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「スター・ウォーズ」C-3PO、アンソニー・ダニエルズ “中の人”としての葛藤と涙

 「スター・ウォーズ」シリーズの最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(12月15日公開)が控える中、光り輝く金色ボディのドロイド「C-3PO」を第1作から40年間に渡って演じ続ける俳優、アンソニー・ダニエルズ。3月に来日した際、ORICON NEWSのインタビューに応じ、「ハリソン・フォードジョニー・デップのように顔出しで活躍している大スターがチヤホヤされるのはわかるけど、自分はC-3POというキャラクターあっての“中の人”。自分を俳優といっていいのだろうかと考えることがある」と、いまだに葛藤があることを明かした。

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■『スター・ウォーズ』への出演を決めた一枚の絵

 ダニエルズが、『スター・ウォーズ』への出演に対して、最初は全く乗り気ではなかったというのは有名な話。3月21日より日本の空を飛んでいるANAの「C-3PO ANA JET」(ボーイング777−200型機の機体にC−3POがデザインされたスター・ウォーズジェット特別塗装機)のお披露目イベント(同20日に都内で開催)に出席した際も、その話をしていた。

 「1975年当時、エージェントから『ジョージ・ルーカスという監督が、映画を作っていて、ロボット役をあなたにお願いしたいと、会いたがっている』と言われました。私はSF映画に興味がなかったので『ノー』と答えました。若手俳優なのに仕事の面接を断ったことに、エージェントは『バカなことをするな』と激怒し、私はジョージに会いに行ったんです。

 彼はとても良い人でした。ただ、私の考えを決定的に変えさせたものは、イラストレーターのラルフ・マッカリーが描いたC-3POのコンセプト・ペインティングでした。不思議な月明かりの惑星という別世界を舞台にして描かれたものです。C-3POがこちらを見つめていました。どうしたわけか、その瞬間、本当にC-3POの目が私の魂を貫いたのです。ラルフ・マッカリーの絵があったおかげで、これだけの時代を経て、今日、私はここにいるというわけです。これは100%本当の話です」。

 引き受けたものの、「C-3PO」のコスチュームは重いし、動きは制限されるし、着脱に時間もかかるし、非常に不快なものだった。「スーツを着た状態では座れないだけでなく、トイレにも行けませんし、食事もとれないんです。R2-D2を相手にひとりで演技をしなければならないことが多く、とにかく大変で孤独を感じる仕事でした」。

 1作目『スター・ウォーズ/新たなる希望』(1977年5月25日公開)の撮影ではこんなエピソードも。

 「砂漠の惑星タトゥイーンの撮影を、北アフリカ・チュニジアのサハラ砂漠で行った時、砂漠の中にポツンと私がいて、視界に入るか入らないかくらい離れた所にカメラがあって、『アクショ〜ン』という声がかすかに聞こえたら一人で芝居をはじめる、ということがありました。シュールすぎてとても印象に残っています。それ以来、砂まみれになることがトラウマになりまして、ビーチに行けなくなりました(笑)」。

■C-3POが多くのファンに愛される理由

 思い出されるのは、“ネガティブ”な話ばかりなのに、なぜ2作目以降も出演し続けたのか。それも、『フォースの覚醒』(2015年)までの7作と、昨年公開されたアナザー・ストーリー『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のシリーズ全8作に出演、シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にも参加している唯一のキャストになるとは。

 「そう考えると、2作目のオファーを断らなかったことが、私のキャリアの転換点になったのかもね。正直、ためらいもあった。1作目がとにかく大変だったからね。でも、仕事をしないとギャラが入らないし、生活もある。大変だったけど、1回やってC-3POのキャラクターのことが大好きになった。僕が断ったら、C-3POというキャラクター自体が消滅してしまいそうだったし、自分以外の人には演じさせたくないと思った。すでに、私にとってC-3POはかけがえのない存在になっていたのかもしれないね」。

 シリーズの生みの親、ジョージ・ルーカス監督は、C-3POを「スター・ウォーズ」シリーズのストーリーテラーにする考えがあった。「C-3POはどの映画においても、人々がしがみつくことのできる、いわば救命いかだのロープのような存在です。つまり、もしC-3POが登場するのなら、その映画は『スター・ウォーズ』に違いないという発想です。C-3POに選ばれたことで、俳優としてかなり特殊なキャリアになりました。顔出しを一切しないまま、40年にわたってスクリーンに登場し続けるなんて。それが私の運命でもあったのでしょう」。

 C-3POが多くのファンに愛される理由としてダニエルズは、「マーク・ハミル(ルーク・スカイウォーカー)、キャリー・フィッシャー(レイア)、ハリソン・フォード(ハン・ソロ)らのおかげだと私は以前から言ってきました。この金色の男と共演する意味がわからないと思っていたら、観る人も説得力を感じません。つまり、共演者の信じる気持ちが顔に出ることで、C-3POのリアリティーも客席にいる観客へと伝わるのだと思っています」と、共演者をリスペクトしている。

 一方で、R2-D2との掛け合いにおいては、「当初、現場ではまったく音を立てないサイレント・ボックス(物を言わない箱)だったので、この箱には人格があると観客に信じさせるように演じる技術を向上させる必要がありました。演劇学校のエクササイズのようなものです。私はそれを何とか向上させることができたようです」という自負もある。

■“中の人”として葛藤し続けた40年

 今回、ダニエルズを目の前にして改めて実感したのは、C-3POとR2-D2がドロイドなのに人間味あふれ、観客が感情移入できるのは、彼のひとり芝居の技術あってのことだ、ということ。C-3POのコスチュームを身につけていなくても、ダニエルズがR2-D2の前に立っただけで、それまでサイレントボックス然としていたR2-D2がにわかに目覚め(電源が入った感じ)、2人で会話を始めたように見えた。その率直な感想を伝えたところ、ダニエルズが急に涙ぐんだのでびっくりした。

 「私の動きのニュアンスでR2-D2が生きているように見えるなんて、言われたことがあまりなかったから、すごくうれしい。ありがとう。そんな風に言ってもらえると、本当にやってきた甲斐があると思います。今日は、C-3POの姿でなくて申し訳ない、“中の人”でがっかりしていなければいいなと思っていたくらいなんだ」。

 そして、記事の冒頭に書いた発言。C-3POの“中の人”として生きてきた40年間は言葉では語り尽くせない、広く深いもの。その中に浮かぶ心の澱を、たった15分のインタビューだったが、ほんの少しだけ吐き出してくれたように感じた。

 シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では、前作『フォースの覚醒』のラストシーンでルーク・スカイウォーカーと対面した主人公レイのその後が描かれる予定。監督・脚本を担当するライアン・ジョンソン氏は、「『フォースの覚醒』は大冒険でキャラクターを紹介した作品。『最後のジェダイ』はキャラクターを掘り下げ、核心に迫ることになる」と、コメントしている。C-3POがどんな活躍をするのか、楽しみだ。

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関連写真

  • 映画「スター・ウォーズ」シリーズ全作品に出演中、金色ボディの「C-3PO」を演じるアンソニー・ダニエルズ (C)ORICON NewS inc.
  • 相棒のR2-D2と (C)ORICON NewS inc.
  • シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』への出演も公表されている (C)ORICON NewS inc.
  • シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は12月15日公開(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

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