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押井守監督、“揉めた”攻殻・草薙素子の描き方 「筋肉のかたまり」アニメーターとの攻防語る

 押井守監督が21日、都内で自著『シネマの神は細部に宿る』(同日発売)の記念会見とトークショーに出席。トークでは映画へのあふれるフェティッシュ=偏愛を熱弁した。

自著『シネマの神は細部に宿る』の会見・トークショーに出席した押井守監督

自著『シネマの神は細部に宿る』の会見・トークショーに出席した押井守監督

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 同書は歴史的傑作から、世間的にはB級・C級と呼ばれる作品まで、押井監督の心をとらえて離さない映画の数々を、主観まみれ、あふれんばかりの毒舌と愛をこめて語る偏愛映画本。『愛の嵐』の軍服の着こなし、『2001年宇宙の旅』の粘土みたいな宇宙食、『クール・ランニング』のバセットなど、押井監督のフェティッシュを刺激した、いつまでも忘れられない映画をジャンルごとにランキング形式で紹介している。

 押井監督は「映画の半分より1%多いくらいは、本質はフェチ。それがなかったら同じ映画を二回も三回も誰も見ない」と述べ、 本書を通して「同じ映画を何度も見る理由はなんなんだ」という疑問を考えたかったと告白。「アニメーターあがりとか絵描き系の監督さんは、本人が自覚しているかは別としてフェテッィシュがもろに出やすい」と続け、「サンプルにするのにもっと適当な監督は他にいっぱいいるんですけど、怒られたくないので、自分のフェチで(本を書いた)」と本音もこぼした。

 話題は押井作品におけるフェティッシュの話へ。 監督は「自分の作品ははっきり言ってフェティッシュの塊(かたまり)」と述べ、「アニメーションは理想を形にしているので、 好みになっちゃうんですよ。絵描きって基本自分の理想な女の人しか描けない。だから私が描かせたい顔とアニメーターが描きたい顔は一致しないので結構揉める。最大に揉めたのは(『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の)草薙素子。(アニメーターが)こんな筋肉の塊みたいな女描きたくないよと」と裏話も飛び出した。

 最後に押井監督は「(本書は)どっから読んでも同じなんですよ。 色々並べたのは、 どれかひとつくらいね、 みんな(フェティッシュが)あるでしょってことなんです。 戦車だ鉄砲だ、全然興味ない人もいる。 食べ物だったり、制服だったり、女優さんだったり、あるいは男優さんだったり、どれか引っかかるでしょ。そこから読んでもらって、共感があるのであれば他のところに目を通してもらうと、そうすると自分の思ってないところに実はフェチがある。 発見があるんじゃないかと。自分の好きなところから読んでほしい」と本書に込めた思いを伝えていた。

関連写真

  • 自著『シネマの神は細部に宿る』の会見・トークショーに出席した押井守監督
  • 自著『シネマの神は細部に宿る』の会見・トークショーに出席した押井守監督(右)
  • 自著『シネマの神は細部に宿る』の会見・トークショーに出席した押井守監督

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