同士の恋愛”という斬新な企画に発展。さらに、それが想像以上にピュアだったことで大きな話題を呼び、瞬く間に人気ドラマとなった『おっさんずラブ』。オリコンが発行する週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が主催する、「第12回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」作品賞・助演男優賞も受賞。放送終了後、2ヶ月が過ぎようとしているにも関わらず、未だその人気が収まることはないようだ。

 これまで、テレビドラマのサウンドトラックで、初週売上1万枚以上を記録した作品では、『NHK連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック』(1.2万枚)、『NHK連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック2』(1.0万枚)があるが、視聴率では圧倒的な差があったにも関わらず、『おっさんずラブ』があの『あまちゃん』をも凌ぐ売上を記録したのは驚くべきこと。理由はどこにあるのだろうか。ポップカルチャー研究者の柿谷浩一氏(早稲田大学総合人文科学研究センター)に聞いた。

◆曲に保存された「登場人物の想い」を掘り起こす

「どれだけドラマの内容がよくても、視聴者が劇伴CDにまで手を伸ばすことはあまりなかったと思います。にも関わらずこのアルバムが売れた背景には、ドラマファンに向けた細かな気遣いが影響したのではないかと思います。なかでも大きいのが、個性豊かな登場人物たちへの愛着です。

通常サウンドトラックはシーンを説明するために作られますが、『おっさんずラブ』ではセリフを材にした曲名からもわかるように、その曲を聴くと“誰かの顔”が思い浮かぶようになっています。つまり、物語を思い返すだけでなく、“それぞれのキャラクターと再会”し、彼らが体験したであろう恋の辛さ・悲しみ・嬉しさなどの感情に、改めて寄り添うことができる。曲に保存された「想い」を掘り起こすわけです。その営みは、劇伴の楽しみ方の王道です」(柿谷氏)

◆ファンの心をくすぐるパッケージ特典も魅力

「また、『おっさんずラブ』の劇伴の特徴に「力強く、迫力のある」サウンドが多いというのもあります。しかし、それらの曲は決して“男らしさ”や、“男社会”を演出するものではなく、意志の強さや純粋ゆえのストレートな感情といった、登場人物の内面を引き立てていました。普通なら聴き流してしまうような、シーンの隙間を縫うメロディーにも、人物の心情を敏感に捉えて、キャラクターの想いに満ちた世界を作り出した。こうした登場人物に寄り添う「人間愛あふれる音楽」に魅せられ、CDを手元に置いておきたいと思った人が多くいたのではないかと思います。

 さらに、パッケージの特典も魅力的でした。通常はクレジット程度の情報しか付かないことが多いのですが、この作品では、作曲家の河野伸氏と選曲・岩下康洋氏、プロデューサー・貴島彩理氏による座談会や、パッケージにも一工夫されているという、なんとも心憎い充実ぶり。物語のキャラを愛した視聴者心をよく理解した作りになっています」(柿谷氏)

 ドラマは流れるように消費され、放送後は“話題の場”を作れないことも多い。DVDの発売はあるが、その時に個別特集が組まれる程度で、新たなコンテンツが出ることも少ない。そうしたなかで、作品人気を一時的なものに留めず、今回のように劇伴CDが放送後の「作品を語る機会」を作り、さらに盛り立てる動きは、“ドラマ文化”としても理想的な光景だ。


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提供元:CONFIDENCE

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