俳優の塩谷瞬が23日、都内で行われた劇映画『母 小林多喜二の母の物語』製作発表記者会見に出席。労働環境の改善を説き『蟹工船』などを著しながらも、拷問によって非業の最期を迎えた小林多喜二役に抜てきされた思いを聞かれ「多喜二は常に前を向いて、底なしの明るさで文章を書いていたと思うと…」と約20秒間にわたって涙で声をつまらせた。 多喜二に関する資料を読み、役作りに励んでいるという塩谷は「すごく大きな人間で、とてもやさしい人。小林多喜二という人間を考えれば考えるほど、思いが込みあげてしまいます」としみじみ。「僕は幼いころから母親がいないので、自分の人生のテーマとして“母”というものを求めている」と作品との共通点を明かし「彼が遺した魂を役者として演じることが幸せだと思うので、言葉だけじゃなくて表現できるように演じたい」と力を込めた。
2016/08/23