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千原兄弟が語るコント師の矜持 結成30周年目前の単独ライブで「第2章が始まる」

 ガサツな兄とすべらない弟…千原兄弟を一言で形容するならば、こうなるだろうか。人との垣根を作らない性格で、バラエティー番組の海外ロケではあっという間に現地になじみ、私生活でも驚きの人脈を持つ千原せいじ(48)と、巧みな話術と発想力を十二分に発揮して、マルチなジャンルで活躍している千原ジュニア(44)。そんな千原兄弟が、2006年以来12年ぶりとなるコンビとしての単独ライブ『赤いイス』を開催する。せいじとジュニアの2人に、今回の単独ライブや来年迎える結成30周年に向けての思いなどを迫った。

コント師としての矜持を語った千原兄弟 (C)ORICON NewS inc.

コント師としての矜持を語った千原兄弟 (C)ORICON NewS inc.

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■せいじ「千原兄弟はジュニアのもの」 12年ぶり単独ライブも気負いなし

 今月24日から26日までの3日間、東京・恵比寿ガーデンホールにて行われる今回の単独ライブ。ジュニアは昨年9月の自身のライブ『1P(いちぴー)』での発言がきっかけとなったという。「その時、せいじにネタを2本ほど手伝ってもらったんですけど、ライブのエンディングで『来年は2人でやりますわ』みたいなことを言いました。それで、なんとなくそういう流れになったという感じです」。一方、せいじは「千原兄弟でライブをやることはマネージャーから聞きました」とあっさり。自身のスタンスについても明確に説明する。

 「千原兄弟はジュニアのものですから。ネタを出産に例えるなら、ジュニアが妊娠している時に、僕はボケーッとしている親父みたいなもの(笑)。出産されるまで、何のこっちゃわからへんというのが正直なところです」。

 『赤いイス』というタイトルは、18年ほど前に実施する予定だったものの、ジュニアのバイク事故でとん挫してしまった“幻のライブ”のネーミングをそのまま採用。「当時どういう意図で『赤いイス』にしたのか覚えていないので、また違った内容になるでしょうね」と語るジュニアに、千原兄弟のコントの作り方を聞いた。「中身をユルユルにしておいて、せいじに自由に動いてもらうコントもありますが、基本的には台本ができたら完成という形が多いです。コントをやる芸人にも2パターンあって、芸人のキャラを生かして演じるタイプと、コントの役になりきるタイプがありますが、僕らはどっちかというと後者かな」。

 ジュニアから「縮こまってない感じがいい」と“演者”としての評価を受けたせいじは、その言葉通りに今回の単独ライブへの意気込みを語る。「そもそもコント師なので、12年ぶりにやるからといって気負うことはない。厳密にギャラを考えますと、コントで飯は食えていませんが、根本はコント師なので、別に『さあーやるぞ!』というのではなくて、スッと入って準備を進めていますよ。ただ、体も動かないし、物覚えが悪くなっているんじゃないかなという部分は心配です」。

■テレビでは満足いくコントができない “兄弟コンビの利点”には同じ考え

 せいじの「コントで飯は食えていません」という言葉が気になり「やはり、テレビでコントを披露するのは難しい時代なのか?」とぶつけてみた。まずは、ジュニアが自身の経験をもとに話す。「規制と時間帯の問題があるのかもしれないです。昨年『1P』をやった時に、ネタ番組をやっているディレクターさんが来てくれて『あのネタ、今度テレビでやってくださいよ』と言ってくれたのですが、『笑いの量ではあっちの方がウケていたのに、今はあの程度のネタでもアカンのや』と感じたことがありました。下ネタやワードの部分が、引っかかったのでしょう」。せいじも続けて、今のテレビ界に熱い激を送る。

 「バラエティー番組のロケで海外に行っても、自主規制がひどいなと感じることは多いですよ。怖いのは、日本人はそのルールが世界共通だと勘違いしているところで『いやいや、ヨーロッパとかユルユルやで!』と言ってあげたい(笑)。自分たちで勝手に作ったルールでどんどん表現の幅を狭くしていって、自分たちの首をしめている…。本来コントは“ファンタジー”なので、何をやってもいいはず。それをリアルな世界と一緒くたにする人が出てくるから、そんな状態で自分たちの満足のいくコントをやることは正直厳しいです」。

 そんな状態だからこそ、自分たちのコントを“舞台”で見てほしいと2人は力説する。「安パイなところはいかなくて、めちゃくちゃウケるか、大スベリするかですので、ぜひ目撃しに来てくれたらうれしいです。今、僕たちのことをテレビで見ている若い人の中にはコントをやっていたことを知らないというのも多いでしょうから」(ジュニア)、「これがホンマもんというか、これが千原兄弟ですよっていうのを、ぜひ見に来てください。僕らがテレビ出るきっかけとなったのは、これなんですよというのをわかっていただけたら」(せいじ)。

 そんな2人も来年でコンビ結成から30周年を迎える。ジュニアが「個人的なことを言うと、結婚をして、2人で12年ぶりに単独ライブもやって、第1章が終わって、第2章が始まるのかみたいな感じです。自分自身、30年間も続けていることって千原兄弟しかないんじゃないかな」と語ると、せいじも「今、来年で30周年と聞いてゾッとしました(笑)。平成とともに千原兄弟も活動してきたのかと思うと、ホンマにあっという間でしたね」としみじみ。コンビの“解散”を考えたことはなかったかと向けると、2人そろって「なかったです」ときっぱり。その上で、せいじがこう続けた。

 「たとえコンビをやめようが兄弟であることは変わらないし、ピンでやりたいことがあれば、解散せずにそれぞれでやればいい。コンビを解散しても何のメリットもないというか、意味のないことをしてもね、面倒くさいだけですから(笑)」。

 野暮を承知で「兄弟コンビのいいところ」を質問すると、まずはジュニアが「30年も一緒にやれば兄弟でなくても、阿吽(あうん)になってくるでしょうし、特にないんじゃないですか。スタートダッシュは速いかもしれないですけど」とにっこり。せいじも同じ答えだった。「若い時からけっこう聞かれていることなのですが、納得する答えが30年経ってもないんですわ。何かあるやろうなって思って、一生懸命考えたことがあるんですけど、やっぱりなかった(笑)。結局30年経っても、その意見に変わりはありませんでした」。

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  • 単独ライブ『赤いイス』を開催する千原兄弟 (C)ORICON NewS inc.

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