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谷口ジローさん、未発表遺稿を単行本化 「下書き原稿も掲載」担当編集が明かす思い

 『孤独のグルメ』『「坊っちゃん」の時代』などの作品で知られ、今年2月に亡くなった漫画家の谷口ジローさん(享年69)の未発表絶筆(遺稿)が2冊の単行本として、あす8日に発売される。7日、東京・千代田区の小学館本社で会見が行われ、谷口さんの著作権管理者の米澤伸弥氏、担当編集の小田基行氏、今本統人氏が出席した。

谷口ジローさん、未発表遺稿を単行本化(C)パピエ (C)ORICON NewS inc.

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 単行本化されるのは『いざなうもの』(原作:内田百間『冥途』)、『百年の森』の2冊。闘病中だった谷口さんが、2017年までの2年間で描きあげたという。繊細なタッチや、背景を細かく書き込む技法で海外でも高い評価を得ていたが、特に『いざなうもの』では、薄墨、鉛筆、修正液で描くなど、斬新な技法が用いられている。

 『百年の森』の担当編集を務めた小田氏は「当初の構想では、第5章で完結予定でしたが、第1章を完結させ、第2章の下書きに取り掛かった途中で、残念ながらクライマックスを描くことなく旅立ってしまわれた。本書では、第1章の完成原稿と、第2章の下書きを収録しました」と明かし「谷口ジロー先生が闘病中に描いた物語、見果てぬ夢の続きを読者の心で再現して頂けたら」とファンへ呼びかけた。

 『いざなうもの』の担当編集・今本氏も「今年の1月上旬まで執筆を続けられた。残念ながら完成には至りませんでしたが、ご本人の発言を本に全30ページの内、20ページまでを完成原稿と判断し、ネームを入れさせて頂いた。そして最後の10ページに関しては、下書きのまま掲載しました」と報告。「谷口先生からしたら不本意な部分もあるかもしれませんが、最後まで読んでいただきたいということで、ご遺族の了解を得て掲載する運びになりました」と語り、作品にかける思いをにじませた。

 谷口さんは鳥取県出身で、1971年に短編漫画『嗄(か)れた部屋』でデビュー。作家の関川夏央さんとともに夏目漱石など実在した文豪たちを登場人物に描いた『「坊っちゃん」の時代』で、平成10年に第2回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞。1994年から久住昌之氏とともに連載を手掛けた『孤独のグルメ』は、谷口さんが作画を担当し、テレビドラマ化もされて話題になった。

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  • 谷口ジローさん、未発表遺稿を単行本化(C)パピエ (C)ORICON NewS inc.
  • 単行本化された『いざなうもの』(原作:内田百間『冥途』)、『百年の森』の原画 (C)パピエ (C)ORICON NewS inc.
  • 小学館本社で会見を行った(左から)今本統人氏、米澤伸弥氏、小田基行氏 (C)ORICON NewS inc.

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